御相伴衆~Escorts 第一章 第100話 暗躍の行方5「三の姫の出国~ランサムへ」
初めて、アーギュ王子と三の姫が出会ってから、約ひと月後、三の姫が、ランサム王宮を訪ねる日が来た。
あくまでも、非公式のものだが、婚約を前提とした為の動きであり、アーギュ王子は、両親の国王と皇后に、三の姫を引き合わせ、ランサムという国を、実際に見て貰いたいという思いもあった。女官の暁が付き添い、予定では、10日間の滞在である。
三の姫は、両親である、皇帝陛下と第二皇妃に、ランサム王国への出立の挨拶をした。ランサムの国王陛下並びに、アーギュ王子本人の意向もあり、お互いに、華美なやり取りはしたくないという意向を受け、三の姫の説得で、宝飾を施した、小さな羽扇一つが献上品となった。第二皇妃からの、ラウラ王妃への贈り物となった。
皇宮の常設の小さな空港から、飛び発つ直前の三の姫を追いかけてきたのは、数馬と慈朗だった。よく見ると、その時、同時に、貨物専用の輸送機に、沢山の荷物が運ばれている。
「慈朗と・・・あ、数馬も来てくれてる、・・・やっぱり、元気だったんだね・・・」
数馬と三の姫は、あのアーギュ王子の帰国した日以来、直接には、会うこともなかった。
約一か月ぶりの再会だった。
慈朗は、数馬の背中を押した。
三の姫に付き添っていた暁も、姫の顔を見て、頷いた。二人は、それぞれ、歩み出た。
「数馬・・・」
「おう、久しぶり・・・」
たちまち、三の姫の瞳が、潤んでくる。
「なぁに、泣いてんだか。俺、脚、怪我して、しばらく、動けなかったからさ」
「・・・そうだったんだ。誰も、教えてくれなかったよ」
「別件で大忙しのお姫様だろ。知らなくて、当然だよ」
「数馬・・・ごめ・・・」
「なんか、あったかな?謝るようなことしてる?・・・そうだね、俺としては、感謝されても、謝られる筋合いはないんだけどね」
「数馬・・・」
「元気そうで良かったな。熱とか、もう、出してない?」
「・・・うん」
「ほら、ランサムに行くのに、その顔はないよ。王子が待ってんだろ。おい、慈朗」
後ろで、荷物を持って、その様子を見ていた、慈朗が歩み出た。
「姫、これ、受け取ってください」
「俺たちから、プレゼント」
小さな箱の中に、筒状に巻かれた紙。私室の卓上に置いてきた筈の、御庭遊びの時の写真と、父皇帝、母の第二皇妃、二人の姉と取った家族写真が、入っていた。三の姫は驚きながら、それを受け取った。
「どうして?」
「大事なものだし、ランサム王族ご一家にご紹介するのに、写真がいいだろうと思って」
「ついでに、僕たちのことも、少しでいいから、話題にして」
三の姫が、筒状に巻かれた紙を拡げようとすると、慈朗が、それをすかさず止めた。
慈朗「あ、待って。これ、なんか、もしもね、寂しくなった時に、開けて」
数馬「・・・何の絵?」
慈朗「書きかけのやつ、昨日、完成したんだ」
数馬「・・・まあ、そういうことだから、何があっても、泣いたらダメだからな」
慈朗「そうだよ。数馬も、僕も、とんで行ける所にいないんだから・・・」
数馬「っつーか、寂しいわけないじゃんか。アーギュ王子がいる」
三の姫「数馬、慈朗・・・」
数馬「・・・ちょっと、姫のこと、知ってる男だけどさ、俺は、妹みたいに思ってるから」
慈朗「僕も頼りないお兄ちゃんだけど」
姫は我慢できなかった。涙が頬を伝う。
数馬は、何ら変わってない。ずっと、数馬のままで、良かった。
姫が、自分の感情に浸り切る前に、背後から、軍靴の音が近づいてきた。
「この日の為に、飛行訓練をしてまいりました。操縦士を務めます。英と申します」
英辛空軍少尉が、暁の隣に並んで、敬礼をした。
「辛、よろしくお願いしますね・・・辛は、私の弟です」
三の姫は、目を丸くした。
「暁の弟さん、なの?」
「はい。姫、姉上、そろそろ、出立のお時間です」
「わかったわ。・・・じゃあ、慈朗、数馬、お土産、買ってくるね」
「うん、愉しみにしてるね」
慈朗がそう言うと、数馬は、英少尉の目の前に歩み出て、深く頭を下げた。
「英少尉でしたね。くれぐれも、三の姫様を、よろしくお願いします」
「わかりました。お任せください。無事、ランサムまで、お連れ致します」
数馬は、暁にも頭を下げた。慈朗も、それに続いた。
「暁も、姫を頼む」
「お任せください。大丈夫です。私がついておりますから」
「気をつけて、三の姫様、美術館巡りの感想、聞かせてね」
「うん、慈朗。じゃあ、皆、行ってきます」
数馬と慈朗は、女美架を見送る。
二人は、深々と頭を下げた。
それは、公人としての、第三皇女女美架を正式に見送る姿、他ならなかった。
姫は、少し涙目になりながら、二人に手を振った。暁は頭を下げた。
そして、二人は、専用機に乗り込む。
「女美架、ランサムに遊びに行くのよね?」
「そうですよ」
「数馬に・・・会えると思わなかった」
「そう、ですね。お元気でしたでしょう?」
「知っていたの?暁、怪我のことも」
「はい」
「・・・女美架が困らないように、皆、黙ってたんだ」
「そう、だったかもしれませんね・・・」
「・・・なんか、解らないけど、女美架、スメラギに戻らないの?」
「どうしてですか?まあ、確かに、初めての海外ですからね。でも、たった10日間のご滞在の予定ですよ」
「・・・なんとなく、写真とか、・・・数馬とか」
「脚が良くなられて、来られるようになったそうですよ。良かったですね」
「うん、・・・そうだよね」
女美架は、手元の箱の中にある、写真を見た。
一の姫の回復のお祝いの御庭遊びでの写真だった。
慈朗が唯一、この皇宮に来てから、撮った写真だった。
御相伴衆全員と、一の姫、暁と月、そして、自分が映っていた。
なんだろう、お別れみたいに感じる・・・違うよね。初めて、海外に行くから、お守りみたいにしてくれたのかな・・・そうだよね。
二人が専用機に乗り込むと、数馬と慈朗が、手を振っているのが見えた。
エンジン音が響き、いよいよ、離陸の時だ。
女美架は、二人に、手を振り返した。
暁は、感じやすく、敏感な姫の気持ちを察していた。
・・・勘がいいのですよね。姫様は。
✈
要人を乗せての初飛行を、操縦士として務める辛は、ランサムの領空に入ると、胸を撫で下ろした。
・・・我が国の領空を出たというのに、真逆のことを感じるなんて・・・
この感覚はなんだろうか・・・
間もなくも、ランサム王宮付きの空港が見えてきた。
アーギュは、女美架を待っていた。
まずは、無事に・・・。
アーギュは祈る気持で、スメラギの専用機を見止めていた。
🏰
女美架と暁を乗せた専用機は、無事、ランサム王宮付きの空港に到着した。
アーギュ王子は、女美架姫がタラップから降りるなり、抱き上げた。
「ようこそ、いらっしゃいました。お待ち申し上げておりましたよ」
「・・・王子、参りました。ご招待頂き、ありがとうございます」
ジェイスも、暁を見つけると駆け寄ってきた。
すぐにでも、打ち合わせをしたい様子の二人、何故か少し、慌てるような・・・そんな雰囲気が漂っていた。
「こそこそしてる。仲良しみたいだけど、なんか、ちょっと、違う感じ・・・」
「10日間もありますからね。打ち合わせることが、沢山あるからでしょうね」
アーギュ王子は、微笑みながら、女美架姫に、そのように、伝える。
とにかく、不安にさせることは一切・・・
・・・
その実、この所、アーギュ王子の元にも、スメラギの皇宮から、不穏な情報が送られてきていた。ランサムの手のスタッフも、その実、皇宮に入り込んでいた。普段、穏やかな時は、普通に作業に従事し、有事の時だけ、情報を流してくる形であった。それは、あくまでも、スメラギと、皇宮の平和の為の監視の任務であった。
とにかく、無事に、女美架姫を、ランサムに迎え入れることが、第一義となっていた。一先ず、それが叶って、アーギュ王子は、胸を撫で下ろした。
ジェイスと暁は、早速、情報交換をしている。
「では、女美架姫様のお荷物が」
「はい、お持ちの物を殆ど、持ち出して参りました。こちらの協力者が、そのように勧めてきましたので、少しずつ、荷造りを致しまして、最後に、表面的なお洋服などを運び出しました。ご本人にもまた、皇宮の方々に、気づかれないように、素早く行うのが、大変でした」
「承知しました。ご逗留予定のお部屋のお隣に、プライベートルームを、もう一つ設えさせて頂きます。そちらに、姫様用のお荷物を置くことに致しましょう。お手伝い致します。ちなみに、協力者は誰だか、伝えて頂くことは、御出来になりますか?」
「あの、会議の時におりました。数馬様と慈朗様です」
「成程・・・、承知致しました。この情報は、王子のみにお伝えしますが、よろしいでしょうか?」
「それはもう・・・こちらでは、何か、情報を掴んでらっしゃいますか?」
「今の所、大丈夫です。あまり、ご心配なさらないように、万が一ということで、お荷物の対応もされてらっしゃるとのことですから。恐らく、10日後に、お戻りの際には、また、そっくり、そのまま、お荷物もお戻しすることになりましょうから」
暁は、ジェイスに信頼の眼差しを向け、ゆっくりと頷いた。
「ありがとうございます」
🏰🍓🦚
女美架姫と暁は、この10日間過ごす予定の、王宮のゲストルームに、ジェイスにより、案内された。その隣の部屋のドアを開けて、女美架姫は驚いた。
「暁・・・どうして、お洋服や、私のお部屋のもの、全て、ここのお部屋にあるの?」
「それだけじゃありませんよ。アーギュ王子様から、新しいドレスも届いておりますよ」
「好きなものが、全部あるから、嬉しいけど、お引越ししてきたみたい・・・姫は、まだ、お嫁に来たわけじゃないのに・・・」
「そうですね。予行演習かもしれませんよ」
「うそー、でも、なんか、数馬と慈朗のお見送りも気になったの。写真とか、わざわざ、手渡ししてくれて、絵もそう。絵は、寂しくなった時に見て、って言われてるから、まだ、見てないけど・・・」
「じゃあ、絵の方は、ご覧になることもないかもしれませんよ。大切にとっておかれた方がいいかもしれませんね。慈朗様のお気持ちですから」
「うん、しまっておくね」
コンコン
ノックの音で、ドアが開くと、アーギュ王子が、部屋に入ってきた。
「女美架様、よく、来てくださいましたね。お疲れでしょう。長旅という程ではございませんが、やっと、ランサムに来て頂くことができましたね。とても、嬉しいですよ。先程はお出迎えの後、少し用向きが発生致しまして、外してしまいました。申し訳ございません」
「いいのです。王子。こちらも、お荷物の事とかもあって、暁と、お部屋を見せて頂いておりました」
「いかがですか?このお部屋は、女美架様に合わせて、ピンクを基調にした設えに換えさせました。ご逗留の際の常室にして頂きたく、考えました。お気に召して頂けると嬉しいのですが・・・」
「まだ、よく拝見していないの。ああ、本当に、可愛らしいキャビネットです。可愛いガラス細工、イチゴのデザインのティーカップ・・・」
「ガラス細工は、スメラギ産ですよ。勿論、取り寄せました。故郷の感じも少し、お部屋にあるといいかなと思いまして」
「壁紙も、天井も、お花型のライトも可愛いです。姫、気に入りました」
「それは良かったです。こちら、ベッドルームです。あ、暁殿もお入りください。リネンなども、こちらの棚にありますから、・・・その時は、よろしくお願い致します」
「では、私は、浴室とおトイレを見せて頂きますから、姫様、アーギュ王子と、お話しされてくださいませね。この後、私は、ジェイス様に呼ばれております。王宮内の厨房など、設えに必要な個所を、見てまいりますね」
「暁殿、姫の事は、お任せください」
「しばらく、戻りませんので、あ、姫、水筒に、お茶が入ってますからね。ティーカップをお借りして・・・」
「大丈夫、暁、ジェイスさんが待ってるから、行ってあげて」
「はい、わかりました」
暁は、仕事の為でもあったが、同時に、アーギュ王子と女美架姫が二人きりになる時間を、早めに作ってあげたいと思い、そそくさと席を外した。
まず、アーギュ王子は、女美架姫を、窓辺に誘った。
「姫、ここから、市井が見えます。町の様子が解ります。王宮広場が、ここから、良く見えますよ」
「すごいですね。王宮が、普通の国民の暮してる中に、建ってるんですね?」
「そうですよ。案外、こういう国は、多いようですね。東国も天皇陛下のいらっしゃる皇居は、その周りが、国民が憩える大きな公園になっているそうですね」
「スメラギは、崖に面している所に、人々が暮しているから、一番上が皇宮で、その下に裾が拡がるように、皆さん、暮してます」
「立地の違いですね。でも、スメラギも工夫されているのが、よくわかります。小さい国土ながら、機能的な国になっているように感じますよ。高い土地の部分の北側に平地があり、そこに、先日のスヴェル湖、その先の砂漠地帯に、石油コンビナートがあるのですよね」
「・・・やっぱり、王子は、いっぱい、スメラギのことまで、お勉強してるのですね。女美架は、ちょっとだけ、柚葉に教えてもらって、地図を見ました。ランサム王宮が、どこにあるのか、産業は、観光と芸能が中心で、北にお姉様が合宿しているオーギュスト山脈があって、あと、御菓子が可愛いのがいっぱい作られていて、それから、薔薇の産地。あとは、イチゴは大きなロイヤルベリーの産地です。酸っぱくない、皆に好かれる、甘い大きなイチゴです」
「姫らしい、pinpointed.」
二人は、お互いに微笑んで、見つめ合う。
「あー、出た。藍語」
「現地ですから、市井に行くと、飛び交いますよ。スメラギ語を知る者は、大学で、語学専攻している者ぐらいですよ」
「わあ、外国だあ」
「緊張されていたのが、解れてきましたね。好かったです。姫、いらっしゃい・・・んっ・・・」
ついぞ、飛び上がって、抱きついちゃった。
すごい、会いたかったの、・・・今、思い出した。
女美架姫は、アーギュ王子に飛びつくように、抱きついた。
心配が先走っていた、アーギュ王子だったが、この時を、心待ちにしていたのは、王子も間違えなかった。
「西のお城から、更に、一週間でしたが、こちらに無事、お迎えできて、望外の悦びですよ」
「女美架、お荷物いっぱいで来てしまったみたいです。まだ、お嫁に来たわけではないのに、お引越しみたいにしてきてしまいました」
「ふふふ、構いませんよ。それでも、足りないものは、揃えればいいんですからね」
「王子・・・♡」
「・・・貴女の方から、お会いした途端に、こんな感じとは、初めてですね。とても、嬉しいですよ」
「でも、今、女美架、コアラみたいですよね。女美架は、どうせ、赤ちゃんか、動物みたいなの」
「・・・だとしたら、とても、可愛いですよ。お膝に乗りますか。腰掛けますから」
「そうだ、女美架、気になることがあって、そういうことがあったら、黙って、じっと我慢したりしないで、こないだみたいに、お話しすることに決めたんです。だから、お話しします」
「なんでしょうか?」
アーギュは、女美架を横抱きにしてから、ベッドサイドに、そのまま腰かけた。どちらからともなく、何度も口づける。
「実は、お見送りに、数馬が来てたんです」
「・・・そうですか」
「数馬、脚を怪我してたんで、王子が初めて、来皇して、お帰りになった日以来、会うことができなくて。で、元気になったから、お見送りにきてくれて。女美架のこと・・・」
「・・・いいですよ。言ってください」
「『妹』だって、言ってました」
女美架の瞳に、涙が溢れてくるのを、アーギュは見止める。
「・・・いいですよ。泣いて下さい。それが、何の涙でも、構いませんよ」
その言葉を受けると、女美架には、変わらない数馬の声や、話し方、態度、そして、何よりも、姫自身に対する優しさが、心に感じ入ってしまう。しかし、すかさず、それを見抜き、塗り替えるように、アーギュ王子は、女美架姫を抱き締める。
女美架、まだ、混乱してるのかも・・・。
これは、王子の匂い。
先程の数馬とは、匂いの解る所まで、近づいて話もしなかった。
もう、違うのだと、これで良かったのだと。
🏹
「なんか、あったかな?謝るようなことしてる?・・・そうだね、俺としては、感謝こそされても、謝られる筋合いはないんだけどね」
「っつーか、寂しいわけないじゃんか。アーギュ王子がいる」
🦚🍓
「いいんですよ。いっぱい、泣いて下さい。よく話してくださいましたね」
「うん、だから、もう、数馬とも、お話ができたし、アーギュ王子の所に行くのに、泣いちゃダメだ、って、送り出してくれて」
アーギュ王子は、女美架姫を抱き締め乍ら、また、数馬に、上を行かれた気分になった。
いい男だな。同じ立場でいたら、多分、勝つことはできないだろう。
・・・しかも、今回の件・・・、事前に、何等かの動きを掴んでいるに違いない。もう少し、間柄があり、情報の交換ができれば、協力して、このこと自体を突き止め、何かが起こるのを、防げるかもしれない。
「女美架様、ちょっとだけ、お待ちください。これは、ランサムについての本です。ハイスクールの子が読む、紹介本ですから、丁度、読みやすいものになっています。藍語ですが、ご覧になっててください。写真が多いですから、解り易いと思います」
「王子・・・?」
「すぐ、戻ります。5分、いや、7、8分ぐらい、下さい」
王子は、女美架に軽く口づけて、急ぎ足で、部屋を出て、廊下で携帯を弄った。すると、ジェイスと暁が、数分で飛んできた。
「隣の部屋へ、暁殿、パイロットの貴女の弟さんも呼んでください」
「はい・・・」
🦚🍓
「先程は、お一人にしてしまって、すみませんでした」
「女美架こそ、その後に、眠ってしまって、御本、見切れずに、ごめんなさい」
アーギュ王子が、ジェイスや暁たちと打ち合わせに行っている間、女美架姫は、つい、ベッドで転寝をしてしまっていた。
必要以上に、姫を待たせてしまったので、この展開に、王子は、申し訳なかったと思いつつも、姫に勘ぐられずに済み、ホッと胸を撫で下ろした。
女美架姫には、このことを知られないように、ジェイス達も含め、配慮をしていくことになっていた。
「お疲れだったのでしょうか?その後、ご体調は、大丈夫ですか?」
「はい、今日も、女美架は元気ですよ」
「そうですか・・・ならば・・・もう、女美架には、説明は要りませんね。明日もゆっくりできますが故、今宵は想いのまま、尽くさせて頂きたいのですが・・・」
「・・・えーと、」
「藍語で話してはおりませんが」
抱っこされて、お顔が近いです。・・・つまりは、解ってるんですけど。ちょっと、難しい言い方なんだけど、王子は狡いことします、と宣言したんだ、よね?
「今日は、特に、可愛らしいです。そんな不思議そうなお顔をされて」
~次回「暗躍の行方6」につづく
御相伴衆~Escorts 第一章 第100話
暗躍の行方5「三の姫の出国~ランサムへ」
第100話を迎えました。長いですね。
本当に、お読み頂きまして、ありがとうございます。
そして、いよいよ、舞台がランサム国に移りました。
三の姫の初の出国は、裏で何かが動いている・・・それぞれの者たちの、暗躍が潜んでいる・・・その狙いは?
今回も、お読み頂きまして、ありがとうございます。
いかなる展開になるか、お楽しみになさってくださいね。
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