漫画みたいな毎日。「人間は動く物、だから。」
一家で、かねてから約束していた友人とともに、ランチビュッフェに行くことになった。
長男が、友人に「如何にして、全メニューを制覇するか」をレクチャーする。
「最初は、たくさん取りたい気持ちを抑えて、少しずつ取るんだよね。それで、全メニュー食べたら、美味しかったものをおかわりするといいよ。」
ふむふむ、と長男のレクチャーを聞いた友人も全メニューをほぼ制覇していた。
野菜たっぷりのメニューは、日々のメニューの参考にもなる。
友人も「健康的なメニュー!」と野菜を頬張っていた。
満腹、満腹。
お腹いっぱいになった帰り道、友人に付き合ってもらい、アウトレットモールのアウトドアシューズショップで、長男のサイズアウトした靴を新調することにする。
前回、購入したサイズは、25センチ。
買ったばかりの時は、「大きい」と言っていたので、中敷を一枚加えていたのだが、しばらくすると、「ちょっと小指が当たるかな。」というので、中敷を一枚取り出した。そして、一週間程前から、「靴がキツイ。足が当たる。」との申し出があった。
まだ足幅が狭いからと、レディースの靴を選んでいたが、店員さんが、「これからまだ足が大きくなるので、そろそろメンズの木型の方が足幅にも余裕があって楽かもしれませんね。」とアドバイスしてくださったので、今回からは、メンズの26センチ。ちなみに、身長175センチの夫の足のサイズは26.5~27センチだ。殆ど変わらないではないか。
「前の靴はキツイから、この靴履いて帰りたい。」と長男が言うので、この機会に、今まで履いていた靴のゴム底のリペアの見積もりをお願いすることにした。
前回、靴を購入した時にも、「リペアも出来ますよ。お見積りだけでもできるので良かったら。」と言っていただいていたのだ。
靴底以外は、まだ状態は、さほど悪くないので、もしリペアしてもらえれば、私も履ける。私が子どもの靴をお下がり(お上がり?)してもらう日がくるとは。
大きくなったなぁ・・・。と口笛を吹きながらご機嫌な様子で、新しい靴を履く長男を眺める。
履いていた靴をリペアの見積もりの為にレジで預ける為に控えを作ってもらう。
修理部分の確認をしながら、靴の状態を見た後、店員さんが笑顔でこう言った。
「こちらは購入して2年くらいですか?」
「・・・いいえ。今年の4月に買ったばかりです・・・・。」
「えっ?!・・・そうなんですか?!中敷きが新しいタイプなので、そんなに履いている期間は長くないかとは思いましたが・・・・3ヶ月ですか?!驚きです!!」
ハイ・・・私も驚きです。
・・・お財布も驚いております。
3ヶ月で2年並みに靴を使い込むとは、どういった活動量なのだろう。
よく歩き、よく動いているのだろう。
佳きかな、佳きかな・・・と思うことにし、お店を後にした。
「動く物」と書いて、「動物」。
人間も本来は動物だ。動く物である。
動かなくなる時は、死を迎えるということだ。
日々、靴を擦り減らしながら、歩み進んでいく彼の行く先は、どこにつながっているのだろう。
何にしても、新しい靴が、雪の季節まで持ち堪えてくれることを願う父と母であった。