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7週目。蒸すだけでたちまち。

「自炊者になるための26週」を(一応)週ごとに1章読み進めながら、今は並行して山口祐香さん著、星野概念さん対話参加の「自分のために料理を作る 自炊からはじまる「ケア」の話」を読んでいる。

まだ途中までしか読み進めていないのに恐縮だが、この本がとても面白い。一般の参加者が山口さんの助言を受けながら料理をするパートがあるのだが、その際に「玉ねぎを繊維に沿って切るのと断ち切るように切るのでどう違うのか」、「何故肉に日本酒をかけるのか」と言ったレシピには書かれていないセオリーやロジックを解説してくれている。

なんだか中学生や高校生の時の数学みたいだ。レシピは問題文のようなもので、その問題文の解法を暗記すればその問題は解けるようになるが、少し問題が変わると解けなくなる。でも公式を覚えていれば、もう少し色んな問題に応用できるようになる。さらにその公式の導出まで理論として理解できていれば、もっと幅広い問題に応用できる。
「分解して、パーツを入れ替える」これができるようになると、料理の幅としては一気に広がりそう。
自分の中での「自炊者」は都度レシピを確認しなくとも、これができる人なんじゃないだろうか。そして「自炊者になるための26週」の中でも、セオリーやロジックについて触れてくれている。

本を並行して読むのは、好きな読み方だったりする。小説とかは1冊をガーッと読みきっちゃうのも好きだけど。並行に読むことによって、複数の内容が混ざり合って、読んでいる途中に「こことここって繋がってる!」と思ったり、しばらく経ってから頭の中で発酵して、「あーなんかどこかで読んだなこれ」と思ってテンションが上がる。

「自炊者になるための26週」の7週目のテーマは、「蒸す」。勿論家に蒸し器なんてないので、蒸す専用の蒸し器を買うか蒸籠を買うかで小一時間悩んだ末、結局家にある鍋でも使えるコンパクトな落とし蓋としても使える蒸し器にした。蒸籠がかっこいいなとも思ったが、それは自炊者になった時に買う楽しみにしよう。

蒸すのは、先週の「買い物」の時に訪れた八百屋で買った里芋。本でおすすめされていた蕪や菊芋を試してみたいと思ったが、残念ながら八百屋には置いてなかったので、里芋。
思い返してみると、家で蒸したものをそのまま食べる、ということはあまり記憶にない。やや不安になりつつも、鍋に水をはって、里芋を蒸し器の上にセットする。蓋をして、火をつける。これだけ、、、?
5分たって竹串をさしてみるが、まだ硬い。空焚きだけには気をつけてと書かれていたので、それだけがとても不安になるが、大丈夫そう。なんなら少し水が多すぎて、蒸し器の上に染み出してきてしまっていた。
10分たって竹串をさしてみるが、まだ硬い。うーん。これはいつになったら柔らかくなるんだろう。まあ柔らかくなる分にはいいやと諦めて、せっかくなのでひき肉ソースも作る。

結局何分経ったかわからなくなったが、竹串を刺すとスーッと通るようになる。これならきっと大丈夫だろう。お湯もまだだいぶ残ってそうだった。空焚きにはそうそうならないのかもしれない。
器に里芋をあげる。そもそも鍋の蓋をあけた時点でとってもいい匂いがしている。包丁で半分にして口に入れてみると、甘さが口にじゅっと出てくる。熱い、でもこれは美味しい。
ただ蒸すだけで、こんなに美味しくなるのか。これなら今までだってできた気がするな。料理に対するハードルを、勝手にあげすぎていた。

今度は蕪でやってみよう。好きな八百屋さんに行って、旬の野菜を買って、蒸す。これなら続きそうな気がする。


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