相手に興味関心をもつ秘訣
『もっと顧客に興味・関心をもたないと、関係構築できないよ』
営業職に就く人の中で、上司にこう言われたことがある人はいるだろうか?
私は言われたことがある。
そして、正直にこう伝えた。
全く興味ないです。関心もないです。
そうだ。
これが偽りのない本音だった。
しかし上司は、興味関心をもたなければ関係構築できない上に、受注もできないと熱弁してきた。
これは困ったことになった。
アニメに興味がない人に、アニメに興味をもてと言っているのだ。
釣りに興味がない人に、釣りに興味をもてと言っているのだ。
鉄道に興味がない人に、鉄道に興味をもてと言っているのだ。
それ、無理じゃない?
私はこのやり取りを機に、迷宮入りすることになる。
何度も興味がない顧客に興味をもとうとしたが、どうしても無いものは無いのだ。
久しぶりに悩んだ。
食欲はなくなり、食事はカレーとラーメンと餃子とハンバーガーしか喉を通らなくなった。
夜も8時間しか眠れなくなった。
この困った状況を打破すべく、恥を承知で同僚女子の営業同行をお願いし、打合せの様子を見せてもらうことにした。
ここで私は、顧客に興味をもち、和気あいあいと話をするスーパー営業の姿を目にすることになる。
これだ!この人に聞けばわかる!
ついに、雲の切れ間から射す一筋の光を見つけた。
商談が終わり客先を出てすぐ、エレベーターの中で長きにわたって悩み続けた問いの答えを彼女に聞いた。
「どうすれば、そんな風に顧客に興味をもてるんですか???」
「え?興味ですか?全然ないですよ!」
「ぬなぁぁぁぁ~にぃぃぃぃ~?(;´Д`)」
これはおかしい。
私が目にした彼女は、確かに顧客に興味をもっていた。
だが彼女は、顧客に興味がないと言っている。
これは……罠か…(; ・`д・´)
考えられる選択肢は2つしかない。
①さっき私が幻覚を見た
②彼女が嘘をついている
さすがに幻覚は見ていないはずだ。
よって、彼女が嘘をついていることになる。
落ち着きを取り戻して、もう一度聞いてみよう。
「いやいや、だってさっき、興味をもっているから楽しそうに話せていたんでしょう~?」
「興味はないですけど、顧客に何を聞く必要があるか事前に決めていたので、話が弾んだのかもしれません!仲良くはなりましたね!」
おや。
何かすごく良いことを教えてくれた気がするぞ。
つまりこういうことか。
彼女は顧客に興味ない
↓
けど受注したい
↓
受注するために必要な情報を獲得するための質問を準備した
↓
ニコニコしながらその質問を顧客にぶつけた
↓
顧客は質問に答えた
↓
素敵なリアクションと共に、その答えをさらに質問で掘り下げた
↓
顧客は喜んで質問に答えた
↓
仲良くなった
これが興味関心をもっている(ようにみえる)人の行動なんじゃない?
興味があるから質問がポンポン湧いてくるのではない。
事前にきちんと質問を用意しておいて、テンポよく相手に投げかけるから、興味があるように見える。
それが『興味関心』の正体なのではないか。
準備すれば興味をもっていると感じてもらえるのであれば、私にもできる気がした。
そして、同じ悩みを抱えた人の役に立てる気もした。
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