10億円より健康がだいじ!
『やっだ〜、見てこれ!10億だってよ〜10億なんて当たっても困っちゃうよねぇ?』
『ほんとだよね、使いきれないわよ!とくに私なんか!』
あははははっ『それは言っちゃダメよ、大丈夫よ、大丈夫!』
『10億よりさ、1億を10本にすればいいのにね!その方が買う気になるじゃないねぇ?』
姿は見えないけど、お喋りが聞こえてくる。
(仰る通り!私もいつもそう思ってます!)
『今日はさ、ほら、せっかく行ってきたんだから、なんか買ってみない?』
『いいけど、私は10億はいらないかなぁ』
(私もです!そんなに当たったら、いろいろと面倒臭そうだもん)
私の目の前に、中年女性お2人が登場。
1人の女性は頭にバンダナを巻いている。
『10億なんていらないから、私こっちにするわ』バンダナの女性が言った。
それぞれが買うクジを決めて、お会計をする段になったとき、ふいにバンダナの女性が、
『私達ね、今日パワースポットにいってきたのよ!』と話しかけてきた。
『あらぁ』
バンダナの女性は自分の頭を指差して
『ほら、私こんなんでしょ、だから元気になりますように!ってパワーを貰いに行ってきたの』
『そうなんですね、どちらのパワースポットに行かれたんですか?』
『お姉さん、ごめ〜ん!言えないのよそれが!北関東のある場所なんだけどね、人に話すとパワーが落ちるらしいのよ。ねっ!』
もう1人の女性も
『らしいのよ、だから秘密なの、ほんとうかどうか分からないんだけどね!』
アハハハッ 明るいお2人さんの掛け合いに、私も一緒に笑う。
『そうだ、あなたにも分けてあげる!』
と言って、濃い緑色の硬めの葉っぱを私にくれた。
『これね、そこのパワースポットにある木の葉でね、1円玉に彫られている木の葉なのよ、この葉にパワーがあるんですって。持っているといいそうよ、どーぞ!』
『えっ、頂いちゃっていいんですか?』
『いいわよ、どうぞどうぞ、お姉さんにも良いことがありますように』
私はさっそく、頂いた葉っぱをビニールでコーティングして、お財布にしまった。
今も入れたままにしているその葉っぱを見るたびに、あの女性は元気かなぁ?元気だといいな〜と、この日の楽しかった会話を思い出している。
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