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心の内省日記3〜不安•パニック〜

冬の寒さが残る朝、いつもは時間を気にしながら子供を保育園に送り届け早足で駅に向かうが、今日は自宅に戻っていた。太陽の光が穏やかに差し込む誰もいないリビングのソファーに座って一息つき、緊張しながらネットで検索した番号に電話をかける。

「申し訳ございません。当院は予約制でございまして、当日の受診は行っていないのです。」「本日はあいにく予約でいっぱいで…。」調べた番号に一通り電話をかけたが、受診できる病院はなかった。諦めて家を出て駅に向かう。駅の改札口で「心療内科•精神科」の看板が目に入る。改めてネットで検索し、新たに見つけた病院に電話をかける。

睡眠導入剤を飲んでもあまり眠れなくなった。注意力も散漫になり、何かに集中しようとすると次々と別のことが頭の中をよぎる。人と会話をしても別のことを考え始めてしまい、気づけば無意識の相槌だけうっている。理解力が低下していることもなんとなく自覚し始めていた。

ネットで「うつ」「精神病」の無料診断を受けてみる。「今すぐ病院を受診することをお勧めします。」結果を受け入れられない一方でますます不安になる自分。勇気を出して信頼できる人に自覚症状を話した。自分の状況を一緒に整理してよく理解してくれ、負担が軽くなるように考えてくれた。同時に心療内科の受診を勧められて、ようやく受診を決意した。

気がつくと駅の構内で手当たり次第電話をかけていた。携帯電話の履歴欄は登録されていない番号で埋まっていた。繰り返しかけたのか、同じ番号が2,3並んでいる。すぐに受診できない不安からいつの間にかパニックになっていた。通勤ラッシュの時間は過ぎ人がまばらになった駅の構内でしばらく呆然と立っていた。

「どう?診てもらえる病院はありそう?」妻からのメールで我にかえる。「どこもいっぱいだねえ…」駅のホームで電車を待ちながら返信する。「大丈夫?今日ではないけど今週末だったら空いてるみたい。」心配した妻が何件か病院に問い合わせてくれたらしい。乗りかけた電車を降りて、再び電話をかけた。

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