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神戸の独立系書店に行ってきたよ その2

その1 では東京は西荻から神戸市長田区に移転された「本屋ロカンタン」さんにお邪魔したことを書きました。

今日は神戸市須磨区のお店「自由港書店」さんにお邪魔しました。
須磨は長田区の西隣の区です。
神戸市の北区西区以外は神戸港に沿って区が並んでいる市なんです。
って、大雑把だな。

自由港書店

自由港書店」はJR神戸線 須磨海浜公園駅から海側(南側)に降りてまっすぐ。数分で到着します。
11月末の平日午後に伺いました。


くれぐれも「JR須磨駅」で下車しないでね。(残念なのはわたしだけか)
言い訳すると、須磨海浜公園駅は2008年にできた新駅なので、須磨といえば須磨駅!と条件反射の頭のかたい人間は、30分歩く羽目になります(あほですねー)


神戸須磨シーワールド(須磨水族館)も目と鼻の先なので帰りに寄るのもいいですね🐬

南北の道沿いのビルの1階、細長いお店です。
土地柄、お子さんに優しい絵本もたくさんありますが、奥まで進むと社会を考えるための大人の本が充実しているのです。

私がお店に入ったとほぼ同時に、お子さん連れのママが絵本を探しにこられ、店主さんに相談しています。(私も書店員として)大変だなーというお題(選書)を任された店主さん。
愛をもって丁寧に対応されていたのがとてもとても印象的でした。

店主さん優しさでできてるやん!わたしほんま反省…
と深く感じたのでした。

自由港書店の入口。お客のぼっちゃんの頭が見切れております。

選書って…

選書って、書店員は日常的におこなっているんですよね。
こんな↓感じの依頼はよくあります。

「◯歳くらいのアメリカに住む(とマウントも取られる)孫に送るの。定番の本は大体送ったから、ちょっと違うのがいいわね」

どうする書店員!汗が吹き出す瞬間。
児童書にうとい私は、かこさとし先生とヨシタケシンスケさんとおしりたんていしか出てこない。

そんな時は、逆にお客様に尋ねます。選書の極意は、お客様のことを深く知るのです。
アメリカのお孫さんは日常的に読む子なのか、何に興味があるのか。集中して読める子なのか。
読者に少しでも肉薄していくのが大事です。

ここで自由港さんのように根気よくいろいろおすすめできるかどうかがポイント。知識も忍耐も問われます。
私みたいに放置プレイしちゃだめですね(猛省)

須磨の心地よい風

扉が空いている季節は、須磨の風が吹き抜けるような本屋さんです。
やっぱり店主さんのお人柄というのは店舗に反映されるんですよね。青をテーマカラーに、小物を飾ったゆったりとした本の並べ方に余裕と心意気を感じました。

こちらで購入したのは小津夜景さんの『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』(東京四季出版)です。

『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』小津夜景 東京四季出版

小津夜景さんは現在フランスで暮らす俳人です。俳句の知識のみならず、漢詩や外国文学の知識が膨大です。『いつかたこぶねになる日』(新潮文庫)を読んでその文体と奥行きにとりこになりました。

東京四季出版さんは私が働く店だとわざわざ取り寄せる必要があるので、手元になかったのでした。

購入する時、自由港の店主さんが、フランスから来た封書を見せてくださいました。小津夜景さんから直送された際のものだそうで、うらやましいいい
「たこぶね読書会」を風文庫さんで行なったので憧れもひとしおでした。

実際に足を運んで少しでも店主さんとお話をすると立体的になります。その後のSNSで新刊が入ったよとか、イベントをするよなどの告知を拝見すると棚に本が並ぶ様子や人がさざめいている様子が浮かぶのです。
そしてまたお伺いしたくなります。

自由港書店さん、素敵な本屋さんでした。また須磨に行く用事を見つけてお伺いしたい書店です🐬

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https://suisuibooks.club

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