NEJM誌の解説。高齢者のフレイル
📖 文献情報 と 抄録和訳
高齢者のフレイル
[レビュー概要表の説明]
■ Frailty Score(フレイルスコア)
- Robust: フリードのフレイル表現型では0点、デフィシット累積フレイル指数が0.10未満、臨床フレイルスケールでは1-3点。
- Prefrailty: フリード表現型では1-2点、フレイル指数が0.10-0.20、臨床フレイルスケールでは4点。
- Frailty: フリード表現型3-4点、フレイル指数0.20-0.55、臨床フレイルスケール5-7点。
- End-Stage Frailty: フリード表現型5点、フレイル指数0.55以上、臨床フレイルスケール8-9点。
■ Goal(目標)
- Robust:身体的予備能力を高めることを目標とする。
- Prefrailty:身体的予備能力を高めることが引き続き重要だが、より慎重に管理する。
- Frailty:身体的予備能力を維持し、ストレス要因を避けることが重要。
- End-Stage Frailty:患者の快適さを提供することが主な目標となる。
■ Lifestyle(ライフスタイル)
- Robust:運動や高品質な食事(特に高タンパク質食)が推奨され、社会的交流も大切。
- Prefrailty:同様に運動や高タンパク質食が勧められるが、身体に負担をかけない範囲で行うことが推奨される。
- Frailty:運動は耐えられる範囲で行い、食事も高タンパク質を中心に継続。社会的交流も引き続き重要。
- End-Stage Frailty:運動や食事は耐えられる範囲で行い、社会的交流も無理のない範囲で進める。
■ Disease Management(疾患管理)
- Robust/Prefrailty:疾患に対する標準的なガイドラインに従って治療を行う。
- Frailty:疾患の治療において、治療の利点と負担のバランスを慎重に考慮する。
- End-Stage Frailty:治療の段階を減らし、負担を軽減することが求められる。
■ Preventive Care(予防医療)
- Robust/Prefrailty:予防接種とがん検診が推奨される。
- Frailty:予防接種に加えて、がん検診については期待される寿命と検診による利益を考慮する。
- End-Stage Frailty:予防接種は行うが、がん検診は中止される。
■ Interventions for Frailty(フレイルに対する介入)
- Robust:フレイルの兆候が現れないよう、運動や栄養管理、社会的支援が重要。
- Prefrailty/Frailty:フレイルの可逆的な要因を治療し、運動やリハビリテーション、栄養補助、包括的な多職種介入を行う。
- End-Stage Frailty:薬物療法の見直しが主な介入となる。
■ Patient Engagement(患者の関与)
・各段階において「患者中心の目標」を設定することが重要。
■ Social Support(社会的支援)
・各段階において、家族や介護者による社会的支援が欠かせない。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
“ビッグファイブ” という言葉を知っているだろうか。
世界五大医学雑誌を指す言葉であり、世界五代医学雑誌とは掲載する論文のインパクトファクターの高さにより国際的に信頼されている5種類の総合医学雑誌のことである。
この中で、IFで言えばナンバー2である『New England Journal of Medicine』。
その『New England Journal of Medicine』から、高齢者のフレイルについてのレビュー論文が出ている。
これは、しっかり読み込むとともに、自らのうちに刻み込むほどに学びたい論文である。
さらに、今回和訳した表は、デザイン的にも洗練されている印象を受けた、さすがNEJMである、抜かりがない。
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