関節原性筋抑制。仕組みを示す2つの図
📖 文献情報 と 抄録和訳
関節原性筋抑制のメカニズム
[背景・目的] 関節原性筋抑制(AMI)は、自発的に筋を活動させることができないため、関節リハビリの制限因子となり続け、回復を著しく阻害している。高次脳中枢や臨床集団で得られた新たな証拠により、AMIとは何か、どのように治療するかについての我々の見方は変わりつつある。本総説は、AMIが進展する相互に関連した経路を探ることで、AMIの広範囲に及ぶ影響についての議論を喚起することを目的としている。
●目的:反射的抑制がどのように脳活動の適応につながるかを議論し、下行性運動経路の変化が損傷後の筋収縮能力を制限することを説明し、他の相互関連システムに対するAMIの広範な影響に関する新しい文献を要約することである。
[方法] データソース PubMed、SPORTDiscus、Web of Scienceの各データベースで、AMIに関連する論文を検索した。適切な論文の参考文献リストは相互参照した。
[レビュー結果]
■ 理論的なAMIパラダイム:関節の損傷は、求心路遮断や求心性信号の変化(痛みや腫れ)に始まり、最終的には損傷した関節周囲の筋肉への運動出力の低下につながるという神経学的な結果を引き起こす。
■ 関節損傷後の筋力低下、固有感覚障害、運動パターンの変化、その他の臨床的障害に総体的に寄与する神経学的事象の複雑さを強調しながら、AMIの順次性と累積性を強調した神経学的図式。
[結論] AMIは、複雑な臨床的障害をもたらす連続的かつ累積的な神経学的過程である。損傷した関節から生じる求心性情報の変化に端を発し、患者は求心性情報の変化、反射的な筋抑制、体性感覚の欠損、高次脳中枢における神経可塑性の代償、そして最終的には関節周囲の筋への運動出力低下を経験する。筋肉の構造や傷害に対する心理的反応など、臨床機能の他の側面もまた、AMIによって障害され、影響を受ける。AMIを除去または軽減することは、関節損傷後の健康の最適化を支援するリハビリテーションプログラムの焦点であり続けるべきである。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
臨床現場においてしばしば出くわす症状に“関節腫脹”がある。
そのプロセスについては、以下に詳しい。
そして、関節腫脹には“その先”がある。
それが“関節原性筋抑制 (AMI)”だ。
今回の論文は、関節腫脹→筋出力減少, 筋萎縮の仕組みを示してくれた。
関節腫脹がある場合には、やはり腫脹を軽減させる処置が望ましいのだろう。
関節原性筋抑制、ワードとしてもドヤれるので覚えておこう。
⬇︎ 関連 note✨
https://x.com/copellist/status/1671590780887273478
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