Intrinsic capacity。内在的能力を運用してみました。
📖 文献情報 と 抄録和訳
高齢者における内在的能力の運用とその後の障害、入院、死亡率との関連:ELSAによる結果
[背景・目的] 内在的能力(IC)は、ヘルシーエイジングの分野では新しい概念であり、多くの定義が運用されている。本研究では、ELSA(English Longitudinal Study of Ageing)において、項目応答理論を用いてICを操作し、その後の機能能力、死亡率、入院率を用いて、その予測値を検証した。
[方法] ICの測定として、ベースライン時に14項目の二値化指標を用いて測定された。
2パラメータ項目反応理論モデルを用いて、ベースライン時のICスコアを作成した。ベースラインから4年後と8年後の1以上の日常生活動作(ADL)と1以上の手段的日常生活動作(IADL)の困難さで測定されるその後の困難の予測にロジスティック回帰を使用した。14年間の追跡調査における入院と死亡の予測には、それぞれ競合リスクとCox回帰が用いられた。
[結果] 平均年齢70.8歳(標準偏差[SD]7.93)の4,545人のICスコアが作成された。ベースラインのICスコアが良好であることは、社会人口学的および健康関連の共変量で調整した場合、その後のADLおよびIADLの困難、入院(下位分布ハザード比 [SHR] = 0.99, 95% 信頼区間 [CI] 0.98-0.99) および死亡(ハザード比 [HR] = 0.98, 95% CI 0.98-0.99 )のリスクの低減と関連していた。ベースライン時のICスコアが高い人は、4年後と8年後にADLやIADLで困難を経験する可能性が7%~10%低かった。ICスコアが1単位増加すると14年以内に死亡する確率が2%減少した。
[結論] これらの結果は、高齢者における将来の有害な転帰のリスクの指標として、他の社会人口学的および健康関連因子によって示される以上のICスコアの有用性を潜在的に示唆している。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
内在的能力(Intrinsic capacity)にはずっと、注目してきた。
概論、K2P(知識→実践)の知識。
■ 概論:WHOが定義した内在的能力とは?
■ K2P:内在的能力をどう実践に生かすか?
そして今回、いよいよ実際にICを実践に結びつけた研究と出会った。
ICスコアの算出の詳細は、まだ理解しきれていない。
が、このスコアを算出しておくことで、回復期病棟においては退院支援に重宝するだろう。
将来のADL低下リスクや死亡リスク、入院リスクの高さを加味して介護サービスの選択が行えるかもしれない。
それにしても、概念→実践化までしっかり漕ぎ着けるところは、流石である。
願わくば、僕も現実を変えたい。
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