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クリスマスケーキ。食材の健康上のリスク
📖 文献情報 と 抄録和訳
『The Great British Bake Off』のレシピに含まれるクリスマスデザート材料の健康上の有益性と有害性の関連:観察研究のメタアナリシスのアンブレラレビューのアンブレラレビュー
📕Wallach J D, Gautam A, Ramachandran R, Ross J S. Association of health benefits and harms of Christmas dessert ingredients in recipes from The Great British Bake Off: umbrella review of umbrella reviews of meta-analyses of observational studies. BMJ 2023; 383 :e077166 https://doi.org/10.1136/bmj-2023-077166
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✅ 前提知識 - この論文は何?
・毎年の恒例行事(BMJクリスマス号)となっている一風変わった研究論文特集
・論文は、全て通常の査読プロセスを経た「本物」の科学論文らしい
BMJ Christmas🎄✨
— 理学療法士_海津陽一 Ph.D. (@copellist) December 22, 2023
🌍site: https://t.co/qi1DGDtuoA
・面白論文
・12月中旬出版の特別号
・例①:スーパーヒーローの健康リスク
・例②:童謡の登場人物の転倒リスク
知る者は好む者にしかず
好む者は楽しむ者にしかず
孔子
“研究を楽む” ことも大事ですよね
24日、25日の文献抄読をお楽しみに♪ pic.twitter.com/JoXrvZ2rSa
[背景・目的] The Great British Bake Offのクリスマスデザートに含まれる様々な食材の健康上の有益性と有害性を明らかにすること。
✅ The Great British Bake Offとは?
・イギリスの料理コンテスト番組🇬🇧
・アマチュア料理家が料理の出来栄えを競い合う番組
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[方法] 観察研究のメタアナリシスのアンブレラレビュー。データ情報源 The Great British Bake Offウェブサイト、Embase、Medline、Scopus。包含基準 クリスマスデザートの材料と死亡または疾患のリスクとの関連を評価した観察研究のメタアナリシスのアンブレラレビュー。主要アウトカム評価 The Great British Bake Offのクリスマスデザートレシピの成分群と死亡または疾患リスクとの間の保護的および有害な要約関連性の割合。
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[結果] The Great British Bake Offのウェブサイトに掲載されたクリスマスデザート(ケーキ、ビスケット、ペストリー、プディングおよびデザート)のレシピ48品目は、178のユニークな食材で構成され、17の包括的な食材群に分類された。文献検索により7008のタイトルと抄録が同定され、そのうち46の適格な包括的レビューでは、成分群と死亡または疾患リスクとの間に363の固有の要約的関連が報告された。これらの要約された関連性のうち、149件(41%)が有意であり、そのうち110件(74%)はその成分群が死亡または疾患のリスクを減少させ、39件(26%)はリスクを増加させたと推定された。死亡または疾患リスクの減少に関連する最も一般的な食材群は、果物(44/110、40%)、コーヒー(17/110、16%)、ナッツ類(14/110、13%)であった一方、死亡または疾患リスクの増加に関連する最も一般的な食材群は、アルコール(20/39、51%)と砂糖(5/39、13%)であった。
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[結論] 『The Great British Bake Off』のクリスマスデザートのレシピには、死亡や疾病のリスクの増加ではなく、むしろ減少に関連する食材群がよく使われている。今年のクリスマスは、観察栄養学的研究の限界に関する懸念を脇に置けば、ケーキを食べることもできる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
研究というのは、実に真剣なもので、そこに “おふざけ” は許されない。
果たして、そうだろうか。
かの孔子は、以下のように言っている。
知る者は好む者にしかず
好む者は楽しむ者にしかず
孔子 『論語』
TED talkでも、以下のように述べられていた。
遊ぶと体が健康になり、人間関係が改善され、頭が良くなり、イノベーションが起こしやすくなる。
「遊びは脳の柔軟性と順応性を高め、創造的にしてくれます」
「遊びほど脳を奮い立たせる行動はほかにありません」
・・・。
やはり、「楽しい」、「面白い」という気持ちは創造の最も適した土壌のように思われる。
世界四大医学雑誌の1つ、BMJ。
そのBMJが、毎年クリスマスにこの一見 “おふざけ” にも見えるような特集をしている。
そして、その特集がずっと続いてきている。
そこに、何がしかの意味があるような気がしてならない。
確かに研究とは、真剣なものだろうと思う。
だが、真剣さと楽しさが共存できないとは、限らない。
少なくも今回の抄読文献の著者らは、真剣に楽しんでいるように思えた。
結論の「今年のクリスマスは、ケーキを食べることもできそう」を導くための一連の手続きだったようにも思えるが・・・笑。
この瞬間を楽しもう。
楽しまないというのはよくないことだ。
つらいことからいったん目をそむけてでも、今をちゃんと楽しむべきだ。
たとえば、家庭の中に楽しまない人がたった一人いるだけで、誰かが鬱々としているだけで、家庭はどんよりと暗く不快な場所になってしまう。
もちろん、グループや組織においても同じようになるものだ。
できるだけ幸福に生きよう。そのためにも、とりあえず今は楽しもう。
うつうつ、素直に笑い、この瞬間を全身で楽しんでおこう。
ニーチェ『悦ばしき知識』
⬇︎ 関連 note & 𝕏での投稿✨
📕クリスマスケーキ🍰食材の健康上のリスク
— 理学療法士_海津陽一 Ph.D. (@copellist) December 23, 2023
・BMJ Christmas🎄✨
・The Great British Bake Off(料理番組)における
クリスマスデザート食材と死亡/疾患リスクの関係
🔹利得:果物類,コーヒー,ナッツ類
🔸リスク:アルコール,砂糖
結論「今年のクリスマスは, ケーキを食べることもできる」😲笑 pic.twitter.com/KPWEqW24Od
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