「新居」

 汚れひとつない一室が今,目の前にある。今日から僕はここで暮らすのだ。

 荷解きの為にダンボールを開けていく。埃が舞った。目が痒い。くしゃみが止まらない。

 最悪だ。すぐさま,窓を開けた。晴れ渡る空が僕を迎えてくれた。

 誇りが窓の外に流れていく。埃が消えていくごとに以前の家での名残も消えていく。

 僕は今日,ここで生きていくのだ。

 くしゃみが止まらない。

 

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