「新しい街へ」
新しい街に引っ越していた。以前とは違い、かなり栄えた街だ。
街から街へ行く。少し緊張しているが、同時に胸が躍っていた。
新しい街という事もあり、どれもこれも新鮮だ。特に今、目の前にある家がそうだ。
蔦が絡まった家。周辺の建物はどんどん新しいものに変わっていくのにここだけは変わっていないように見える。
その時、家から人が出てきた。杖をついた年配の男性だった。この家にずっと住み続けていたのだろう。
僕は少し感慨深い気持ちになった。
数日後、ニュースであの年配男性が不法住居で逮捕されているのを見た。