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教科書にはない相談援助技術

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ケアマネ、相談員としての経験のなかで自分にとって分かりやすく組織援助技術を捉え直したものを文章にしてみました。他の誰かにとっても分かりやすくあるかもしれません。
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福祉をスケッチする

福祉をスケッチする

このnoteのタイトルに「福祉をスケッチする」と加えました。

これは、私が福祉の仕事をしてきて、自分の仕事を表現するときにずっと感覚的に持っているイメージです。

このスケッチする感覚があると、福祉はもっと豊かになるように思うのです。

福祉をスケッチする感覚とは?例えば、私のスケッチする感覚はこんな感じです。

目の前の利用者さんの介護をするときには、その人について知りえた情報をもとに、その人

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気づいていない現状を把握するということ

気づいていない現状を把握するということ

事故やヒヤリハット、苦情に対して、大切なのは原因究明です。

なぜ、それが起きたのか?

さて…、原因を探るだけでよいのでしょうか?

そこには重大な落とし穴があることを多くの人は見落としています。

ツイートのとおり、いちばん大事なのは現状把握。

何が言いたいかと言うと、現状ってあまり把握されてないってことが言いたいのです。

今ある情報のなかで原因究明しようとしても、きっとい

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自立支援的考え方で介助も支援も変わる!

自立支援的考え方で介助も支援も変わる!

介護職の方が、利用者さんの介助をするとき何を考えますか?

「どんなふうに介助しようかな~?」

そんなことを考えると思います。

で、次に何を考えますか?

「できるところは自分でしてもらって、できないところを介助しないとな~。」

そんなふうに考えると思います。

これらの考え方は、ごく自然な考え方だと思うのですが、私は考え方ひとつで介助のありようは変わってくると思っています。

それが、こち

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コーヒーも質問もインスタントで☕

コーヒーも質問もインスタントで☕

さて、皆様は目の前にいる人が「コーヒーが好き」と聞いたらどんな質問をしますか?

相談援助職をしていると、そんな小さな情報からどんどん広げていくスキルを身につけるんです。

このツイートにあげた質問は一例ですが、実際どんな感じで質問が展開されていくか考えてみましょう!

では、「インスタントですか?」という質問で考えていきます。

ごくごく自然な質問ですよね?

この質問への返答の

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自分の「聞きたい」より相手の「答えたい」から始める相談援助

自分の「聞きたい」より相手の「答えたい」から始める相談援助

私は社会福祉士なので、相談援助を得意としています。

相談援助では、自分が相手から何を聞きたいかを考えがちですが、実はこれは大きな落とし穴です。

私たちの仕事は、生活のなかのたわいもないことを聞きたい仕事です。

ちゃんと食事を食べているか?
ちゃんとトイレに行っているか?
ちゃんと夜寝ているか?

例えば、そんなことを見ず知らずの人に急に聞かれたら戸惑いませんか?

私たちは初対面の人にいきな

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