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なんとなく内省日記27〜書くを極める〜

年々体調崩しやすくなった。そして昨年は人生で最も足踏みした年。生まれて初めての入院もあった。何もできない、考えてはいけない自分に最初は歯痒さと焦りばかりを感じていたが、徐々にマイペースで生きていけばいいんだと開き直れた。周りの目なんか気にしなくていい。前のように出来なくていい。少しずつでも前に進んでいけばいい。

最近疲れが溜まってきたことを自覚していて、少し休む時間を作らなければと思っていた矢先、案の定また体調を崩してしまった。家族から離れて一人北側のひんやりした部屋で布団をしいて、ひたすら横になって頭を休めていた。本をよんだり、noteを書く気も起こらず、ただ寝たり動画をみたりしていた。

丸2日寝た後の夕方、ふと頭にこれからやりたいと思うことをメモしてみようと思った。とにかく思いつくままに。全て書き出した後、少し気分がスッキリしてお風呂に入った。溜まった体の汚れをシャワーで落としていた。その時突然やりたいことが新たに思い浮かんだ。『書くことを極めよう』

自分は幼い頃から文章を書くことは苦手だった。夏休みの読書感想文ほど苦痛なものはなく、いつも母親に見てもらい散々修正させられた。国語が苦手科目だったのは言うまでもない。大学入試でも国語でつまづいた。

長年通っていた習い事で小論文を書く宿題が出たことがあった。嫌で嫌でたまらなかったが、その時起承転結を意識して書くことを教わった。だが構成を意識しすぎて、内容がかたい。面白くないし、中身があまりない。自分で読み直してそう思っていた。

ある時「幼い頃の自分」というお題で宿題が出た。どう書こうかずっと悩んでたある日の夜、お風呂の中でその日の自分をぼんやりと振り返っていた。自宅に帰る途中の電車で向かいにいた親子。子どもは靴を脱ぎ散らかし、嬉しそうに窓の外を眺めていた。その姿が幼い頃の自分と重なった。

母親と電車に乗る時は必ず靴を脱ぎ捨て、目的地で降りるまでずっと窓の外を眺めていた自分。特に見たいものがあるわけではなく、ただひたすら外を眺める。それが楽しかった。

急に幼かった自分をその時の景色を、自分が書いた文章を読んでいる人にも共有したいと心から思った。起承転結はあまり意識せず、情景描写してみよう。シンプルな文章だったが、習い事の先生には「目に浮かぶようだね。小説のように流れが滑らかでこんな文章がかけるのは感心」と褒めていただいた。嬉しかった。

noteを始めて数ヶ月経った頃、書く方針がようやく定まった。情景描写を通して、自分が経験したことを共有し、役に立ててもらいたい。できれば読んだ人の健康、安らぎにつながればと祈るばかりだ。そして自分は情景描写極める、かつて生命科学の分野で博士を目指したように。情景描写を通して書くことを極めよう。そう心に決め、2日ぶりのお風呂を出た。

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