漫画みたいな毎日。「まんまる、であることの魅力。」
末娘の好きな食べ物の中のひとつに、ベーグルがある。
中でも好きなのは、プレーンベーグル。ちなみに、私はクリームチーズとブルーベリーを挟んだものが好きだ。夫は、シナモンと林檎やレーズンの入ったもの、長男は甘いものが苦手なので、黒胡椒などのスパイシー系、二男は、チーズや、クランベリーなどが好きなようである。
ホントにそれぞれ。バラバラである。
それはさておき、ベーグルの魅力を考えてみる。
まずは、シンプルであることだと思う。
基本の材料も、小麦粉、糖分、塩、水、だけである。油も使わないので酸化しにくい。卵や乳製品を沢山は食べられない我が家の子どもたちにとっては、パンを選ぶときに、とてもありがたい存在なのだ。
ふと、ベーグルの発祥ってどこなのだろう?ベーグルの歴史は?と気になったので、調べてみたところ、ベーグルの起源は、ハッキリとしていないとか。他にも、宗教上の戒律から、乳製品や動物性食品を使わず作られた、とか、ユダヤの人々がパンを焼くことを禁じられたとか、歴史上の背景について書かれている物もあった。
そして、丸い形と、もちっとした食感。柔らかすぎず、よく噛まなくてはならないが、よく噛むことで、小麦の持つ甘みを感じられると思うのだ。
このように、ベーグル、ベーグルと書いているが、実は、つい昨日まで、ベーグルを焼いたことがなかった。
スミマセン、ベーグルを語って。
何故作ろうと思わなかったかというと、我が家の近所には、道産小麦を使った美味しいベーグル屋さんがあったり、パン屋さんを訪れたときに、シンプルな原材料で作られたベーグルを手にすることは難しくなかったからだ。
パンが好きではあるが、自分で焼くほどではない。どちらといえば、お米の方が身体に合っていると感じる。
小麦粉製品は美味しいものだと思うが、食べすぎると、家族皆、身体がなんとなく重たくなったり、痒くなったり、鼻が詰まってしまうので、ほどほどに楽しんでいる。
過去に、天然酵母パンの教室に1度だけ行ったことがあったが、発酵の時間に合わせて生活すること、その時間を計算することは、億劫だなぁ・・・と、感じる程度のパン好きなのだと思う。
さらに、お菓子作りの上手な友人が美味しいベーグルを焼き、おすそ分けしてくれるという、なんとも恵まれた状況であるため、自分で焼く必要性を感じずにきたのだ。
そのような私にとっての、「パンを焼かない条件」がそろい、他のパンを含め、今までベーグルを焼くことはなかった。
しかし、末娘はとにかくベーグルが好きである。
粘土遊びでも、ベーグルを作る。
お絵描きでも、ベーグルを描く。
雪でもベーグルを作る。
丸い輪っかを見ると、「ベーグルみたい!美味しそう!」と叫ぶ。
「ベーグルって美味しいよねぇ・・・。」
「ベーグル食べたいなぁ・・・!」
・・・もう、作るしかない。
そう決意し、いつもベーグルを作ってくれている友人が遊びに来てくれるタイミングで、ベーグルの作り方を教わることにした。
とにかく、パン焼き機の操作でさえ、私の担当外である。(パン焼き機は、夫の担当。)
二男が産まれる前に行ったパン教室以来、軽く8年は経っている。
そんな私にパンが焼けるのか。
いや、ベーグルは、焼かないパン。茹でるのだった。最後には焼くけれど、それは15分程度だという。
友人は、超初心者の私に丁寧に教えてくれ、末娘も一緒に粉を捏ねたり、生地を形成したりと、とても楽しそうだった。
友人がいつも参考にしていると教えてくれたレシピはこちら。
発酵させる時間もそう長くなくて良いとのこと。出来上がりが待ち遠しい子どもたちがいる環境には、嬉しいレシピだと思う。
そして、今は、ドライイーストのように使える天然酵母というものがあり、なんともなんとも便利な時代である。
友人のベーグル作りは手慣れていて、生地を捏ねていくと、バラバラだった生地が少しずつまとまり、最後には、つるん、ぴかぴかと、可愛らしい様子になった。
この様子・・・何かに似ている・・・?
あぁ、娘だ。娘に似ている。
真剣に生地を形成する末娘のつるつるぴかぴかの頬とベーグル生地を交互に見比べた。
生地を伸ばして、棒状にし、輪っかにしながらも、「美味しそう~!」「早く食べたい!」と、焼く前から食べてしまいそうな様子である。本当にベーグルが好きなのだな、と感心してしまう。
丸く形成された生地が並ぶと、たくさんの惑星が集まっているようにも見えてくる。
四角い食パンも美味しそうだが、まるいベーグルをみると、ついつい手にとってしまうのは、末娘がベーグル好きだというだけではないのかもしれない。
まる、という形は人を安心させるような気がする。丸は角がなく、やわらかい印象やあたたかい印象を人に与える形だと言われている。
アンパンマンもドラえもんも丸顔だ。
そして、私は、「とりあえず、危害は加えないであろう」と思ってもらえるのか、よく道を尋ねられる丸顔である。
丸顔の母と、つるつるぴかぴかほっぺの娘で、これから何回ベーグルを焼くことになるのだろう。
見ているだけでほんわかする、たくさんのまんまるを一緒に作るのが楽しみだ。
学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!