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高学年の学級における「正義の味方」を育む方法

~公正・公平を育む学級経営の実践~

小学校高学年になると、子どもたちが「正義」や「公平」という概念についてより深く考えられるようになります。学級運営や道徳の授業では、子どもたちに公正さを実現するための力を育てることが大切です。この記事では、教師がどのようにして高学年の児童に「正義」について正しく伝え、公正・公平な学級づくりに貢献する方法について具体的なアプローチを解説します。


◇🔶◇🔶◇🔶 この記事を書いた人 ◇🔶◇🔶◇🔶

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読むメリット

  1. 高学年の児童に対して、公正・公平を効果的に教える具体的な指導法を知ることができる。

  2. 児童が「正義」について主体的に考える機会をつくり、学級の雰囲気を向上させる方法を学べる。

  3. 先生が陥りがちなミスや注意点を把握し、より良い指導ができるようになる。


公正・公平を教えるために大切なポイント

まず、正義とは「正しいことをする」というシンプルな定義に基づいて考えます。しかし、現実の教室では「正しさ」に関する意見が対立することも多くあります。子どもたちが自分の「正義」を守ろうとするとき、互いにぶつかり合うこともしばしばです。

たとえば、「〇〇くんが先にやったのに、なぜ僕だけ怒られるの?」というような不満は、特に高学年ではよく見られる現象です。このような場面で、教師として大切なのは、まず児童一人ひとりの視点を尊重し、公正・公平に対処する姿勢を見せることです。

1. 感情に流されないこと

教師が指導を行う際、時には感情に左右されてしまうことがあります。トラブルが突然発生すると、冷静さを欠いてしまうこともあるでしょう。特に「〇〇さんがいつもやっているから、また今回も同じだろう」という先入観に囚われてしまうことは、避けたいミスです。

例えば、クラス内で小さな争いが起きた際に、「彼がやったに違いない」と一方的に決めつけることは、公正な指導とは言えません。大事なのは、まず事実確認をし、その上で冷静に状況を判断すること。児童たちには「事実に基づいた対応」を示すことで、教師が感情的に動かない姿勢を学び取らせることができます。

2. 対話を大切にすること

「正義」を教える上で、対話を通じてお互いの意見を交換し合う場を設けることが重要です。特に高学年の児童には、自分の考えを他者と共有し、その過程で学び合う機会をつくることが求められます。

例えば、次のような会話をクラスで行うことが効果的です。

教師:「みんな、誰かが間違ったことをしたとき、どうするのが正しいと思う?」

Aくん:「まずはちゃんと話を聞くべきだと思います。」

Bさん:「でも、すぐに注意した方がいい時もあるんじゃないですか?」

このような会話の中で、児童たちは「正義」や「公正さ」について自分なりの考えを深めていきます。また、この対話の過程で教師が冷静に子どもたちの意見をまとめ、公平に扱うことが大切です。


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指導の中で苦労する点

特に高学年では、児童が自分の意見を強く持つようになるため、対話を円滑に進めるのが難しい場面も増えます。教師としては、全員が意見を発言できる環境を整えながら、時には意見の調整役としても立ち回ることが必要です。

また、公正・公平を教える際に気をつけたいのが、特定の児童ばかりが発言しやすくなってしまう状況です。発言が偏ると、クラス全体のバランスが崩れやすくなります。そのため、発言機会を均等に与えたり、全員が意見を表明できるよう工夫することが大切です。


保護者との連携

児童が「正義」や「公平」について学ぶ過程では、保護者との連携も重要です。家庭でも子どもが学んだことを深められるよう、保護者に対しても定期的に学級通信や保護者会を通じて指導内容を伝えるとよいでしょう。

例えば、次のような内容を保護者に伝えると良いでしょう。

  • 学校で学んでいる公正・公平の概念
    家庭で具体的な場面を通じて、公正さを実践する機会をつくることを促します。

  • 子どもたちの意見を尊重すること
    家庭でも、子どもたちが自分の意見をしっかりと話す機会を設けることが大切です。保護者には、「子どもの話をしっかり聞く」重要性を強調しましょう。


まとめ

公正・公平を教えることは、教師にとって大きなチャレンジですが、児童たちの成長にとって非常に重要な役割を果たします。子どもたちが自分の意見を持ち、他者の意見を尊重しながら対話を通じて「正義」を実現していくことは、将来にわたって役立つスキルです。

そして、これらの指導を行う上で、教師が感情に左右されず、冷静に事実に基づいて判断することが求められます。また、子どもたちの意見交換を積極的に促す場をつくること、さらには保護者との連携を密にすることが、公正・公平を実現するための鍵となるでしょう。

ぜひ、この記事を参考にして、明日からの実践に役立てていただきたいと思います。教育相談や日常の指導の中で見つけた良い実践を、ぜひ同僚や他の先生方と共有していきましょう。共に学び、共に成長することで、子どもたちの未来をより良いものにしていけるはずです。

◇🔶◇🔶最後まで読んでいただきありがとうございました。◇🔶◇🔶

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