足部アーチは歩行時の骨盤位置に寄与する
📖 文献情報 と 抄録和訳
中足関節複合体(足部アーチ)は二足歩行の上体姿勢に寄与し、下肢関節と協調する
[背景・目的] 本研究では、歩行の立脚相における骨盤前後位置に対する中足関節複合体(MJC)の運動学的寄与を推定し、MJCが下肢関節と機能的に協調して、歩幅を超えて同様の骨盤位置を維持するかどうかを検討した。
[方法] 歩行中の股関節、膝関節、足関節、MJCの矢状角度を障害のない11名の参加者で測定した。骨盤位置に対する各関節の寄与は、リンクセグメントモデルから導かれる方程式を用いて計算した。骨盤位置に対するMJCの寄与が変化し、他の関節の寄与の総和が逆方向に変化した場合(立脚相の瞬間に強い負の共分散[r≦-.7])、歩幅を超えた機能的協調が同定された。
[結果] 立脚中期と立脚後期におけるMJCの底屈(アーチの挙上)は、骨盤を後方に導き、過度の前方変位を回避することが観察された。MJCは、足関節に次いで骨盤の位置への寄与が大きい関節であった(全関節の寄与の約18%)。MJCと足関節は、他の関節と最も頻繁に協調する関節であった(立脚相持続時間の約70%)。
[結論] この結果から、MJCは歩行時の骨盤位置を決定する運動連鎖の一部であり、下肢関節と機能的に協調していることが示唆された。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
最近、個人的な目標で「シューフィッター」を志し、日夜勉強に励んでいる。
そして、先日シューフィッターの勉強会に参加してきて、感じたことがある。
足部の状態やシューズ、インソールは思った以上に全身の姿勢や運動に関係している。
そんな感覚を持っていた時に、この論文を目にした。
この論文が明らかにしたことは、以下のことだ
矢状面におけるアーチ挙上の有無と骨盤位置の関係が分かりやすく図示されており理解しやすかった。
全身の姿勢や運動を考えた上で、足部に対してどのように評価し、介入できるか。
その参考となる貴重な研究だ。
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