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御相伴衆~Escorts 第一章 第五十五話 「君のここが好き」数馬と三の姫13
🌹これまでのあらすじ
スメラギ皇国の皇宮に集められた、世界各国の独特の美しさを持つ、4人の少年たちは、主である、第二皇妃に見いだされ、仕えていた。
東国出身の旅芸人の数馬、スメラギのスラムから連れてこられた慈朗、素国の王室の遠縁の者として迎えられている柚葉、スメラギ礼賛のナショナリストである桐藤の4名は、それぞれ、姫付などの役割を与えられている。
一時は、桐藤と柚葉の虐めを、慈朗が受けていたりと仲間内の関係性が悪かったが、優しい数馬が入ることによって、穏やかなものとなった。そして、それぞれの立場が、その働きにより、同等にもなり、この頃から「御相伴衆」は、立場、組織としても、確立する。
四人は、皇宮での役割を果たしながら、ハイスクールに通う。ここで、一般の生徒たちと関わりながら、教育を受ける。そもそもがその生まれから、幼い頃より教育を受けていた、桐藤と柚葉だったが、数馬と慈朗は一般の教育が不十分な立場だったため、補習の期間を経て、普通のクラスで学んでいる所だ。文化祭や市井の生徒との交流もあり、普通の高校生の生活を体験をしている真っ最中である。
彼らの一番の役割は、姫たちの御付としての役割、そして、高官接待の為の要員であるということ、場合によっては、それぞれ個別に任を負っている場合もあり、お互いの距離感は、今後、複雑な関係性を持っていくこととなる。
そして、その一つである、姫付としての役割を、それぞれが、果たしつつある。
一の姫と桐藤、こちらは先々を見込まれた、後任の仲となる。お互いに尊重し合い、深く結ばれている。理想的な恋人同士になっている。
しかしながら、二の姫と柚葉、このカップルは、二の姫の一方的な片思いだった。柚葉が本当に好きなのは、その実、皇妃付きの慈朗である。つまり、彼は、女がダメな人種だった。立場上、柚葉は自分に嘘をつきながら、この皇宮で過ごす日々を送っている。
素直で、天真爛漫の三の姫付きは、満を持して、数馬と決まった。
そして、数馬は「御指南役」となり、三の姫を導く、その役を担った。
一の姫と桐藤、二の姫と柚葉、と比べ、その場合の、数馬の「御指南役」というのは、立場を異にしているという。
これまでの日々の生活で、数馬と三の姫女美架は惹かれ合っていたのは、周囲から見ても解るものだった。
数馬には、その役割の意味が、未だ理解不十分だった。桐藤から受けた忠告が、頭を過りながら、三の姫を導いていかなねばならない。
皇妃からの命で、数馬は、三の姫と初めての夜を迎えることとなった。
可愛い表現だなと思って。その後、何度も「はむぅ」っていうのを繰り返す。あくまでも、まだ、「はむぅ」なんだよね。
唇、小さくて、柔らかい。時折、大きく広がって、動くから、それじゃ済まされなくなってきた。
「びっくりしないでね・・・んっ・・・」
「んっ・・・」
大丈夫かな、ちょっと、身体に力、入ったみたいだけど。リアクション待たずに、もう一回、ごめん、我慢できなくなってきた。泣かないでね。
これが、そうだね・・・大人のキスだよ。
「はあ・・・」
「大丈夫?」
「くらくらしちゃった」
「ん、・・・じゃあ、少し休憩・・・ん?・・・そんなこと、するの?」
「ここ、好きだから・・・♡」
可愛いタップの音がした。俺の首筋に、唇が触れていく。へえ、ちょっと、驚いたけど・・・そうかあ。天性なのかもしれないね。だって、君のお母さんは、第二皇妃だからね。心配しなくてもいいのかもしれないけど・・・頑張ってるのかな?・・・そんな感じでもないけど・・・
「数馬は嫌なの、こんなことするの」
「ううん、嬉しいよ。だから、同じようにしたいけど、いい?」
あ、うーんと、いう感じで、少し考えている。顔が赤いね。・・・そう、こういうことなんだけど、体感的に解ってきたのかな?
「横になって、そう、床に肩つけて、そう、背中も・・・」
仰臥させて、少し覆い被さるように・・・、そんな口半開きにしてるから、貰いに行ってあげるよ。足がもじもじしてる。これはいつものおねだり、・・・とは違うのかもね。
「うんと、うんと、違うの・・・数馬」
「ん?」
「怖いから、ギュッとして、いいこ、いいこして」
あああ、せっかく寝かせたのに、また、しがみついてきちゃったね。
「どこ、どうするか言って、言える?」
「うん、肩捕まえて・・・」
「これね」
「はあ・・・」
「ふふ、安心した?」
「うん」
「覆い被さって来たら、怖かった」
「そうなんだ、じゃあ、もう少し、慣らそうか。こうやって、くっついてる方がいいの?」
「うん・・・これなら、怖くない」
また、横向きに抱いたまま、肩を撫でてほしいというので、左肩を右手で撫でてやる。ウットリした顔をしてる。うん、本当に、素直で、可愛いんだ。性格も、そうなのかもしれないけど・・・幼顔なんだよね。ほっぺがぷっくりしていて・・・あ、顎が上がっちゃったね。それって、結局、寝かされたのと同じなんだけどな。左腕で、彼女の背中を支えてる、これが安心の元なのかもしれないけど・・・。
「大丈夫かな・・・」
掌で、しっかり包むように撫でてやる。改めて、小さい身体を感じる。肩から、鎖骨、首筋、デコルテっていうのかな、胸の上の方というか、背中から、洋服が覆っていないとこ、見えてる部分をゆっくり・・・、
「気持ちい?」
ウットリした顔で、頷く。そんなに、無防備に、全身預けちゃって、いいのかな。半袖と思っていた、腕を覆っている布、少し手をずらして、両方を下に引けば、どうなるか、簡単なんだけど。・・・俺は、いつまで、三の姫様の大好きな数馬でいられるんだろう。この先に行くのが、俺もちょっと、怖い。大騒ぎして、泣かれたら、暁が飛んできて、後で、お妃様に怒られるかもしれない。
「聞いてもいい?」
「ん?」
「ちょっと、手は止めるけど、そのままでいいから」
「うん」
「俺は、女美架姫様を傷つけたくない」
「え?」
「ごめん。はっきり聞いてもいいかな?『奥許し』の意味。解ってるのかな?」
「意味?うーん・・・うん」
戸惑ってる感じ、だよね、俺も、そう、なんだけどね・・・。
「このまま、進むと、そうなるんだけど。今夜中にも。でも、それには、姫にも協力してもらわないと難しい所があって。リラックスしないと、多分、初めてだから、無理だと思うし」
「んー、なんとなくわかるけど・・・。今日、診察したでしょ。ちょっと、思ったの。似てるのかな、って」
「うん、まあ、物理的には、すごく、似てるとは思うけど、で、本当に俺が姫様に、そんなことしていいのかなと思って」
「数馬だよ、女美架のお相手は。一番好きな人だもの」
あああ、そうなんだよね。こういう確認作業でもあるわけなんだよね。
今夜を乗り切っていく、という意味では、まあ・・・そうなんだろうけど・・・でも、俺を宛てにしちゃ、行けないんだよな。最終的には、どこで、それを擦り変えていくのかな・・・。
今、それ考えても、仕方ない。嘘ついたり、変な形で、姫様とこういうことは・・・というか、誰とでも嫌だし、そんなことしてきたことない。
柚葉みたいな、器用なこと、俺はできない。
「解った、いいのかな?進んでも」
「うん、もしも、今晩、色々考えて、難しかったら、明日でもいい?」
「それはいいよ。時間はあるからね」
「あのさ・・・数馬は、姫じゃ、嫌なのかもって、ちょっと、思ったんだけど・・・さっき、好きな人がいたって」
ああ、そこに行くか。
・・・そうだよね。こんな感じになったら、当然、思うのかもな。
「うん、でも、昔の話で、もう、会えないような人だから」
「じゃあ、女美架のことが、今は一番好きなの?」
「うん」
「良かった。細かいこと、女美架、よく解らないから、びっくりするかもしれないけど、数馬だから、大丈夫だと思うの」
「本当に?」
「うん、だから、ちょっと、怖いけど、進んでいいよ」
話しながら、涙目になってきてる。健気で可愛い。初めての年下の恋人は、スメラギのお姫様だなんて、親爺たちもびっくりするかもな・・・なんでか、今、こんなこと思ったりしてる・・・。
「わかった」
撫でながら、同じように、撫でてきた所に唇を這わす。明らかに、撫でているのとは、感覚が違うはずだから・・・身体に力が入って、時々、ぴくりと反応する。顔が赤くなって、ちょっと、息が荒くなってきたかな・・・
「大丈夫?」
「うん・・・」
「こないだのことで、随分、気にしてたみたいだけど、俺はね、女美架様のここ、好きだよ。撫でてもいい?」
「・・・、恥ずかしい」
「ダメ?」
「うーん・・・ゆっくりして、いっぱいしないで、ちょっとだけ」
こういう言い方、よくするよね。よしよし、って感じ・・・ごめん、触るよ。もう、その半分ぐらいは、素肌で見えてる。ほっぺもそうだけど、君のここもそうだね。ぷっくりとして、こんなに綺麗なのに、俺なんかが触っていいのかな?撫でていた、上半分とは、布の下の部分は、全く違う感覚になるんだろうな。
「あ・・・、や・・・」
「大丈夫だよ。まだ、服の上からだから」
「なんか、くすぐったい・・・」
「この辺かな?」
「ああっ、だめ、なんか、そこ・・・」
大きい声でちゃったね。予想はしてたけど、難しいかな?手を止めて、顔を見る。
「無理かな?」
「うーん・・・数馬、触りたいの?」
「うん、可愛いから。撫でたり、はむってしたいけど・・・」
「あああ・・・するんだ・・・」
「知らなかったの、こういうの?」
「ううん、ちょっと、知ってる。二のお姉様が、少しお話してくれたから」
んー、二の姫って、柚葉とのことじゃないか?
・・・大丈夫かな?そんなの、聞いて。
まあ、それはいいとして、
「明日にする?疲れてたら、眠ってもいいよ」
「数馬はやだよね?」
「俺は、女美架様が納得しないとしない。それは無理やりになるから。それはいいことにならないから、しない」
「数馬だあ、やっぱり、数馬はカッコいい」
え、この期に及んで、普段モードで、感心するのか。
なんか、面白いんだな、やっぱり、三の姫様は。
「あははは・・・」
「なんで、笑うの?」
「ん、可愛いな、と思って。そんな感じを見ると・・・」
うん、正直、口に出せないけど、・・・先に進みたくなる、かな・・・。
「解んない。今の、あんまり、可愛くないとこだもの。女美架のどこが好きなの?」
「・・・うーん、素直な性格、優しいとこ、大きな目、小さな口、ぷっくりしたほっぺ、すべすべの肌も、ここまで、触っちゃった所は、多分、これから、どんどん、好きになる・・・」
台詞みたいに、俺、しゃべったなぁ、今。
わあ・・・役者やってて、良かったのかもしれないっ・・・
「わあ・・・、なんか、『恋物』みたい・・・」
ああ、それがあったよねえ。さっきも過ってはいたんだけどさ・・・。
少しぐらい、読んでくれば、よかったかな。まあいいや。
押したり、引いたり、これでいいんだ。
時間をかけて、惹き上げてあげよう。
俺、案外、冷静だな。・・・桐藤の言葉の所為かな。
~数馬と三の姫14に続く~
みとぎやのメンバーシップ特典 第五十五話 君のここが好き
数馬と三の姫編13 御相伴衆Escorts 第一章
この作品なんですが、タイムリーに、しっかりと、読んで頂けている方は、本当に少ないと思います。実に、そんな皆様に、感謝申し上げます。
私はこの二人は、三組の姫と御付の仲では、一番可愛い二人だなあ、と思っています。幸せを文章で描きたいと。そんな二人の姿を、惜しみなく、と思っています。
お話全体を通して、数馬が、至る所で、良い奴ぶりを発揮しています。
正直で、責任感があって、頑張れる体力と、心の力もある子なんですね。
対三の姫でもありますが、慈朗は、そんな懐の大きい数馬が大好きなんですよね。数馬の感覚は、正常で、歪んだ皇宮でも、濁らずにいるんです。
果たして、二人の恋は、どうなっていくのでしょうか?
ちょっと、見えている先々もありますが・・・。
御相伴衆の子たち・・・昨今の、こちらの世界に起きている問題を鑑みると、このテーマを、描くには、とても、心苦しいのですが・・・お話として、ファンタジーとして捉えて頂き、今後とも、読んで頂きまして、お楽しみ頂けたら幸いと願います。
ここまで、お読み頂けました皆様に、心から感謝申し上げます。
ありがとうございます。
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