学校に行かないという選択。「〈わかんない!なんでそうなるの?〉という、子どもたちが大人を育てる。」
長男が、自分で算数に取り組んでます。
私は、自分の人生において、算数さんと数学さんとも、もう関わりたくないと思っております・・・。・・・苦手意識しかないです。
しかし!!!
長男は、小学校常用漢字を3ヶ月ほどで習得した時にもみせた謎の根性を発揮し、
数ヶ月で小学校6年間の算数を終える計画を自分で立て、
現在、まもなく5年生の算数を終えるところに差し掛かっています。
算数・・・お願いだから、お母さんにきかないで。
と、いうことで、夫が主に算数の担当をしてくれています。
本当は、学びに関して、「教える」というスタンス自体がどうなのだろう?と思っているのですが、長男が「教えて欲しい」というので、教えざるを得ない状況になっています。
理系工学部出身の文系である鍼灸師の夫。
長男の「なんで、そうなるの?わからない!」に、相当に頭を悩ませていました。
小学生の算数では、まだ数式などは使わないので、数式をつかっての説明は成り立ちません。
割合などを、どうしてそう計算するのか、理論で納得させるのに夫も頭脳フル回転です。
長男は、とにかく、「わかるように教えてくれ!」という。
そりゃ、そうですよね。教わる側にしたら、「自分に理解できるように教えてよ!」と思うのは当然です。
私が子どもの頃は、「先生の話が理解できないのは、自分の理解力が足りないから」と思って、算数も数学もわからないままになっていったのだなぁ・・・と長男の執拗とも思える「わかるように教えろコール」を見ていると思えてきます。
もっと「聞き分けの悪い生徒」が居たほうが、実は、先生や学校の為になるのでは?!
そんな風に思えてきました。
・・・授業は全く進まなくなる可能性が高いですが。
・・・大人力が試されます。
子どもたちが「本当にわかった」と思えるように教えるのは、相当な柔軟さが求められます。
大人としては、かなりキツイです。
「もう、これで、わかったと言ってくれ!」と、夫も何度も思ったと思います。
しかし、長男は、決してそうは言わないのです。
「ここ、わかんない。わかるように教えて。」
親力、いえ、大人力、人間力が試されるのです・・・・。
でも、こういう子どもに、大人は育てられるのだなぁ、とも思えるのです。
そして、「こういうものだから」と自分が納得してきた事柄に、もう一度、
「本当にそうだったかな?もっと違うやり方もあったのかもしれないよね?」と大人の方が考え直す機会を与えられているのだと思います。
大変だけど、貴重な機会だと思います。
担当しているのは、夫ですが。
夫よ、ありがとう。
こんな生徒が、各クラスに一人いたら、
「わかんないけど、わかんないっていったら、先生に悪いのかな。」とか、
「わかんないって言うのは恥ずかしい。」とか、
「わからない自分が悪いのかな。」とか、
そんな風に思っている子どもたちの不安や、心配も少し解消されるのかもしれません。
長男の「これ、わかんない。わかるように教えて!」に、やれやれと思いながらも、
〈こどもたちが、心底、「わかった!」と感じた時の清々しい顔が見られるならやってみるしかないよね!〉と、大人が自らの柔軟さを取り戻したときに、まなびとは、形を変えていくかもしれないと思うのです。
そんな、清々しい顔を見るために、今日も頭を柔らかく、悩ませていこう。