漫画みたいな毎日。「デザートは、なあに?」
「今日のデザートは、なあに?」
末娘は、デザートが好きだ。食事も半ばになると、必ず尋ねる。「デザートが大好き」という、あたかも典型的な果物、甘いもの大好き女子である。
「デザート」という言葉には、不思議な魅力があると思う。
ご飯の様に、それだけで、お腹を満たすものではない。デザートビュッフェなどもあるが、甘いものだけを食べ続けることは、私には困難だ。サンドイッチなり、甘くないものを探してしまう。お煎餅があればいいのに!と思ったことも何度もある。
しかし、デザートがあることによって、デザートの前に食べた物への満足度がさらに上がる気がするのだ。
デザートってそもそも、どういう意味だろう、とつい調べてしまう。
では、よく耳にする、〈スイーツ〉と〈ドルチェ〉はどう違うのだろう?
デザートは、ちょっと贅沢だ。
もしも、デザートが無かったとしても、食事は成り立つ。
でも、デザートがない食事は、なんとなく寂しい。
デザートを食べると、心も身体も満たされた感覚になる。
デザートの存在が、食べることの楽しさを、さらに増してくれていると思うのだ。
我が家のデザートの多くは、その季節の旬の果物だ。北海道では、この時期に旬の果物というものは、見当たらない。青森の貯蔵林檎を購入したり、西の方から、柑橘を取り寄せることも多い。
端境期で季節の果物が手に入らない時には、手元にある材料で何か作ることにしている。
今日は、二男と末娘のリクエストの豆乳プリンを作った。
卵を使わず、オーブンも使わない。お鍋ひとつ作ることができる、このプリンが、私も大好きだ。本日のフレーバーは、バニラと、大麦若葉だ。
大麦若葉は、文字通り大麦の葉の粉末だ。市販の青汁の原料にも使われることが多い。蓬のような、抹茶のような風味で、我が家の子どもたちには、人気がある。プリンにも、マフィンにも、パンケーキ生地に混ぜ込んでも美味しい。ノンカフェインであることも、子どもたちのおやつや、デザートに使いやすい点だ。
時々、果物を切らしていて、かつ、デザートを作る時間がないことがある。
そんな時、末娘に何度も、「今日のデザートは?」と聞かれ、「また、デザート、デザートって言って!」と何故か、腹が立つことがある。
どうしてだろう?と考えてみると、私は、末娘の発言に腹を立てていたのではなく、デザートを楽しみにしている末娘の気持ちを満たせなかった自分に苛立ち、デザートを用意できていないことを、責められた気にさえなっていたのだと思う。
私の思考の癖なのだ。
そんなことで怒られて、末娘には迷惑極まりないことだ。それなのに、末娘は、無いなら無いで、「じゃ、明日は作ってね~♪」と寛容に受け止めてくれている。末娘よ、ごめん。そして、ありがとう。
デザートは、その時々の食を、最後にうまくまとめ、すべてをしあわせに包み込む。
美味しいは、しあわせだ。
終わりよければ全てよし。
その日の食事をしあわせに包み込みたくて、
私は、今日もデザートに心を砕くのだ。
学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!