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描いて癒やされる、見て心が和む。イラストレーターTamyさんが描く、街に散らばった魅力たち【#住んだら手帳 note便り インタビュー②】

こんにちは、「#住んだら手帳」 編集部です。

中学生のとき、クラスの集合写真を見て「私って意外と背が高い?」と思ったことがあります。

個性や特長は、外側から俯瞰してみて初めて気付くことも多いもの。

イラストマップはまさに外側から街全体を描き、その場で歩くだけでは気が付けないような街の魅力も拾い集めてくれます。そうして出来上がったイラストマップを見た時に、「この街、住んでみたい!」「私が住んでいる街、こんなに楽しいんだ」と、見る人の心を和ませてくれるのです。

そんなイラストマップを#住んだら手帳の投稿の当初から描き続けているのが、イラストレーターのTamyさん。「私の作品を見てくれる人が幸せになったら、私も嬉しい」という想いを持って制作を続けています。

今回はそんなTamyさんに、#住んだら手帳のイラストを通して届けたいことや、描き続けることへの想いについて語っていただきました。


記事へのスキで、「あなたにおすすめの街」を紹介中。ぜひスキを押してみてください!

▼ #住んだら手帳の取り組みについては、下記をぜひご覧ください。


どんな街にもある「わくわくすること」を、イラストから発見してほしい

「もともとイラストマップを描いてみたかったので、#住んだら手帳のご依頼も嬉しかったです」と話すTamyさん

――4年もの間、#住んだら手帳を担当してくださっているTamyさん。どんなところが#住んだら手帳の魅力だと思いますか?

パッと視覚的に情報が入ってくるところです。駅名やどんなお店あるのかがすぐに分かりますよね。それでよく見てみると説明文があって、読み物としても面白くて。一度で二度楽しめます。

#住んだら手帳は編集部の方との共同作業なので、毎回発見があって楽しいです。いつも私が好きな街を割り振ってくださっているんじゃないかと思っちゃいます。

――そこに気が付いてくださって嬉しいです。実際、イラストレーターさんに合わせてテーマや街なども選んでいることが多いです!

やっぱり! 私の描く街には、神社仏閣とかがある街を選んでいただいていますよね。嬉しいです。

▼Tamyさんにご担当いただいた『歴史に触れられる街』をテーマにした「高幡不動」のイラストマップ

illustrations by Tamy(@tamytamy2015)

『歴史に触れられる街』をテーマにしたイラストマップには、高幡不動尊金剛寺や浅草寺、阿佐ヶ谷神明宮など神社仏閣が多く登場しています。温かみのあるTamyさんのイラストが、歴史を感じられる街の雰囲気にマッチしていますね。

――Tamyさんは、現在お住まいの街は気に入ってらっしゃいますか?

今の家は夫の祖父の代から住んでいたところで、正直当初は何も考えずに住んでいました。

でもこの家はお寺の参道にあって、ある朝ごみ捨てに行ったら、すごくいい気が流れてくるのを感じました。朝のごみ捨てってそれまで億劫に感じていたんですけど、気持ちいいなと思えるようになって。それからは、ここにずっと住もうと思っていますね。

――実際に住んでみて、自分だけの好きなところを見つけられたんですね。

はい。#住んだら手帳の読者の方にも、ご自身が住んでいる街を振り返って、素敵なところだと気が付いてもらえたら嬉しいです。

私自身、住んでいる街はなんの特徴もないと思っていました。でもよく見てると実は素敵なところがたくさんあるって、#住んだら手帳のいろいろな街のマップを見て気が付いたんです。

いつもは素通りしていた喫茶店でも、SNSで紹介されているのを見たら、どうやらナポリタンがおいしいらしいぞ、とか。読者の方にも、ご自身が住んでいる街を振り返って、素敵なところだと気が付いてもらえたら嬉しいです。

そうやって、見てくださる方の心が和むようなイラストを描きたいと思っています。

10年間「絵日記」を描いてきた軌跡

水彩画用の画材や細かい部分を塗る筆など、用途に合わせて使い分けているそう

――では次に、Tamyさんが長年愛用していらっしゃるものについて聞かせてください。どういった道具が好きですか?

私はもともと、エイジングする革が好きですね。今日履いてきた靴も、実は高校生の時にお年玉で買ったビルケンシュトックなんですよ!

――え、すごいです! 物持ちがいいですね。

そうなんです。1つのものを育てるっていうのがずっと好きで。

革の手帳も、いつか使ってみたいと思っていました。そのなかでもトラベラーズノートは、リフィルの多さが面白いと思います。カスタマイズして育てていくのが楽しくて、ずっと使っています。

――こういった文具は、普段から持ち歩いているんですか?

手帳一冊にクラフト紙を挟んで、ペンを一本入れて持ち歩きますね。カフェなどで描いています。

手帳を持っていれば、どこでもなんでも描けますね。ノートとペンさえあれば、私は豊かです

――普段の街歩きでも、描くことを考えていらっしゃるのでしょうか?

私にとって、歩くところ全てがモチーフです。今日食べたランチプレートは色の三原色が入っていてとても絵になるなとか、街歩きしながらあれも描きたいなとか考えています。

その後の描く工程は、もう暗号化なんです。文字もすべて暗号みたいにバーッと見て、ひたすら手を動かします。だから文字を文字として認識していなくて、誤字も多いのですが(笑)

――すごい、まさにプロです。Tamyさんはいろいろな描き方を考えていらっしゃいますよね。

図鑑みたいに並べて描くとか、建物は正面から描くとか、10年やってみて自分の得意分野が出来てきました。

これが私の絵日記のスタイルです。こうやってずっと描き続けてきたので、一冊描き上げるとものすごく達成感があります。

――レイアウトはどうやって決めているんですか?

あらかじめ、描くモチーフを多めに用意しておきます。あとは、端っこから入れるものを決めていって、真ん中のあたりは調整していくだけなんです。最近は迷いなくできるようになりました。

――私がよく帰省するときに新幹線で食べるお弁当も描いてあります! やっぱり、自分が食べたものがイラストになっているのを見ると、嬉しいですね。

#住んだら手帳でも、取り上げたエリアに住んでいる人からのコメントがあったりします。「描いてくれてありがとうございます」って言ってくださると、嬉しいですね。

実は最初の頃はあまり自信がなかったんですけど、最近は意識的にはっきりと、ポップな感じで描くようにしています。

るとが2021年、右が最近のイラスト。レイアウトや色遣いの変化にTamyさんらしさが感じられます

――本当だ、確かに印象が違いますね。今までたくさん描いてきたなかで、印象的だったことはありますか?

何を描くにしても、その場にいた人たちの顔を思い出します。見ている人からしたらただのケーキかもしれませんが、描いている間に一緒に食べた人の顔とか、お店の雰囲気とか、そういうものが全部思い浮かびます。

――#住んだら手帳に出てきたお店だといかがでしょうか?

#住んだら手帳では逆に、描いた後にお店に行って、「ああ私これ描いたわ」って発見するのが楽しいですね。それがやっぱり自分一人ではなく、CHINTAIさんが考えて提案してくださるスポットを描く面白さだと思っています。

描くことで心が落ち着いて、自分を取り戻せるような気がした

お気に入りの文具に囲まれながら話してくださったTamyさん。イラストを描くことはTamyさんにとって、どのような存在だったのでしょうか?

――Tamyさんにとって、「イラストを描く」というのはどういうことなのでしょうか?

描いている間は、どんなに忙しくても自分を取り戻せるような気がします

幼い頃からずっと描くことが好きなのですが、子育てを始めて、絵を描くことをやめていた時期が長かったんです。

そんな大変だったときに、ある日主人がケーキを買ってきてくれました。そのケーキを描いてみたらすごく心が落ち着いて。あの時描いていた時間は、自分自身を取り戻せる感覚になりました。

――とても素敵なお話ですね。

すごく幸せな気持ちになったので、なんとなくインスタグラムにあげてみたんです。最初は2、3個くらいだった「いいね」が、ケーキをあげて100個くらいつきました。

続けてみたらもっとたくさんの方に見ていただけるようになり、すごく嬉しかったです。そのうち連載のお声がけもいただいて、当時2歳だった子どもを打ち合わせに連れて行った……っていうのがイラストのお仕事を始めた時です。

――個人での投稿も継続してたくさんしていらっしゃいますが、記録することがお好きなんでしょうか?

小さい頃から、「50年先も残る作品を描きたい」っていう想いがあったんです。例えば私がいなくなった後でも、子どもや孫が見て楽しめるとか。ルポみたいな、ありのままのものを描きたいという気持ちがありますね。

――そうだったんですね。お仕事も多いなかで、ご趣味の絵日記もかなり頻繁に更新されていたので、気になっていたんです。

私にとって絵日記を描くことはライフワークになっています。

描くことで私自身がすごく癒やされますし、私の作品を見た方に癒やされると言っていただくと、もっと嬉しくなります。人にそんな気持ちになってもらえるものをもっと発信したくなるんです。いいねなどの反応をもらえることも、とても嬉しいです。

今日こそ語りたい! 実はお気に入りのスポットたち

いつもは編集部が依頼する街のイラストマップを描いてくださっているTamyさんですが、Tamyさんご自身の好きなスポットについてお伺いする機会はほとんどありませんでした。
そこで今回は、 他のイラストレーターさんが手がけた投稿も見てくださっているTamyさんに、これまで#住んだら手帳に登場したなかで、特にお気に入りのスポットをご紹介いただきました。

・Tamyさんの今まさに行きたい飲食店3選

▼蔵前のチョコレート専門店
「ダンデライオンチョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」

蔵前は神社仏閣もありますし、職人の街なので、歩くたびに発見があります。ダンデライオンチョコレートさんには実際に私も行ったことがあるんですが、味はもちろん、2階から見える公園の景色も楽しめる素敵な場所です。

illustrations by Tamy(@tamytamy2015)

▼浅草の歴史ある洋食店「ヨシカミ」
浅草は大きな観光地として有名ですが、こういう昔ながらの洋食屋さんもとても素敵なんです。職人の方々が働いていらっしゃったり、浅草寺もあったりと本当にいいところです。

illustrations by Tamy(@tamytamy2015)

▼大塚のおにぎり専門店「ぼんご」
おふみさんが描いていらっしゃったおにぎりが、とてもおいしそうで……。でも、すごく並ぶと聞きました。今、一番行きたいおにぎり屋さんかもしれません。

illustrations by おふみ(@ofumi_3)

・Tamyさんのお気に入りの神社仏閣3選

▼調布の「深大寺」
#住んだら手帳で調布のイラスト描いたときに教えていただいて以来、毎年行っています。空気がいいので、お水やお蕎麦もおいしいです。近くに公園や植物園もあって、行くだけで癒やさます。

illustrations by Tamy(@tamytamy2015)

▼鎌倉の「鶴岡八幡宮」
八幡の神様は私の生まれの九州にたくさんいらっしゃるので、縁を感じて選びました。実は、大分にある総本山で御朱印をもらってSNSにあげようと思ったのが、インスタグラムを始めたきっかけです。

illustrations by Tamy(@tamytamy2015)

▼江の島の「江島神社」
江の島には行ったことがないんですけど、ここには弁天様がいるのでいつか行きたいなと思っている場所です。イラストも、鴨志田和泉さんがかわいく仕上げていらっしゃいます。

illustrations by 食べ物アート作家 鴨志田和泉(@izumi_chuchu)

普段から#住んだら手帳を読者としても楽しんでくださっているTamyさん。いろいろな街を選んでくださっているのも、Tamyさんらしさを感じます。
さまざまな街の「住んだら」行きたいスポットから、あなただけのお気に入りを見つけるのも、#住んだら手帳ならではの楽しみ方です。

この先もイラストを見てくれる人のことを想って

「私のイラストで、見てくださる人の心が和むと嬉しい」と語るTamyさん

常にイラストの向こう側にいる"誰か"のために、作品をつくっているTamyさん。大好きな「描くこと」で、#住んだら手帳の読者にもわくわくする気持ちを届けてくれています。

そんな穏やかな人柄のTamyさんが、今回のインタビューで編集部のメンバーに素敵なプレゼントをご用意してくださいました。

何か新しいことを始めたいからと、最近銅版画教室に通い出したのだとか

編集部がいただいたのは、一番左のザクロが入ったデザイン。
「送った人に幸せが訪れるように」との想いより、開運の果物のザクロをモチーフにされたそう。


まだ自分の住んでいる街になじめていない人や、街の良さをこれから見つけていきたい人、もっと深く知りたい人……さまざまな悩みや不安を抱える人もいるかもしれません。

どんな街にもきっと、「住んだら分かる良さ」が眠っているはず。

Tamyさんのイラストマップには、そんな街に眠る魅力を伝えたいという想いが詰まっています。
#住んだら手帳に載っているイラストたちから、あなただけの「わくわくする暮らし方」が見つけられるかもしれません。

▼Tamyさん作『街歩きが楽しめる街』雑司が谷のイラストマップはこちらから!

illustrations by Tamy(@tamytamy2015)

記事へのスキで、「あなたにおすすめの街」を紹介中。ぜひスキを押してみてくださいね!

*この投稿は2025年2月5日時点での情報をもとに作成しております

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