アーティストデートvol.1「カラフルな魔女」
お立ち寄りいただきありがとうございます。
HSS型HSPの心理カウンセラー・まつりです。
薬剤師を25年 心理カウンセラーを10年しています。
HSS型HSPの私が自己表現の壁を乗り越え自己実現(創作)するプロセスを記録しています。
キラキラした宝物がちりばめられているような映画でした。
魔女の宅急便の原作者
児童文学作家 角野栄子さんの
ドキュメンタリーです。
(ネタバレがあります。ご注意ください)
以前から、創作を生業としている高齢の女性は、いくつになっても快活でチャーミングな人が多いなぁと感じていましたが、角野栄子さんもまさにそんな女性。
世間一般の価値観とは距離を置き、自分軸で生きるとこんな風に老後を過ごせるのかな?と希望が湧いてきます。
★心地良さをギュッと集めた衣食住。
★日々のルーティンや時間の使い方。
★物語が出来上がる詳細なプロセス。
★創作のヒントを見つけるための工夫。
そして何よりも大切な家族や友達との絆。
どんな時も自分の感性が喜ぶことを優先させていることが画面を通して伝わってきます。
きっと時間をかけて自分にとっての正解(暮らし)を見つけてきたんだろうなぁ。
角野さんが執筆を始めたのは34歳の時。
大学の恩師から世界の子供に向けた本を執筆するように勧められたことがきっかけだとか。
最初は自分にそんな大それたことはできないと断ったそうですが、粘り強く説得されている内にある少年の姿が浮かびます。
角野さんは10歳で終戦を迎え、大学を卒業後、結婚されてご主人とブラジルに自費移民として渡ります。
2年間のブラジル生活で出会った近所に住む11歳の少年。
熱心にボルトガル語を教えてくれたその子との出会いが、角野さんを児童文学作家へと導くのです。
「彼との思い出」だったら私にも書けるかもしれない
そう思った角野さんは「ルイジンニョ少年」
と言う初の作品を書き上げました。
ほんの些細な出会いが人生を変えるきっかけになることって誰にでもあると思うのです。
人生の師と仰ぐ60代の素敵な先輩が教えてくれた言葉
「あのね、人には平等に与えられた才能があるのよ。
知ってる?
それはね、出会う才能なの。」
ワインを片手に軽やかに話す先輩の横顔はしなやかで、美しさの中に重みがあった。
年を取るのは素敵だなと思った過去とリンクした。
当時11歳だったルイジンニョ少年は75歳になり60年以上ぶりに日本での再会を果たします。
角野さんの娘さんがSNSでルイジンニョ少年を探し出したのです。
映画の中で2人が口を揃えて「奇跡」と言っていたのが印象的でした。
思い出話に花が咲く楽しい時間。
地球の裏側に住む89歳と75歳の別れ際の
「また会おう」のハグの奥に見えかくれする様々な感情に館内のすすり泣く声が響きます。
最後にスタッフさんが
「角野さんにとって魔法とは?」と尋ねます。
すると…
「喜びを見つけること。」
「私は34歳で書くことを見つけて、それはもうすごく楽しかった」
「その楽しいことを今まで続けてきただけなの。だからね、喜びを見つけたらやめないで欲しいの。途中であきらめないで欲しい。その喜びみたいなものが魔法をかけると思うから」
書き始めたばかりの自分にいただいたギフトのように感じています。
角野栄子さん、ありがとうございます。
私も魔法にかかりたい。
★広島八丁座、ファンになりました。