青年期のバスケ&バレー経験は,高齢期の高い骨密度と関連する
📖 文献情報 と 抄録和訳
青年期にバスケットボールやバレーボールをすることは、老年期の高い骨密度と関連する:文京健康調査
[背景・目的] 運動は、青年期における面的骨密度(aBMD)の増加や老年期における骨密度の維持に有効である。さらに、高負荷スポーツは低負荷スポーツよりもaBMDの増加に効果的である。本研究の目的は、学校を拠点とするスポーツクラブで行われる青年期のスポーツの種類と老年期のaBMDとの関連を明らかにすることである。
[方法] 日本の都市部に住む高齢者1,596人(男性681人、女性915人、年齢:65~84歳)を対象に、二重エネルギーX線吸収測定法を用いて大腿骨頸部と腰椎のaBMDを評価した。大腿骨頸部および腰椎のaBMDを従属変数とし、スポーツの種類および参加者の特徴(年齢、体重、血清25-ヒドロキシビタミンD[25(OH)D]値など)を独立変数として、スポーツクラブで行った青年期のスポーツと老年期のaBMDとの関連を重回帰分析を用いて解析した。
[結果] 大腿骨頸部については、バスケットボールは高齢男性(β=0.079、p<0.05)および女性(β=0.08、p<0.01)においてaBMDと関連していたが、現在の体重および25(OH)D値は男女ともにaBMDと関連していた。腰椎については、バレーボール(β=0.08、p<0.01)および水泳(β=0.06、p<0.05)が腰椎のaBMDと有意に関連していたが、高齢女性では現在の体重、25(OH)D、糖尿病がaBMDと関連していた。
[結論] 思春期にバスケットボールをプレーしていた男女はともに、老年期の大腿骨頸部aBMDが高かった。さらに、思春期にバレーボールをしていた女性は、高齢期において腰椎のaBMDが高かった。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
『ライフコース疫学』、という言葉がある。
今回の研究は、骨密度についてのまさにライフコース疫学、である。
青年期にバスケットボール、バレーボールを経験していると、高齢期の骨密度が上がるという。
かつて文献抄読した『骨粗鬆症者のための運動ガイドライン』においても、骨密度の維持・向上に対して、インパクト(衝撃)エクササイズが推奨されていた。
高齢期を迎えてからやることももちろん尊いだろう。
しかし、青年期にそれらの運動を経験していることが、生涯を通じて骨強度の維持をサポートする、という側面もあるのかもしれない。
近々のこととしては、病前の情報収集において、青年期のスポーツ遍歴を探ることは有益なことかもしれない。
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