歩行速度と2型糖尿病リスク
📖 文献情報 と 抄録和訳
歩行速度と2型糖尿病リスク:系統的レビューとメタアナリシス
[背景・目的] 歩行速度と2型糖尿病リスクとの関連を検討すること。
[方法] デザイン:システマティックレビューおよびメタアナリシス。データ情報源:PubMed、Scopus、CENTRAL、Web of Science、2023年5月30日まで。研究選択基準:成人における歩行速度と2型糖尿病リスクとの関連を検討したコホート研究を対象とした。ランダム効果メタ解析を用いて相対リスク(RR)とリスク差(RD)を算出した。Instrument to assess the Credibility of Effect Modification ANalyses(ICEMAN)とGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)ツールを用いて、サブグループ差の信頼性とエビデンスの確実性をそれぞれ評価した。
[結果] 10件のコホート研究が含まれた。
時速3.2km未満と比較すると,
■ 時速3.2~4.8km:RRは0.85(95%CI 0.70~1.00), 症例数減少0.86 (95% CI 1.72 to 0) /100人
■ 時速4.8~6.4km:RRは0.76(95%CI 0.65~0.87), 症例数減少1.38 (95% CI 2.01 to 0.75)/100人
■ 時速6.4km以上:RRは0.61 (95% CI 0.49 to 0.73), 症例数減少2.24 (95% CI 2.93 to 1.55)/100人
身体活動の総量および1日当たりの歩行時間を調整しても、サブグループ間で有意差または信頼できる差は認められなかった。用量反応解析では、歩行速度が時速4km以上で2型糖尿病のリスクが有意に低下することが示唆された。
[結論] 主にバイアスリスクの高い研究から得られた低~中程度の確実性のエビデンスは、より速い速度での歩行が2型糖尿病リスクの段階的低下と関連することを示唆している。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
少なくとも、2型糖尿病リスクに関しては、この金言は輝くようだ。
今回の抄読研究によれば、歩行速度が速くなるほど、2型糖尿病リスクは低減する。
鶏が先か卵が先か、その因果関係はこの研究からではわからないところではある。
だが、僕たちにコントロール可能なのは、やはり「歩行速度」の方だろう。
歩くときに、少し早めに歩く。
それだけでも、2型糖尿病予防になる可能性がある。
これは、退院支援の一環としても重要な1項目になるかもしれない。
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