カイエ

主に麻雀(天鳳・Mリーグ)について批評や雑感めいたものを記します。 敬称略にて失礼します。 天鳳最高九段。 ベイスターズファン。 本屋の元店長。

カイエ

主に麻雀(天鳳・Mリーグ)について批評や雑感めいたものを記します。 敬称略にて失礼します。 天鳳最高九段。 ベイスターズファン。 本屋の元店長。

最近の記事

瑞原明奈流「ゴリラ麻雀」とは何か

前回の記事(↓)で「瑞原明奈こそがMリーグである」の続きを書くと予告したまま、体調を崩してしまい、頓挫してしまった。 瑞原明奈はMリーグそのものである(1)|カイエ (note.com) そんな中、我らがアッキーナは、直近の対局を1着・1着・1着・4着・4着・2着と推移し、依然MVP争いの真っ只中に君臨している。 そして今期は、その活躍がクローズアップされるにつれ「ゴリラ麻雀」という謎のワードもタイムラインで目立ち始めた。 特に、あわや自身3連敗(3ラス)という絶体絶命

    • 瑞原明奈はMリーグそのものである(1)

       Mリーグにおける推しの選手やチームを問われた時、少し、躊躇う。  チーム単位では「箱推し」としたいが、やはりパイレーツかサクラナイツというところに落ち着いてしまう。どちらにも、素晴らしい死闘を経ての涙の優勝というドラマがあり、個人的にはMリーグ名場面史のワンツーだ。小林剛VS魚谷佑未/堀慎吾VS近藤誠一。そのどちらにも立ち会って居た多井隆晴、黒子に徹しきった沢崎誠と滝沢和典。みながプロ、であった。  では、どちらのチームが上位かといえば、以前記事にもしたがパイレということに

      • 天鳳ID育成計画

         言わずと知れた、ネット麻雀「天鳳」について書く。  のどっちによると、私と天鳳の歴史は2010年2月からはじまっているので、丸14年にもなる。初代天鳳位ASAPIN誕生が2011年2月なので、いやはやすっかり私も古参勢のひとりだ。  そして私はどうも、この類い稀なる「愛すべきクソゲー」をダビスタ(=ダービースタリオン)か何かと思っている節があるのだ。他者とは少し、その関わり方が異なるようなので、思いつくまま以下に記してみる。  まず、いわゆるサブ垢を持っている天鳳プレイヤ

        • 渋谷ABEMASの快進撃に思う

          今シーズンのMリーグもあと4戦を残すのみとなっているが、わがTwitterのタイムラインは今日もM関連の呟きで溢れている。 ただ言うまでもなく、Twitterのタイムラインとは、固有のものだ。世界に一つだけ、同じタイムラインは存在しない。 にも関わらず、そこで2、3同じ意見を見かけるや「みんな同じように考えてる!」と多数の意見であるように錯覚してしまう。 また、書店員として出版社の営業と話している際に「来月、こういう新刊が出るんですが」「あ、これ話題の作者ですよね」とタイム

          ¥300

          なぜベストを尽くさないのか!? ~あるいは麻雀理論派によるアジテーション

          ※2016年にブログで書いた記事の再掲です bakaseさんがブログで書いている記事が興味深い。  【麻雀本】コアなキュレーションメディア?  本屋歴20年の店長としては、麻雀本の売れなさ具合は身に沁みて分かっている。実用書担当でもないのに、棚の構成や発注まで考えて、天鳳民が手に取りそうなアイテムは面陳にしているのに、全く売れない。他のうちの系列店はそうでもないから(それでもほかのジャンルに比べてニッチすぎるのだが)、根本的に滋賀県に需要がないのかもしれない。ウザク本で2

          なぜベストを尽くさないのか!? ~あるいは麻雀理論派によるアジテーション

          とある書店員の、映画「麻雀最強戦」の感想

          ※近代麻雀WEBに掲載いただいた映画の感想のノーカット版です 「映画麻雀最強戦」を、地元の京都は出町座で鑑賞した。 出町柳駅から徒歩5分ほど。出町商店街のアーケードの軒並みに佇む、古き良きサブカル熱が感じられる洒落た瀟洒な映画館だ。学生時代はこうした「文化的」な空間に足繁く通っていたものだが、社会人になってからは滅法、足が遠退いていた。 竹書房主催の麻雀最強戦が映画化されると知った時、すぐにはその意味が分からなかった。小説や漫画原作の麻雀作品が映像化されることはあれ、リア

          とある書店員の、映画「麻雀最強戦」の感想

          麻雀機械は七筒の夢を見るか~黒沢咲『セレブ麻雀』刊行に合わせて~

          セレブ麻雀を読んだ 私は書店員なので麻雀本にはうるさいし、なんなら装丁や価格や版元や、本のすみからすみにまでうるさい。 まずはマニアックな観点から取り上げると、天下のKADOKAWAが来たな、という印象だ。 麻雀の戦術書といえばこれまで、竹書房とマイナビ出版が双璧なイメージだった。 最近では彩図社が、白鳥・村上・園田と、3人のMリーガーの著作を刊行し、どれも評価が高い。 そこへ、あのKADOKAWAが来た。 スタイリッシュな装丁に、オールカラー。 内川幸太郎・黒沢咲・堀

          麻雀機械は七筒の夢を見るか~黒沢咲『セレブ麻雀』刊行に合わせて~

          君は「その研」を(頭から尻尾まで)観たことがあるか?~園田賢試論~

          わたしは、無い。 高度情報化された社会をサバイブするわれわれは常に忙しい。映画もドラマも飛ばし見する。バラエティもYouTubeも倍速だ。時間がない。とにかく時間が。 問題なのは、爆発的に増大し、いまも指数関数的に増え続けているコンテンツ側の方だろう。選び放題で見放題で、自由がゆえに不自由だという、言い尽くされた、あれ。 その研-園田賢の麻雀研究所-。 その研のYouTubeのバーを見よ。 あらかじめ予告された総時間の数の並びに畏怖せよ。 3時間42分。 5時間1分。 コ

          君は「その研」を(頭から尻尾まで)観たことがあるか?~園田賢試論~

          パイレーツの思い出

          はじまりはパイレーツだった 中学で出会って一瞬でハまった麻雀だが、当時はまープロには全く興味がなかった。魅せる麻雀・小島武夫や亜空間殺法の安藤満、牌流定石の金子正輝、大魔人・飯田正人など、有名どころはもちろん知っていた。月刊プロマージャンも買っていた。 だが、われら昭和世代は何より、ちょうど学生時代に「近代麻雀ゴールド」を読み、雀鬼流に影響を受けた打ち手が少なくないのではないか。 佐々木秀樹や山田英樹がプロ相手に真っ向から攻め勝った、第三期・四期麻雀最強戦こそを痛快に思って

          パイレーツの思い出