「Train the Brain」。運動と認知を組み合わせ認知機能を改善
📖 文献情報 と 抄録和訳
軽度認知障害者を対象とした運動・認知介入無作為化試験「Train the Brain」の長期有益効果:14ヶ月フォローアップでの効果
[背景・目的] 現在、軽度認知障害(mild cognitive impairment, MCI)の高齢者において、認知障害を克服し、認知症への進行を遅らせる治療法は報告が少ない。
[方法・結果] MCIトレーニング群:n=55、MCIトレーニングなし群:n=58の113名が登録され、介入に無作為に割り付けられた。「Train the Brain」プログラムは、運動と認知を組み合わせた介入で、7ヶ月の介入終了時に評価したところ、訓練を受けていないMCI対照者と比較して、MCI患者の認知機能を顕著に改善することが以前に示された。
■ 全般的な「Train the Brain」の効果
ADAS-Cogスコアに対するトレーニングの有意な有益性は、T7で明らかになり、T14のフォローアップでも確認された。
ここでは、介入の長期的な効果を含めるために、前回の分析を拡張し、登録された参加者の性別、教育、年齢によるデータの集計を行った。
■ 学歴と「Train the Brain」プログラムの効果
・ADAS-Cogスコアの経時変化を調べた混合効果モデルでは、グループ×時間と二分化された教育との交互作用が境界線上の有意性を示した(P = 0.0764)。
・トレーニングの結果は、両時点において高学歴トレーニンググループと低学歴トレーニンググループの両方で有意だったが、高学歴者(図a)よりも低学歴者(図b)で顕著であった。
■ 性別と「Train the Brain」プログラムの効果
・女性(n=55、48.7%)は、スクリーニング段階で男性に比べてCDTのスコアが有意に低かった(7.3 (SE = 0.3) 対 8.2 (SE = 0.2); P = 0.0354 )が、MMSEとCDRでは有意差は検出されなかった。
・グループ×時間と性別との交互作用は、統計的に有意ではなかった(P = 0.2710)。
・しかし、ADAS-Cogスコアに対するトレーニングの結果は、女性でより顕著に現れているようだった(図aおよびb)。
[結論] 認知機能に対する有益な影響は14ヶ月後の追跡調査でも維持されており、高学歴者と比較して低学歴者、男性よりも女性でより大きな効果が認められた。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
「コグニサイズ」という言葉がある。
この介入は、まさにコグニサイズである。
個人的には、「Train the Brain」よりもコグニサイズの方が良い名前だと思う。
一語で収まっているし、何よりインパクトが強く、オリジナリティがある。
今回の研究では、コグニサイズはMCI患者の認知機能を維持にとどまらず改善させることを示し、さらに低学歴者と女性に対して威力が大きいことを明らかにした。
どんどん、具体的になってきている。
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