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読書日記〜サエキけんぞう「さよなら!セブンティーズ」

 まだまだシーナ&ロケッツ『#1』の衝撃は続いてまして、周辺のアルバムを含めた音盤生活が続いております。まだまだ続きそうな予感がありつつ。
今日取り上げる本はパール兄弟、ジョリッツのサエキけんぞうさんの1970年代のロック生活を綴った名著「さよなら!セブンティーズ」です。
サエキさんは私より少し上の世代なので、1970年代についての記述はかなり新鮮だったりしますし、驚きの内容です。
じゃ、行ってみよー。

・サエキけんぞう「さよなら!セブンティーズ」(クリタ舎)

 サエキさんといえば、ミュージシャンであると同時に色々なカルチャーの語り部という面をお持ちの方だという認識です。
この本はサエキさんがハルメンズでデビューする前の出来事を綴っていまして、ライヴに通ったことなどが中心に書かれています。
今日、取り上げた最大の理由はエルヴィス・コステロの大阪公演をサエキさんが観に行くった話がありまして、そのフロント・アクトこそがシーナ&ロケッツだったからなんですね。
そのライヴこそがシーナ&ロケッツの実質的最初のライヴでして、後に鮎川誠さんも語っていたりします。
ただ、サエキさんの文章では関西人のユーモア・センスが上手く表現されていて、こういう視点がリアルタイムだなと感動した記憶がありますね。
勿論、コステロのライヴこそが主役らしく、シナロケのライヴはその導入部という内容になっていますが。

 坂本龍一さんや小原礼さんが参加していたKYRYNのライヴの楽屋に潜入してハルメンズの「焼きソバ老人」のデモテープを坂本さんに無理やり聴かせたエピソードや音楽評論家の福田一郎さんにシュガー・ベイブのは未来を予言したりと興味深い内容がてんこ盛りの一冊になっています。

 音楽の聴き手で色々な場面で出くわした私には共感する部分もありますが、私はただ出くわしただけで何もしなかったわけですから、結局は何物でもないというのが、サエキさんとの最大の違いなわけです。
そう考えながら読むと、サエキさんの凄さが更にわかりますねー。
にしても、この本は面白い。

 ではまたー。

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