月と日の后 冲方丁 読書感想
藤原彰子 政治の道具として12歳で一条天皇に嫁いだ少女
笛を吹く一条天皇の姿にうまく話すことも出来なかった少女が国母となり、大きく成長していく物語
嫁いだ時に一条天皇には定子という愛する后がいたために、自分はただの父親の政治的に利用されただけだと考えていた
しかし定子が死亡し、残された子どもを引き取って育てろと父親に命じられたときから変わっていく
この子を守らなければならない
そして一条天皇の力になりたいともなっていく
紫式部も出て来るけれど、それは道長と恋仲とかではなく、彰子自身が紫式部の才を認め、自ら学びを乞う
栄華を極めようとしている父親に対し、彰子は一条天皇の血を引く子供を守ろうと働きかける
女性が政治に口を出すのすら難しかった時代
自分の地位を築き、父親にすら毅然とした態度を取る女性へと成長していく物語
道長の強欲っぷりは最後まで変わらず結局ああいう幕引きで、
対して彰子が成すべきことをして穏やかに迎えの日が来るのが対象的だった