なかなかやる気になれない時に、自分を突き動かす方法
『やらなければならないけれど、やる気になれない…』
そんなことは誰にでもあるだろう。
今回は、私が生徒指導を通じて1、2を争うほど多くの相談を受けてきた、『やる気になれない状況でいかにして行動に移すことができるか』というテーマについて考えてみたいと思う。
それでは早速始めていこう。
まず初めに、
やる気がないから行動できないなどという幻想は、存在しない
という事実をお伝えしておきたい。
「え???」と思う方もいるだろう。しかし、これがひとつの結論である。
実際には、やる気があろうがなかろうが、行動する。
その結果としてやる気が出たり、出なかったりするが、それでも構わず行動し続けるということだ。
例えば、体が疲れているからスポーツジムに行きたくない日があったとする。
どうすればいいのか?
答えは極めてシンプルである。
ジムの準備を持って、サッサとジムへ行き、着替える
これで、ジムに行くという行動はとることができる。
やる気があるとかないとかではない。
行くのだ。
やる気が出ることが重要なのではない。
何でもいいから、ジムに行けばいいのだ。
その結果として体重が減ったり、体が引き締まったりする。
すると嬉しくなってジムへ向かう足取りが軽くなる。
すると次第にやる気が出てきて、結果的にジムに通いたくて仕方なくなっていくのだ。
こうなると、「行っちゃダメ‼」と言われても行ってしまう。
やる気は行動の原因ではなく、結果としてあとから勝手についてくる
厳しい話ではあるが、これが真実なのだ。
しかし、実はこれでは「やる気になれない時に自分を突き動かすための方法」としての回答にはなっていないことには気づいている。
そこで、『やる気を出しつつ行動するための方法』についてもお伝えしていきたい。
この時に重要となるのが、
未来と現在を、こじつける力である
詳しく見ていこう。
まず、人が行動するときの理由には2つしかないことを確認しておく。
それは、
①行動すると、自分にとって良いことがある
②行動しないと、自分にとって悪いことが起きる
たったこれだけだ。
このいずれかに当てはまり、かつ自分がそれに強く納得している場合には、勝手にやる気を出して行動することが可能となる。
しかし、いずれかに当てはまっていることは確かだが、自分がそれに強い納得感を持てていない場合には行動することが困難となる。
例えば、『勉強しなければ、将来の選択肢が少なくなってしまう』と親に言われたとしよう。
これは誰もが正しいと理解しているため、勉強しないとマズいであろうことはわかっている。
しかし、行動できない。
なぜか?
それは、
今すぐ行動しなかったとしても、今すぐ悪いことが起こるわけではないので、実感がわかない
これが非常に大きなブレーキとなる。
そう、自分にとってのメリット、もしくはデメリットが、時間軸としてかなり遠い未来に設定されている場合、臨場感をもってそれをイメージすることが難しくなる。
我々であっても、「会社で毎月の営業目標を3年間連続で達成したら、報奨金100万円をもらえる」と言われたとしても、今月が未達成になりそうな時に3年後のことを強烈にイメージして踏ん張れる人がどれほどいるだろう?
私も正直、3年後の大きな幸せよりも今月の小さな喜びが勝ってしまう気がしている。
ではどうすればいいか?というと
こじつける力の登場である。
「これをやると、自分にとってどんな良いことが起こるのか?」
近い未来の自分にとってのメリット、もしくはデメリットを具体化し、目の前のやらなければならないことがどのようにそれと結びつくのかを明確にする力。それこそが『こじつける力』であり、やる気を起こすために最も重要な能力となる。
これによって、行動は「Must」から「Want」に変化する。
例えば、3年後に報奨金をもらえるということを直接的なモチベーションにするのではなく、
今月の目標を達成したら、月末に一人焼き肉屋で豪華な夕食を食べる
という近未来のメリットを設定する。
これで力強く動ける人もいるし、焼き肉屋では動けない人もいる。
ここがめちゃくちゃ大切。
自分は、一体どんなインセンティブがあれば頑張れるのだろうか?
について、真剣に考え抜くのだ。
これが、『1億円もらえる』といった非現実的なインセンティブでは全く意味がない。自分が自分に対して与えることのできるインセンティブの範囲の中で、自分自身が本当にワクワクできるものが何なのか?という問いに対して答えを出すのだ。
非現実的なインセンティブを設定した場合、絵に描いた餅となる。
仮に妄想の1億円のために死ぬ気で頑張れるというほど簡単な人であればそれはそれで幸せなことではあるが、そんな人であればそもそもこの記事を読む必要もないし、とっくにやる気マンマンになっているはずである。
私であれば、
・大きな温泉へ行く
・遠方へ釣りに行く
・自分の趣味のご褒美を買う
といったインセンティブで火をつける。
ちなみに私は、このようなインセンティブをあえて日常では気軽に自分に与えないようにしている。
いつでも自分が欲しいものを気軽に買ってしまっていたり、いつでも行きたい場所へサクッと行けるような環境に身を置いてしまうと、このインセンティブが非常に弱いものになるからだ。
別に、目標を達成しなくても買ってしまえばいいとなってしまっては、元も子もない。
それではインセンティブの意味をなしていない。
戦略的に自分を追い込んでおくと、ちょっとしたインセンティブでも非常に力強いトリガーとなる
私は日頃、ストイックな性格であると言われることが多い。
これは、戦略的にそうしている。
思い切りストレスのかかる状況に寄せるトレーニングをしておくと、その真逆のインセンティブが非常に効果的に作用することを知っているからである。
自分で自分に炎を灯すことが最も効果的で、最も強いモチベーションにつながる。
自分に対する近未来のインセンティブを設定し、これをマイルストーンにしながら大きなインセンティブに向かって歩いていくのがいい。
そして、
①遠くの大きなメリットよりも、目の前の小さなニンジンの方が自分を動かす力が強い、
②小さなニンジンは、人によってどのようなものが適切なのかが異なる
ということを理解し、活用していくことが効果的なモチベーションマネジメントにつながるので、是非参考にしてみてほしいと思う。
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