公文スタッフの私が実践する「集中して学習できるように気をつけていること」
公文教室のスタッフとして子どもたちに接するようになって約7年。
教室の中でもベテランの方になり、一人じゃ学習ができないような小さい子、フォローが必要な子のサポートを任されることが多くなっています。また、保護者の方向けの「教室だより」の中でコラムを書いたり、勉強会を開催したりもしています。
ママと離れられなくて泣いてしまう子、問題が一人で解けなくて時間がかかってしまう子、気持ちがどこか遠くに行ってしまって手が進まない子、解けないことが悔しくてイライラしてしまう子など、お教室には本当にいろんな子がいます。
私は、そんな子たちの気持ちを切り替えるのがどうやら得意みたいです。私のところで一緒にやる子は最初はやる気がなくても、徐々に気持ちを立て直して、プリントに集中して取り組んでくれることが多いのです。
そんな私が実践する「子どもたちが集中して学習できるように気をつけていること」を今日はまとめてみました。
幼稚園〜小学生のお子さんのお勉強に関わる時のヒントになればうれしいです。
体調が悪い時はどんなに声かけしても難しい
外遊びの後で疲れている、金曜日の夜、病み上がり、鼻詰まり、悪天候で気圧の変動が多い時など子どもが体調が良くない時は、どんなに大人が声掛けをしても、いいパフォーマンスを出すのは難しいです。
体調の悪い時は、大人だって複雑な作業や、頭を使うことを避けたくなるものですよね。大人は締切や使命感などがあれば、少々体調が悪くても「やらなきゃ」「終わらせちゃおう」と無理をすることができますが、子どもはそれはできません。
いつもはスムーズにやるのに、「あれ?今日はどうしたのかな?」と感じる時はまず、体調が悪くないかを聞くようにしています。
学習内容が難しすぎると、集中力は下がる
難しい問題を解いているときほど、頭を使って考えないといけないので、集中するように思われますが、実は子どもはそうではありません。子どもが「ちょうどいい」、もしくは「簡単だ」と思えるくらいの問題を解いているときが一番集中してくれます。
なので、子どもがいつまでもダラダラしてプリントが進まない時は、その子に合っていない事が考えられるので、理解できているかどうか、丁寧に見てあげます。
正しい姿勢で座っているか
特に未就学児のお子さんがプリントをやる時は、正しい姿勢で座れるように声をかけます。正しい姿勢とは、プリントが体の正面にくる、鉛筆を持つ手の反対の手でプリントを押さえる、足が床(または机の下のバー)に付く状態です。
特に足がブラブラしていると、集中力が途切れるように感じます。家でダイニングテーブルなどで学習するときも、姿勢を意識するといいと思います。
消しゴムの消しやすさはすごく大事
親御さんは鉛筆は持ちやすいものを用意してくださる場合が多いのですが、実は、消しゴムもとても大事です。消しづらい消しゴム(オモチャのようなカラフルなものや、小さくなってしまったもの)だと、上手に消せないのです。
文字をラクラクと消せないと、それだけで時間とエネルギーがかかってしまい、集中力はどんどん下がってしまいます。
なので、鉛筆と同じくらい消しゴムが消しやすいものかどうか意識してみてください。
子どもたちのおしゃべりには付き合わない
子どもたちはたくさん先生に話しかけてくれます。「きょうね、幼稚園でね、◯◯ちゃんがね・・・」とか、「あー、めんど。やりたくねー」とか、「先生、これ(私のアップルウォッチを指さして)って何?時計?メール読めるの?」とか。集中力に反比例して、目の前の大人とのおしゃべりが始まります。
私個人としてはめちゃめちゃ、おしゃべりに付き合いたいんです。「えーー?そんなことがあったの?」「そうそう、これ(アップルウォッチ)便利なんだよ」って。
でも、それにお付き合いしてしまうと延々とお話しが続いて、手が止まってしまいます。なので、私は泣く泣く子どもたちのおしゃべりを我慢しています。
子どもたちが話しかけてきたら、「そっかー、そうなんだー」と最低限の相槌だけを返して、「続きは、プリントが終わったらたっぷり聞かせてね」と伝え、子どもたちが話しかけづらい雰囲気を出すために、何かの作業(他の子のフォローに行くとか、何かメモを取るとか)をして「いま、先生は忙しいですよ。あなたはプリント進めましょうね」オーラを出しまくります。
そして、黙々とプリントを進めることができたら、「すごいじゃーーん!」「頑張ったじゃんっ!」とメチャメチャ褒めます。
子どもたちの声を無視をするのではなく、スルーする。そしてプリントをやったらたくさん褒めることで「教室ではおしゃべりをせずにプリントをちゃっちゃと終わらせると、先生には褒めてもらえるし、おしゃべりもできる。そっちの方がいいじゃん!」を伝えるようにしています。
「集中しなさい」は伝わらない
子どもがどうしてもやる気が出ず、ダラダラとし始めた時に「集中しなさい」という声かけをすることも多いと思います。
でもどうでしょう?「集中している」という状態を子どもは理解できているでしょうか。
大人は人生の中で、「これが“集中している”状態だ」という場面があり、その状態と “集中” というワードとリンクしていますが、子どもは結びついていないことが多いです。
「ほら、あのレゴをやっている時の、あの状態を“集中”というのよ。あの状態のようにプリントをやりなさい」と言って集中できる子はいないですよね。だから「集中しなさい」と言われても、子どもたちにとっては “???” なのです。
そんな時、私は、「プリントから目を離さないで解こうね」や「手を止めないで最後の問題まで解いてごらん」というように伝えています。
具体的な行動で伝えてあげることで、子どもたちは「いま、何をしなくちゃいけないのか」が分かるからです。
「どうしたい?」を聞いて自分で決めさせる
ここまで書いてきたことをやってみても、どうしても子どもが学習をやりたがらない場合は、子どもに「じゃあどうしたい?」を聞くようにしています。
「全くやらずに帰って家でやる」「お直しだけやる」「算数だけやる」など、子どもによって答えは様々。でも、子どもは自分で決めて宣言するときちんとそれを守ってくれます。
「プリントやったらおやつを買ってあげるよ」とモノで釣っても効くのは最初だけになりがちですし、「プリントやらないともうゲームなしね」と脅しながらプリントをさせると、本当にプリント=嫌なものになってしまい、勉強嫌いを助長してしまいます。
やりたくない時に一方的に押し付けるのではなく、子どもに「どうしたい?」を聞くことで、子どもの意志を尊重し、やらされている感を減らすことができます。
まとめ
今日は公文教室で私が「子どもたちが集中して学習できるように気をつけていること」を書いてみました。
子どもの集中力はとても短いし、ちょっとの刺激で途切れます。ですが、親御さんの関わり方、環境をちょっと工夫するだけで、「やりなさい!」を減らせるかもしれません。ご家庭でもできることがいくつかあると思いますので、ぜひやってみてくださいね。
今日もどなたかのヒントになればうれしいです。
「記事を読んだよ!」のしるしに「スキ」「フォロー」をお願いします!
\この記事を書いたのは/
大切なものを大切に
ライフコーチ しいはしさくら