師走の運河から
仕事納めが過ぎて
会計事務所を営んでいる頃は、「12月」の声を聞いた瞬間からピンポンダッシュのように過ぎていく。
そんな日々を送っていた頃から比べれば、今は穏やかな日々、のはずなのに、やはり師走となれば、アッという間に時が過ぎてゆく。全く追いつく暇もなく、結局等しく年末を迎えて、いつも通りの朝の散歩をしていると、街の景色はちゃっかり変わっている。私が見られていなかっただけか。街の景色はちゃんと暦に追いついていた。運河にいつもは行き交う小さな船釣り船や監視船がたてる波が全く無い。
その問いかけは誰に?
気のせいか普段に比べてカモメも、サギも、ハトも、カラスさえも、ほとんど姿が見えない。帰省したの?
そんなふうに思っているとき、朝焼けの静かな水面に独り、か細い航跡を描く彼を見つけました。
しばらく眺めていましたが、エサとなる魚を探す様子もなく、進む、小さな波、作りながら。
「群れから離れて、独りで何処へ?」
そうつぶやきながら撮っていて、その問いかけは、彼ではなくて、自分へだったのか。
さて、帰ろう。でも、何処へ?
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