野球選手の腰椎分離症。発生部位の偏りとメカニズム
📖 文献情報 と 抄録和訳
青少年野球選手における腰椎分離症の特徴:腰椎分離症の側方性と投球側または打撃側の関係
[背景・目的] 本研究の目的は、非対称な動作と脊椎分離症の側方性の関係を評価することである。文献の概要野球は非対称な投球とバッティングを特徴とし、片側に不釣り合いな負荷がかかることがある。腰椎分離症は、若いスポーツ選手、特に野球のような一貫した片側回転を伴う活動に携わるスポーツ選手において、腰痛の原因として頻度が高い。しかし、脊椎分離症の側方性と投球・打撃の利き手側との間に関連性があるのか、あるいは投手と野手との間に格差があるのかについては不明である。
[方法] 研究デザイン野球の左右非対称な動作が脊椎分離症の発生率に及ぼす影響を分析するため、後方視的横断研究を実施した。85名の選手を対象とした(🇯🇵)。参加者は投手と野手の2群に分けられた。コホート全体および2群間における脊椎分離症の側方性と投球側/打撃側の関連を評価した。
[結果] 投手では16の病変が投球側に、32の病変が非投球側に出現した(p=0.029)。さらに、バッティングの好みはいずれのグループにおいても脊椎分離症の側性に影響を及ぼさなかった。
[結論] 思春期の野球選手、特に投手は、投球腕と反対側の腰椎分離症の発生率が高かった。本研究の結果は、投手が特に罹患しやすい脊椎分離症の発症に、非対称なスポーツ活動が大きく影響することを浮き彫りにした。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
野球というスポーツは、なんと「捻り」負荷の強いスポーツだろう。
野球の主な動きは、投げる、打つ。
その両者ともが、捻りによるエネルギーの蓄積、発散を含んでいる。
しかも、投げる方向、打つ方向はいつも同じ者だから、それは偏りが生じる。
今回の抄読研究から、腰部における負荷の偏りが腰椎分離症を引き起こす可能性が示唆された。
特に、投手にとって、投球動作時の捻りで加わる腰部負荷によって分離症が引き起こされるメカニズムが考察された。
確かに、全力で投球動作を行った際に、肩に加え、腰部にも「ギシッ」という感覚を覚えることは多い。
同じように捻りに貢献できる部分として、股関節や胸椎・胸郭・肩甲帯がある。
それらによって負荷が分散されることがリスクの低減につながるかもしれない。
今後、更に勉強を進めていきたい。
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