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教師としての本分は、日常のありふれたものを授業化! ~1つの活動を意味のあるものにするために~

現在、私は通級指導教室担当をしています。通級指導担当1年目、いわば「通級初任者」です。4月は「通級とは何だ?」から始まり、基礎・基本について学ぶことからスタートでした。

実際の指導では、基本的に1対1で行う個別指導をしています。ねらいによっては複数人による小集団指導も合わせて行います。何をするのかと言えば、「自立活動」です。

自立活動は,個々の児童又は生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識・技能・態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤を培う。
自立活動は、特別支援教育の土台、中核となる指導であり、通常の教育では実施することのない領域であることから「特別の指導」とよばれています。

特別支援教育のトビラ 「自立活動」

上記にもあるように、通常の教育では実施することのない領域であり、特別の指導であることから、教科書は存在しません。あるのは、目の前の子ども達の実態と日本中の先生方が実践を積み重ねてきた実践事例です。

例えば、私はこの本の実践事例をもとにしています。

他にも、検索すれば膨大な指導実践事例が紹介されていますし、先生方のリアルな実践事例を聞くこともできます。

通級指導をしていてつくづく思うのは、教師の本分は「授業化」だということです。

例えば、トランプのババ抜きで授業をしてくださいと言われたらどうしますか?

「ババ抜き!? ただの遊びじゃん💦」

という天からの声がたくさん聞こえてきそうですが…

自立活動では、ババ抜きが立派な教材となるのです。自立活動6区分27項目の「2心理的な安定」「3人間関係の形成」「6コミュニケーション」をねらいとして設定できるでしょう。

その中でも、「3人間関係の形成」(4)集団への参加の基礎に関することでは、集団の雰囲気に合わせたり,集団に参加するための手順やきまりを理解したりして,遊びや集団活動などに積極的に参加できるようになることを目指します。

つまり、ババ抜きというトランプのカードゲームを通して、集団の雰囲気を考えながら自分自身で適切な行動を選択できるようになることや、ゲームに負けても受け入れ、気もちを切り替えることを学ぶことができるのです。

ただし、授業化するためには、ババ抜きをする前と後が大切です。
前には、今日のめあてを設定し、そのめあてに対して自分の課題や頑張りたい目標は何なのかを考えたり、どんなスキルを獲得する時間なのかを確認したりする時間が必要です。

また、授業の後には、振り返りを行い、活動を通してどんな気もちになったのか、めあてや自分自身の課題や目標を達成できたのか、スキルの獲得に至ったのかをワークシートに書かせたり、発表させたりします。

それらを通して、通常学級での学校生活や家庭生活での定着や般化につなげるのです。確認→ゲーム→ふりかえりの3ステップを踏むことで、ババ抜きというトランプのカードゲームが自立活動の学習になるのです。

身近なところに、教材が眠っています。それらを発掘するのも、教師の醍醐味であり、腕の見せ所だと考えます。これらは、通常学級でも応用可能です。

教師としての本分は、日常のありふれたものを授業化することです~1つの活動を意味のあるものにするために、ぜひ意図的・計画的に授業を計画していきたいものです。みなさんの参考になれば幸いです。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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