人としてどうあるか?が、患者満足度において最重要
📖 文献情報 と 抄録和訳
回復期リハビリテーション病院における入院患者の満足度に影響を与える決定要因とは?
[背景・目的] 入院リハビリテーション病院の患者において、特定の病院サービス領域(個人の問題領域、退院領域、リハビリテーション医の領域、看護の領域、理学療法士の領域、作業療法士の領域、食事の領域)が、患者最終満足度、ケアの全体的質、他者に病院を推薦する意思にどのように影響するかを検証する。
[方法] フロリダ州北東部にある1つの急性期入院リハビリテーション施設において、電子カルテの患者レベルデータとPress Ganey (www.pressganey.com) の満足度データ(以下の図を参照)を結合した。
● 参加者:入院リハビリテーション調査に参加した患者さん(N=4,785)。
● 主なアウトカム評価項目:最終的な患者満足度スコア、滞在中のケアに関する総合評価、病院を他の人に勧める意思。
[結果] 本研究では、最終的な患者満足度スコア、ケアの総合評価、および病院を他の人に勧める可能性を決定する上で、個人的な問題の領域が最も重要であり、理学療法士、看護師、退院、食事の領域がそれに続くことがわかった(P<.0001)。個人的な問題の領域スコアでは、スタッフの迅速な対応と到着時の説明が、最大の効果をもたらす改善の機会として特定された領域であった。
[結論] 本研究は、リハビリテーション病院における患者体験の主要な決定要因を調査することにより、新たな知見を得たものである。これらの知見は、患者体験を改善するための実用的な情報を提供するとともに、限られた資源を使用して改善努力を集中させる場所を提供するものである。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
患者満足度!
どこの病院も、この1指標を向上させるため、日夜努力を積み重ねている。
病院における多くの営みは、この1項目を向上させることに収束するといっても過言ではない。
いわば、病院の評価における最終共通路のようなものか。
その最終共通路に最も大きな影響を与えるものが『人としてどうあるか?』だという。
これは、とても興味深い。
病院という、高度に専門家された仕事が求められる場所ですら、最重要項目は、各専門職の領域ではなく、『人としてどうあるか?』なのだ。
この部分が、各自の研鑽や意志に委ねられている、という現状は望ましいものではないかもしれない。
かといって、『人としてどうあるか?』の部分を、どのように集団として向上させていくのか。
ここは、これからの勉強だ。
そしてもう1つ。
なんとリハビリテーション病院における2位は、『理学療法士の領域』。
「えっ、医師や、看護師じゃないんだ…。」、と思った。
そうなのだ、理学療法士なのだ。
だから、目の前の患者さんが、病院全体に対して不満足だったり、クレームを言っていたり、メンタルが落ちたりしているとき。
各専門職の中では、第一容疑者は『理学療法士』、ということ。
「いや、看護師が…」「ああ、あれは医師が…」
もう、目の前の問題から自分を棚上げすることはやめよう。
まず、お前が怪しいのだ。
お前の対応の中で、よくなかった部分、あるいはもっと良くできた部分を探すことに躍起になれ。
それが謙遜な対応で、自責的な対応で、結局のところ「人としてどうあるか」を鍛えることにもなる。
大抵のことは、お前のこと。
⬇︎ 関連 note✨
○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
こちらから♪
↓↓↓
‥ ‥ ‥ ‥・・・━━━━━━━━━━━●○
#️⃣ #理学療法 #臨床研究 #研究 #リハビリテーション #英論文 #文献抄読 #英文抄読 #エビデンス #サイエンス #毎日更新 #最近の学び