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世界の生肉食文化
馬刺しや鳥刺し、ヤギ刺しなど、肉を生で食べる文化は日本各地に見られるが、世界を見渡しても古くはタルタルステーキに始まり様々な生肉食文化がある。
今日は日本ではあまり知られていない海外の生肉食文化をピックアップ!
●驚異の豚肉生食?「メット(ドイツ)」
ドイツでは普通のスーパーでも売っているらしい生食用豚ひき肉のメット(Mett)。
ハードタイプのロールパンなどに塗りつけて食べるのだが、日本人の私には調理前の状態にしか見えない。
豚肉を生食するとカンピロバクターやサルモネラ、有鉤条虫、E型肝炎ウイルスの危険があるため、ドイツでは色々と厳しい衛生基準が設けられているようである(法律により包装されていないものはその日のうちに売らなければならないらしい、とか)。
でも、ホントに大丈夫なの? と思ってしまう。今後調べてみよう。
●中東版タルタルステーキ?「キッベ(レバノン)」
キッベ、またはクッバとは中東地域で広く見られる牛ひきまたは羊ひき肉を使ったクロケット(コロッケのようなもの)なのだが、レバノンのキッベの中には下味をつけてお皿に塗りつけるように平たく盛った生の羊ひきをそのまま食べるものもあるらしい。
中東版タルタルステーキ、ないしユッケという感じ?
●生肉+血料理!?「ソックレック(タイ東北部)」
東南アジアにも生食文化があるのだが、特にタイ東北部のイーサーンではゴイやソックレックなどの生の牛肉を使った料理で知られているらしい。
特にこのソックレックは生肉が唐辛子などで味つけした血のスープに浸かった状態で提供され、見た目のインパクトが強い。
●ポーラーエスキモーの生肉食
デンマーク領グリーンランドのシオラパルクを訪れた植村直己氏の著作「極北に駆ける」によれば、現地の先住民たちはクジラやプイジ(アザラシ)の肉を生のまま食べており、彼自身も勧められて最初は抵抗があったが次第に慣れていったらしい。エスキモーたちは凍ったものを食べることに慣れているようでみんな猫舌で、アツアツの肉はまずいと言って食べないらしい(!)。ちなみに何でも生で食べるというわけでもなく、セイウチやカモメ、イカルワック(イワシに似た魚らしい)はちゃんと煮て食べているそうだ。
この辺は気温が相当低いので病原細菌は湧きづらいとはいえ危険はあるだろう。
しかし、彼らが生肉を食べるのには他に食料がほとんどないという切実な問題もある。この極寒の地では農業はほとんど不可能で、せいぜいコケモモの実を集めて食べる程度。ビタミン不足必至である。
実際、あまりにも食料がないときは人肉すら食べていたそうだ……。太ももが一番おいしいらしいヨ!()