あー、もう分からーん!アルゼンチン経済
この記事は2020年9月17日に書いている。日付が大事。なぜかというと数日後にはまた違う状況になっているはずだから。昨日、今日はドル相場の変動が激しくテレビではずっとそのニュースをやっているので、たまには経済を話題にしてみようかと思う。あくまでも自分の周りの小さな経済圏の話。
アルゼンチンは経済破綻している国と言われる。今年9度目のデフォルトをして、ますます世界の中での立場は微妙だ。その辺を詳しく語れるほどの知識はないので、客観情報を記載する。GDPとかインフレ率、失業率などの数字は以下を参考に。(Trading Economics参照)
この国の経済は大統領が誰になるかによって、大きく変わるし、過去に経済危機によってお金を失った経験を持つアルゼンチン人は、銀行も自国通貨も信用していない。貯めるなら米ドルでタンス預金、まとまったお金は車や不動産を買って資産に変換してしまう。そんな風なのでアルゼンチンペソと米ドルの関係はとても大事な指標になる。
外国人にアパートを貸す大家はみんな価格をドル建てで設定し、ドルを現金で貰いたがる。価値がどんどん下がるアルゼンチンペソよりもドルを持ちたいのは当然だ。ここに住むということは、常に物価の値上がりとドル相場と付き合いながら生活するということだ。
変動が激しいドル相場がどのくらいかというと、このグラフみたいな感じで、今年に入ってから世界中の経済が問題を抱えているのを差し引いても、この上がり方は意味が分からない。(グラフは1年間表示)
両替実績を軽く抜粋してみると
2019年12月 100ドル 7300ペソ(昨年年末)
2020年3月 100ドル 7600ペソ(隔離政策直前)
2020年9月 100ドル 13700ペソ(本日)
今の政権下では換金レートは正規とBLUEと呼ばれる闇レートがあって、記載したのは闇レートの方。正規レートは現在7500ペソ程度。この差は外国人の私たちにとっては、クレジットカード払いよりも現金払いの方がお得という意味をもつ。
このドル高騰の間にもちろん物価も値上がりしているが、コロナの隔離政策下で法外な値上げを禁止する政府の抑制がふんわり機能している状況で、物の価値とお金の価値が、一時的におかしなことになっている。と思う。
日本のみなさんに、何を基準に価格感をお知らせすると分かりやすいかな?日本国内で同じもので価格比較してもらえる例を示してみる。計算が得意な方は計算してみてください。
スターバックスのコーヒー豆250グラムは630ペソ。本日のコーヒーは200ペソ。(ちなみにスタバは庶民には高いので、外国人客か現地でもスーツで働くような人々が行くような店)
マクドナルドでは、セットメニューが299ペソ。マックカフェ50ペソが比較対象になるかな。conoと呼ばれるソフトクリームも50ペソ。10ペソ以下だった3、4年前が懐かしい。
ワールドブランドのコカコーラ250mlは60ペソ。店舗形態で価格は違うし、エリアでも変わるけれど、この値段は下町エリアのスーパー価格。
ブエノスアイレスに来たことがある人には、これが一番価格感を知る指標になるのではないだろうか。カフェオレとクロワッサンのセットメニュー。もちろん場所によるけれど、今日歩いた感じだと大体130から170ペソくらい。
*上記は全て2020年9月17日の値段。
さてこの状況下、手元にドルがあってレートを見ながらお得に換金すると、なんなら去年よりも割安に生活できてしまう。しかしペソで収入を得る場合には結構深刻。値上がりする前に、腐らないものは買っておこうというモードになる。
最近、わたしが困ったのは仕事の値付けだ。レイキのクラスはほぼ日本人相手なので、最初からドル建て価格に設定しているが、レイキセッションはアルゼンチン人のお客様もいるのでそうはいかない。高すぎると誰も来ないことになってしまう。かと言って程よい値付けをしてみて、ふとドル換算で考えてしまうと、あまりに安すぎて気持ちの釣り合いがとれない。あー!もう分からん!となってしまうのはこんな場面。
いっそのこと1セッション、コーヒー豆何袋分とか、外食何回分みたいな考え方に切り替える方が、精神衛生上良さそうだ。