ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』2 ~第一編 ある家族の歴史 「一 フョードル・パーヴロウィチ・カラマーゾフ」
まず、この名前が超読みにくいというか理解しにくいのが、19世紀ロシア文学のつまづきの石みたいな感じなんだよな。いや、そんな覚えろよ、という意見もわかる。わかるけど、なんとかならないか、という。馴染みがない言語だからしょうがないっちゃないわけで、あとはほら、お決まりの文化的違いの理解という話で、気持ちを収めなきゃいけないわけだよ。
で、はいはい、フョードル・パーヴロウィチ・カラマーゾフ。「わが主人公」のアレクセイの親父、ですね。ああ、親父の話か。
日本でいうところの、例のドンファンさん、みたいな有力者だね。もう、W県のドンファンにしかみえないなフョードル。
Wのドンファンで、いいね。そんなフョードルの三男がアレクセイ。いやー、きな臭い匂いプンプンですな。
そんなフョードルは「二度結婚し、子供が三人あった」らしい。最初の妻は「この郡の地主でかなり裕福な名門の貴族、ミウーソフ家の娘」であったよう。アデライーダ、という人らしい。
アデライーダとフョードル、明らかに、無茶な結婚だと思うんだけど、こういう婚姻が昔はあったということだね。そうでもしないと、今と同じくらい結婚なんてしないよね。明らかに、フョードル、ヤバイ奴っぽいし。
で、フョードルはアデライーダの財産を食い物にしようとして、マジもめた。そのもめた経緯については、引用するのがクソ面倒なのでしない。
結局、アデライーダは離婚して出て行っちゃうんだけど、フョードルがこれまたクソな感じで、アデライーダの悪口を四方八方に言って回る、ろくでもない男って感じ。
で、出ていったアデライーダがどこに行ったか、途中まではわからなかったんだけど、ペテルブルクにいるってわかって、会いに行くぞーと酔っぱらってくだを巻いているときに、アデライーダの訃報が舞い込む。で、フョードルは、喜んだのか、悲しんだか、その辺はよくわからない、奇矯なふるまいに及んだそうだ。
ああ!ここまでの一代記は、なるほど、読みやすいね。読みやすい。長いけど、読みやすいなら、それでもいいか。
昔、長い本を読むとき、どうしたらいいんですか、と先輩に聞いたら、食パンと牛乳を用意して、コタツの中で終わるまで読み続ける、と言ってた。「途中で、やめないんですか?」と聞いたら、途中でやめたら忘れちゃって読まなくなる、と言ってた。確かに、途中にして、流れを忘れて、もう一回最初から読まないとダメだね、って本たくさんある。ロレンス・ダレルの『アレクサンドリア四重奏』とか。
その先輩、トルストイとかドストエフスキーは、そのようにして読んだということだった。俺、それ、できない。途中で、動きたくなるんだもん。違うことしたくなるんだもん。だから、『カラマーゾフの兄弟』読まなかったんだよ。ギリ、『罪と罰』と『悪霊』と『白痴』は読めた。でも『未成年』は途中でやめた。
長い本、だから、細かくメモ取って、読む。それが俺のnoteの使い方。途中からそうした。50にもなると、前のこと、三章くらい読み進めると、忘れちゃうんだもん。もう忘れてるよフョードルのこと。格闘家だっけ?そんなんだから、自分が書いたものをみて、ああW県のドンファンみたいな奴かって、思い出すしかないんだよ。