29日はニョッキの日
日本は29日はニクの日ですが、アルゼンチンはニョッキの日。
給料日前の家計が苦しくなってくる月末に、じゃが芋と粉で作れる経済的なメニューということで広まったとか、なんとか。
お皿の下に紙幣を置いて、来月の収入を願うという習わしもあるらしい。
ブエノスアイレスは、イタリア移民も多いので生パスタ専門店が至るところにあり、日本では馴染みのないような様々な種類のパスタやラビオリ、ニョッキが並ぶ。パスタソースやチーズも揃うので、今日はパスタという日は専門店に行きさえすれば、全て揃ってしまう。これ、日本にもあればよいのに、と思う業態だ。
そしてこの店頭に29日には『本日ニョッキの日』の看板があがる。↓「お忘れなく。今日は29日、ニョッキの日だよ」と書いてある。
さて、レストランでもパスタメニューは定番であるのだけど、ブエノスアイレスでパスタを頼むときは、ちょっと注意が必要。
まずは、メニューは麺とソースに分かれているので、自分でそれぞれを選ぶ必要がある。
ソースの2色、3色のせが出来る場合もあるので、いろいろ食べたい派には魅力的なのかもしれないが、わたしは一番美味しい組み合わせで提案してもらいたい派だから、毎回メニューを見ながらうんうん云うことになる。
それから、一般的にアルゼンチン人の茹でるパスタはとても柔らかいので、懐かしい給食みたいなパスタに出会ってしまう可能性も高い。経験的に、どんなメニューでもあるようなレストランは要注意。パスタを食べるならば、イタリア料理専門店か、評判のいいレストランへ行くのがおすすめ。
そんな中でも、不覚にもハマってしまったパスタがある。麺はぐたぐたに柔らかいのだけど、時々無性に食べたくなってしまう。わたしにとっては、他に代用のきかない、ここの、これ。
レストランPippo の vermicelli tuco y pesto.
パスタの中でも太めの、日本だとヴァーミセリと呼ばれる麺に、バジル、ニンニク、クルミの緑のソースと、野菜とひき肉のトマトソースの2色盛り。
Pippo はポルテーニョ(ブエノスアイレス出身者)なら誰でも知っている、1936年創業の老舗レストラン。昔から盛りが多くて安くて、幅広い層に愛されてきたという。
いまも、一皿食べきるとかなりの分量があるし、味が濃い。ここにたっぷりの粉チーズをかけて食べるのが大好き。
旅行中、アルゼンチン名物をひと通り食べ終えたならば、これもぜひ味わってほしい。ニンニクがかなり効いているので、ミロンガ前はおすすめしないけれどね。