1から設計した会社の休暇制度②『Bae優先休暇』〜それぞれの愛する人を大切にできる会社へ〜
前回書いた記事からしばらく開いてしまいましたが、今回も続けて会社でつくったこだわりの休暇を紹介したいと思います!
ちなみに前回の記事はSRHR休暇についてで、多くの方に読んでいただきました!なんと、採用候補者の方にも記事を読みましたと言われる機会が多く嬉しかったです。
今回はSRHR休暇と同じくらいオリジナリティのあるBae優先休暇について紹介します…!!
Bae(ベイ)とは…?
アメリカでは、彼氏や彼女を表すスラングとして使われることが多いかもしれません。しかし、Bae(before anyone else)は、決して”彼氏”や”彼女”にに限定しているわけではないので、使う人によってBaeの対象は異なってきます。PoliPoliでは、パートナー、ペット、子供なども幅広くBaeに含まれてきます。
Bae優先休暇の内容
以下の条件いずれかに該当する社員なら性別や年齢、家族構成を問わず取得が可能です。有給休暇制度 とは別に月1日有給の休暇を取得することが可能です。有給対象は1日/月ですが、取得条件を満たしている限り休暇を取得することができます。
【取得条件】
家族、それに準ずる人、ペット、そのほか愛する人・大切な何かが以下の状態であり、看護する・寄り添う必要があるとき。
負傷した
疾病にかかった(精神的なものも含む)
通院・入院の必要性がある
※出産前後の休暇は別途存在します。
創られたきっかけ
家族の多様化
人生の歩み方や家族の在り方が多様になった現代では、家族がいることや子供がいることが必ずしも、従業員の幸せとは限りません。そういう意味でも、Bae優先という言い回しは、「家族優先」「パートナー優先」など会社側が対象を限定することなく、休暇を使用するメンバーによって、その対象が決められる点がとても良いなと思っています。メンバーのそれぞれの幸せを考慮できる仕組みになっています。
近年、ペットを飼う方も増えており、それらに対応する福利厚生制度も増えてきました!ペットの存在も考慮した福利厚生の拡大を推し進めているPETSPOT incの調査によると、愛犬・愛猫が理由で休暇を取得することを上司に言いにくい人は80%、嘘をついて休暇を取得する人は70%もいるようです。
既存の休暇制度の課題
Bae優先休暇が設置される前までは、「子どもの看護休暇・介護休暇」(設置には法的義務がある)が試験的に導入されていました。当時、子育て中だった従業員は、私だけで、介護しているメンバーもいなかったため、私のみにこの休暇が付与されていました。しかし、ありがたい反面、自分だけが休暇をもらう後ろめたさや、子どもがいることで他の人と待遇の差が出てしまうことに葛藤も感じていました。(※休暇をとりにくい環境があったわけではないです!)
会社としては、一部の人間に手厚い福利厚生を渡すことは決して不公平だという認識はありませんでした。むしろ「ダウンサイドリスクをなくす」ことで公平性を担保しようとしていました。制度設計における公平性の考え方は下記記事でわかりやすく説明されています!
休暇を取りにくい雰囲気があったわけではないのですが、潜在的な壁みたいなものを感じていました。というのも、こういった福利厚生制度は、「ダウンサイドリスクのある人へのサポート」という認識が社内に浸透してしまい、子どもがいる人=ダウンサイドリスクがあるという認知だけが一人歩きしてしまう懸念がありました。このような認知が広まることで、考慮してもらえるようにはなりましたが、自他ともに子どもがいること自体へのマイナスイメージが付きまとい、結局、見えない線引きがあるように感じていました。
会社全体で当事者意識を持つ
前章で触れたように、子どもがいること=ダウンサイドリスクという構造をつくることは、ダウンサイドリスクがあるか、ないかのみで分けられてしまいます。
子どもや要介護者がいることだけを切り取って、ダウンサイドリスクに見立てるのではなく、みんなにもいる大切な人や家族と同じなんだと捉えてもらうことが大事だと思いました。それが親なのか、子どもなのか、パートナーなのか、ペットなのかは分かりませんが、従業員それぞれのBaeにも同じようなリスクがあることを共有し、万が一の場合には休めるという環境を作ることで「ダウンサイドリスクを回避する」という大多数にとってはどこか他人事の話から「従業員の愛する人や家族を大切にできる会社」という考え方に転換していきたいと思っています。このような考え方が浸透していけば、会社全体で休暇への理解が深まり、休暇を使用する文化が定着させられるのではないかと考えました。
使用状況
それでも、やはり子どもが風邪になる頻度は高いですし、大人とは異なり、付き添いは必要不可欠のため、子育てメンバーの使用が多い印象です。
ただ、それだけには限られなくなっており、必要に応じて「みんなの大切な人や家族」にも使われてきています。
今後の課題
今後、ますますメンバーが増えていったら、この制度が回るのかどうか、Baeの対象を抽象的のままにしてていいのかなど、また考え直す必要が出てくると思います。
組織の拡大に応じ、引き続き従業員が働きやすい環境を作っていきたいと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました
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