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学校に行かないという選択。「併願・すべり止め受験はどうしますか?」
このところ、バスケ観戦や旅に出ており、なんだかんだと遊んでばかりいて、ゆっくりと文章を書くことができなかった。これは、自分への言い訳だけど。
色々な事柄が、次々と起こるので、しかもそれは物凄いスピードで、それに対応することに精一杯で、気が付くと10月は瞬く間に終わり、11月も終わり12月になっていたではないか!
遊ぶのは、大人になってからも、やっぱり楽しいもので、ワクワクしたり、ドキドキしたりは、とても大切なのだと再認識している。
余談だけれど、友人が教えてくれたオススメYOUTUBEによると、「早寝早起き(十分な睡眠)」「笑うこと」「恋をすること(推し活やワウワクドキすること)」は、がん細胞が嫌うことなのだそうだ。
「旦那さんに再び恋をするのもアリ!」と添えられていて、なるほどね!と思ったけれど、夫婦の形は年を重ねる毎に変わっていくからなぁ。夫との歴史を振り返り、出逢った頃のドキドキを思い出したら、なんとなく恥ずかしくなった。
友人に、バスケ選手の推し活してるよ、知らないうちにどれもコンプリートしていたよ、と連絡すると笑って喜んでくれた。
こんなにも遊んでばかりいるが、我が家には正真正銘の受験生がいる。来年2月には高校受験を控えている。
私の過去の記事を読んでくださっている方はご存知かもしれないが、長男は小学校に三日間通い、「学校にはやりたい勉強の仕方がない。」と言って、それ以来、小学校6年間は学校に行っていない。
中学校にも入学してから、月に1回の面談と、時々「タダで試験の練習ができるから」という理由で定期テストを受ける為だけに登校することもある。
まぁ、一般的に言われるところの「不登校」だ。何度も書かせていただいているが、「不登校」も本当にそれぞれで、きっと一人として同じ理由や形ではないのだろうと思っている。
彼は、やりたいことしかやらない。一方で、自分で決めたことは、やり続けることができる。
自分の将来や、やりたいことに関わる「やりたくないこと」は、「必要だから、まぁ、仕方ないよね。」と誰に言われることもなく、自らやっている。
私も、夫も、「〇〇しなさい」とか「勉強しなさい」と言ったことはない。「これ、やっておいたら便利かもねぇ」とか自分の経験を踏まえていうことあっても、やるか・やらないかを決めるのは長男自身なので、それ以上何かをいう必要もないと思っている。そもそも、言ったところで言うことをきくはずもないのだけれど。
10月に長男と修学旅行のような旅をした。
三泊四日、大阪の旅。食べて遊んで、喋って、食べて。とにかくよく遊んだ。赤ちゃんだった彼とこんな旅ができる日がくるとは。第一子の子育てにそれなりに必死だっただろう自分に教えてあげたい。「ご褒美みたいな時間が待ってるよ。15年後くらいにね~!」って、先が長過ぎるか。
受験生だということを私がすっかり忘れていて、旅行後もつい来年も旅に行きたいね!と誘ってしまい、「流石に来年は、受験が終わってからかな~。」と言われる始末。「3日遊んだくらいで不合格になるなら、それは遊んだせいじゃないでしょ。」と、自分はとても真面目な受験生だったことを忘れ、そんなことを子どもに言っているという無責任な大人になってしまった。ごめんよ、長男。
しかし、こんなのんびりモードの我が家とは違って、中学校は受験モードだ。「進路調査書」を何度も提出し、進路決定の為の三者面談もある。我が家も例に漏れず、三者面談があった。毎月1回は三者面談をしているのだが・・・。
長男が進学先として希望している学校は、本州の公立高校で、自然環境のことを学べる学科のある高校だ。幸運なことに、その学科では、「内申点」と言われる評価が入学試験には影響せず、試験の点数と面接で合否判定がされる。筋金入りの不登校である長男には、どこからどこまでぴったりフィット。ありがたいことこの上ない。
もちろん、その学校が第一志望。第一志望候補は、他にもあったのだが、本州を通り越し、さらに遠い島だったので、見学に行くことが叶わなかった。第一志望に選んだ高校は、昨年、オープンスクールに参加し、本人も学校の雰囲気を感じて選択肢に入れていた。
「すべり止めってどうしますか?」
進路についての三者面談以外の面談時に、担任の先生から、何度か言われていた。
通信制高校でも、私立でも、どこかすべり止めの学校を受験した方がいいのではないか、と。先生のおっしゃることも理解できる。
北海道・本州を含め、長男が興味を持つような私立高校や通信制高校を探してみたものの、どうもピンと来ない。長男も自分で調べたが、行きたい高校はなかったようだった。
そして、ふと思う。
もし、一番行きたいと希望している公立高校に落ちたら、彼は私立高校に行くのだろうか?自分のやりたいことのない学校へ3年間通う姿がまったく想像できない。
「あのさ、もし、もしもだよ?公立に落ちたら私立に行くつもりはあるの?」
私は長男に聞いてみた。
「私立で行きたい学校ないからなぁ。公立の試験の練習に私立の試験受けてもいいんだけど。でも、試験勉強の範囲が変わるなら、時間の無駄だよね。」
ごもっとも。
「だったら私立の受験する必要なくない?行かないのに受けても意味ないよね?もし、公立の高校に落ちたら、また来年受ければいいんじゃない?」
大学受験に浪人があるように、高校受験に浪人があってもいいはずだよね?もし落ちても一年好きなことしたらいいよね?バイトしたり、旅したり。あ、ダメなのか?浪人生は勉強しないと・・・。いや、別にいいよね。うん。
自分を振り返ると、公立高校の他に私立併願推薦受験をして滑り止めを確保した。
今思えば、それは、自分・親・学校の「安心の為」であって、その学校に行きたかったからではなかった。でも、じゃあ、公立高校にものすごくやりたいことがあったのか?と聞かれたら、そうではなかった。
とりあえず、そこそこの偏差値の学校に行き、親や先生、そして自分を納得させようとしていたのだと思う。浪人してまで行きたい学校もやりたいこともなかったし、そもそもそんな選択肢など思い付く事もなかった。だから、「この高校に行きたい」と言える長男が羨ましい。
「そんな選択肢もアリなの?」
私の提案を聞いた長男は、少し意外そうに言った。
「大学受験に浪人があるんだから、高校受験に浪人があっても問題ないでしょう?ただ、その数は少ないんだろうし、あんまりそういうケースを聞かないから、みんな高校は何処かしら行かなきゃならないと思ってるんだろうねぇ。中学校も、みんなどこかしらの高校に行って欲しいと思ってるだろうし。親だってそれを心配したり不安に思うんじゃないかな、多分。」
大人だけじゃなく、子どもたちも、もし行く高校がなければ、居場所を失ったように感じて苦しくなるケースも多いのかもしれない。
中学校の進路調査面談の日が再びやってきた。
進路調査書には、受験の第一希望から、ずらっと希望校を書く欄がある。
長男が提出した進路調査書には、第一志望校だけが書かれている。
「どうですかね?すべり止めの私立とか、通信制高校とか。」
「長男とも話し合ったのですが、もし、公立高校に落ちて、私立に受かっていたとしたら、その学校に行くのかどうかと。彼のやりたいことがない高校にいく意味がないんじゃないかという結論に達しました。もし、公立高校に落ちたとしても、その高校にどうしても行きたいのであれば、次年度に受験すればいいと思うので。」
この話をする以前にも、私立や通信制高校に候補が見つからないという話を先生にも伝えていたので、先生も然程驚くことはなかった。私立の受験によって試験勉強が分散するのもどうなのでしょうね、ということも前もって伝えていた。
「Kさんの場合、道外の受験で、丁度、道内の私立の受験とも被る可能性もあるので、その方がいいのかもしれませんね。では、公立一本で!」
もし、今年度の試験に受からなかった場合は、来年度の受験時も中学から願書を提出してもらうことになるのだと思うので、その点も受験校に念の為、確認していただくようにお願いした。
公立一本。
なんだかスッキリした。笑
担任の先生と話をしていると、生徒たちが高校を選ぶ理由は、殆どの場合、明確ではないらしい。自分もそうだったけれど、偏差値で行ける高校を選ぶ、通いやすさで選ぶ、友達が行くから選ぶ、とりあえず、どこでもいいから高校に行くという観点で選ぶ、ということが大半だそうだ。そうだよね、選ぶ基準がなければ、そうやって何処かを選ぶのだろうなと話を聞いていた。
「高校は、勉強だけしにいくんじゃないんだから、学校の周りの環境とか、学校の雰囲気も大事だよとは、生徒に言うんですけど、あまり色々言うと、〈先生が言ってたから!〉って言われてもアレなんで・・・。」
先生のその言葉に反射的に、「え?!それ、言ったほうがいいですよ!」と突っ込んでしまった。
余計なお世話かもしれないけれど、学校は勉強だけしに行く所ではないと思う。校風とか、そういったものを自分の目で、肌で、確かめたらいいと思う。それをしないで、偏差値や近さや、友達の存在、それも大事かもしれないけれど、それだけでは何か違和感がある気がした。
大人として、ちょっとだけ子どもたちの先を生きている人間として、選択のヒントをさり気なく提示することは、子どもの選択を邪魔することにはならいないと思う。
〈先生がそう言ってた〉
もし、子どもたちが、親にそう言ったとして、何の問題があるんだろう。
「私は、そう思います。でも、決めるのは子ども自身です。」
胸を張り、そう答えてもいいはずだ。
安心と進学率のためだけのすべり止め受験・併願受験でなはなく、〈自分で選ぶ〉その為の、選択肢のひとつとなりますように。
ということで、長男は公立一本。もし落ちたら高校浪人。浪人もちょっと楽しそうだと思ってしまうけど、時間は有限だから、彼の進みたい方向へとしっかり導かれますように。
子どもたちの選択が、未来のワクワクに繋がりますように。
ヘッダーは、みんなのフォトギャラリー・考える兎さんのイラストをお借りしました。ありがとうございました!
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