学校に行かない選択。「どんなことも、いつまでも続かない。」
長男のズボンの膝に穴が開いた。
「穴、開いたから、継ぎ当てしておいてくれる。」と、普通にいうのだけれど。長男12歳。いいのか?母の継ぎ当てで?!と、心の中で思います。
でも、「お母さんの継ぎ当てなんてしたスボンなんて、こっ恥ずかしくて、履けるか!」とか言われるまで、繕っていたらいいのだと思っています。20歳とかまで、続かないはずなので。もし、続いたら、流石に断ろう。もしくは、オシャレでこっ恥ずかしくない継ぎ当てなるものを、考案しておけばいいのだろうか。いや、きっと、来年の今頃には、もう、穴が開いたままのがマシ。くらいなことになっているのだろうと思います。
今日の夕方は、「生存確認」という名の学校に行って、先生と近況をお話する日です。
だいたい月に2回程度、そのような日があるのですが、この所、二男と末娘が次々に風邪をひき、発熱したり、咳をしたりしたので、万が一、ということも考慮し、学校への訪問は控えていました。
そういう流れもあり、今日は、随分と間が空き、久々に学校に行くのです。
しかし、長男は、「え~!自分の予定をその為に早く切り上げたくない。面倒くさい。行きたくない。」と文句オンパレード。
気持ちはわかります。しかし、こればっかりは、仕方ない。
早く切り上げるといっても、15分程。でも、子どもたちにとっては、「自分のやりたくもないことに、15分も早く切り上げるのか!」と思うことも、また、仕方ない。たった15分、というのは、大人の感覚であり、子どもたちにとっては、そうでないことも多々あると思います。
「気持ちは、わかるよ。お母さんだって、行かないで済めばその方がいいんだけど。でも、今の日本の状況として、普段、学校に行かないっていうことは、月2回くらいは、先生に会って、元気だって確認してもらわなくちゃならないんだよね。月に2回行くだけで、先生たちに安心してもらえて、あとは、学校に来てくださいとか、しつこく言われることもなくて、自分たちの毎日の暮らしが自分たちでしたいようにできるんだよね。面倒に思わないことはないけど、その2回で済むならいいかなと、お母さんは思うんだけどね~。」
長男は黙って聞いています。
「先生たちもさ、私達が行かないと、教育委員会とか、もっと上の組織の人から、いろいろ言われて、多分、学校で、ただでさえ大変なことが沢山あるのに、もっと大変さを増やしちゃうと思うんだよね。私達の好きで学校に行かない選択をしているだけなのに、それによって先生たちが、大変な目に合う可能性があるんだったら、できる限り、そこは避けてもいいんじゃないかと思うんだけど。お互いに、できるだけ、気持ちよく過ごせた方がいいと思うんだけどな。その方が、自分がやりたいことが気持ちよく、できるじゃない。」
「これって、誰が悪いとかでもなくて、今のシステムがそうだっていうことだけなんだよね。本当はシステムが変わればいいけど、すぐにはきっと難しいよね。でもさ、これも、ずっとは続かないんだよね~。だって、義務教育はあと中学三年間でしょ。それ以降は、学校に行こうと、行くまいと、誰も何にも言わないんだもんねぇ~。」
長男は引き続き、黙って聞いていました。
話を一通りをすると、長男が、「じゃ、4時半ならいいよ。」というので、私は、「4時45分でいいよ。」と、ちょっと遅めにし、長男ができるだけ納得できる、折り合いのつけられる時間に、学校で待ち合わせすることになりました。
陽が落ちるのが早くなり、帰りは暗く、そして寒くなるでしょう。しかも、今日は、台風の影響で雨の可能性が高いです。
でも、それも、「あぁ、もうこの時期は暗くて寒くなる時間なんだ」と皆で味わえばいいと思います。それに付き合うことになる二男と末娘には、なんだか申し訳ないのですが・・・。長男が、それを不快だと感じるなら、次回はもっと早い時間に行くと言うかもしれない。言わないかもしれないけど。
なんにしても、この状況もずっとは続かない。
どんな状況もずっとは続かない。
そう思うと、深刻になっても仕方ないなぁと思ったりします。真剣に考えはするけど、深刻にはならないようにしたい。
同じ様に見えても、まったく違う日々が明日も待っているのです。
完成した継ぎ当てしたズボンを、長男に手渡したら、
「あ、可愛い。ありがと!」
ツンデレ長男のこんな反応も、ずっと続かない。
どんなことも、十分に味わっておこう。