オー・ヘンリー「脈を拝見」

オー・ヘンリーというと、なんとなくちょっといい話の人、という印象が強いものですが、実際は、過去の自分が起こした横領事件から逃げるために、具合の悪い妻と子どもを置いて逃げ回ったり、結局そのあと収監されたり、釈放後9年で過度の飲酒と過労のために亡くなってしまう、という割と破天荒人生だったことを知ってる人はどれくらいいるのでしょうか。

私は、ついこの間、解説読んで知りました。なまじブンガクづいていると、足元の巨星の輝きすら見えてなくて、本当に困ったものだね、と自らを叱咤したものです。

しかも、オー・ヘンリー、「オー」は一体何かということも初めて知りました。いや、諸説あるということを、いまさらながら知ったのです。「最後の一葉」だけ知って、オー・ヘンリーを知ったと思ってはいけませんね。いけません。まずはwikiでも読んでみるのが令和の読書てな感じですね。

さてさて、そんなオー・ヘンリーですけど、「脈を拝見」はヘンリーの死後、雑誌に掲載された短編で、絶筆というわけでもなさそうですが、翻訳されたものの中で最晩年の作品だということはできそうです。

具合が悪く、医者にかかった私が、血圧を見られたり、血糖?を見られたりして、節制を促されるのですが、面倒だなと色々ごちゃついたあげく、空気のいいところで運動しながら過ごすために、知り合いのジョン一家の元に世話になりにいく。

そこで出会った医者が、私に言う。「あんた、山にあるなかなか見当たらない花を薬として飲まないと死ぬ」。ただ、「その花、このご時世なかなか見当たらないので、早く自分と一緒に探さないといけない」と言われ、私は慌てて、医者と一緒に野山を探し回った。けれどなかなか見つからない、探して探して野山を駆け巡りどんどん日々は過ぎていく、はてさて…どうなりますか…

という話。

オチはもうわかったですよね。

だから何か、ということでもありませんが、オー・ヘンリー、面白いです。

それだけでした。

感想は、そんな感じです。

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