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恋の痛みを知ってる二人 「その変わり目」あとがき
先日、ハッピーエンドで終わった、「その変わり目」全九話。
いちゃこらに懲りず、お読み頂き抜いた、辛抱強い皆様、実に、ありがとうございました。
これは「恋の始まり」というシリーズから、ご紹介しました。
実は、このシリーズは、そのお話毎に、後書きをつけていたことを思い出しました。今回は、それを、ご紹介します。
人との関係が変わる時、なんとなくでも「その変わり目」っていうのがあって、それって、どこにあるのだろう、と考えた時に、やはり「意識」する所からかな、と、最近、考えていたところで。そのことに気づかなければ、あくまでも、そのお相手も、自分の周囲を取り巻く人の一人、でしかないわけで。
貞躬衛司(33歳)、総合人材情報メーカー「パーソナル」の営業社員。都内に何店か、支店があるだけでなく、全国展開であり、外資系企業で、本社は、その実、ランサムにあり、この先輩には、実は、黛多佳史がいます。今では、50歳も過ぎて、ランサムの方にいるとか、いないとか・・・。これは、蛇足ですが。(黛は、今後、別のお話で出てくる予定です)
比較的、穏やかで、話し好き、(黛とは違った)凡庸な営業社員で、岩宿支店の担当で、西の商業地区のビル街を中心に回っている。その中の顧客である、芦原商事の担当になった頃、元の彼女の浮気が原因で破局。こんな良い奴が、フラれたんだ、と思っての書き出しです。
それは、三年前で、その頃、また、配属された女主人公(26歳)も、元彼と自然消滅した頃でした。気が弱いわけではないけれど、その元彼とは、押し切られるような形で付き合い始めていたのが、始めは良かったのが、なんとなく、違和感を感じるようになり・・・、正直、彼の存在と結びつきを感じるのが、寝所だけの形となり、その内、会わなくなったという・・・。そもそもが、性格的には、合わなかったのでしょうね。彼はどちらかというと、女の子を自分の自由にしたいが、意志が弱い感じで、従っている彼女に、怯える姿を見つけてしまったようです。冷めた、という感じが、的確だったのかもしれませんが・・・。
そして、貞躬の方と言えば、結婚話まで出ていた筈の、元カノとのことに疲れていたということもあり、まずは、穏やかに、独りの時を過ごしながら、そんな中、ヒロインに気づきます。受付の彼女と、ほぼ毎日、接触することになり・・・。
そのうち、貞躬は偶然にも、親友の知り合いの友達が、彼女であることを知ります。「その変わり目」は、手に届く所まで、来ていたのです。三年間、見続けてきた彼女と、接触する企てのチャンスが来ました。親友の渡会のクラブのオープニングパーティで、偶然を装って、プライベートで初めて、話しかけることに成功します。
ヒロインの方は、この時点では、彼を「良い人」だという捉え方はしていたと思います。前の恋で、臆病になっていましたが、その痛みが消える時間を、充分過ごしてきた所です。仕事上では、話したことのある貞躬は、この日、気づかない内に、結構な速さで、「近しい人」という感覚に変わっていきます。貞躬の目論見と、偶然が、成功して、パーティを抜け出して、流行りのラーメン屋に行くことになります。ここで、二人の共通点、「食べることが好き」という認識が、お互いの中で確認されました。
ヒロインは、貞躬のフランクさに、殊の外、心を開くのが早かったように思います。狡いことをする程の策略ではなかったにせよ、自然に、貞躬の目論見通り、二人の仲は、以降、進んでいきます。
会う度に、元彼、元カノと違う「良さ」に気づかされる互い。気遣いの要らなさ、男性だからこそ、持っているだろう「鷹揚な優しさ」を、ヒロインは、貞躬に見つけます。そして、貞躬は、元カノに一番欠如していた「家庭的」な所、「女らしい心遣い」のようなものに惹かれていきます。更に、ヒロインの料理の上手さには、毎回、驚かされ・・・。
あったかさ、という意味では、共通なんでしょうね。無理なく、物事が進んで、ラストは王道でした。案外、みとぎやのお話では、こういう、超平和、順風満帆ストーリーは、珍しいんですよね。この二人だったら、子どもが生まれても、その後が描けそうですね。間違えなく、貞躬は良いイクメンになりそうだし・・・。
今後のお話のサブキャラ夫妻には、持ってこいという感じ・・・とか、みとぎやは、密かに、目論んでいます。この二人、可愛いので、続編もありかな・・・と、嬉しい気持ちになりました。
小品ならではの描き方になりました。前の恋の痛みを乗り越えて、本来のお相手に巡り合う、という、みとぎやとしては、実は、日常的な、リアルストーリーだと思います。この「恋の始まり」シリーズでは、そんな感じの、様々な年齢、立場のカップルエピソードを、今後も描いていけたらなあ、と考えている所です。
ヒロインの名前の紹介は、現時点では、敢えて、避けています。
それには、ある理由がありますが、今はここまで。
本文の中では、フォルダーとして「恋の始まり」と題名を打っていたのですが、こちらは、noteなので、新しいマガジンを作ることにしました。
「ラベイユ~L'abeille」
実は、みとぎやがnoteを始めて、丸2か月、明日から、3か月目に入ります。記念に新しいマガジンとして、置かせて頂くことにしました。
前に投稿した「君の声」も、こちらに置いておくことにします。
「ラベイユ~L'abeille」とは、フランス語で、蜜蜂を意味します。
みとぎやのお話の中では、重要な、代表と言ってもいい、モチーフでもあります。今後は、もう少し、大人っぽい恋愛物も投稿予定ですので、お楽しみにしてください。
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