地図が読めないアラブ人、道を聞けない日本人
著者:アルモーメン・アブドーラ(エジプト人)
読書感想文。
アラブ人との付き合い方
アラブ人というくくりであえて考えてみるが、もちろんアラブ人にも多様な人がいる。どんな気質を持っているかイメージしやすくするために、あえてアラブ人とはどんな人かが書かれていて興味深かった。
スーダンで暮らしていたので共感できる部分もあるけど、知らなかったこともあった。
トップ判断で決めていき、法律よりも人を信じる。
交渉の場であっても硬い表情を見せない方が良い。
不都合なことがあっても冷たい対応をせず、関係を切らない。
仲良くなるためには家に招待する。
犠牲祭
あまり聞きなれない言葉。
まとめると、「羊などの家畜を屠り、神に捧げる祭り」
家族で一匹の家畜をその場で殺して食べたりもするが、ただ肉を食べる肉フェスではない。
これは社会福祉運動である。
恵まれない人や親族に肉を分け与え、心をつなぎ、幸せになり、絆が強くなり、互いを思いやる精神こそ大事としている。
病気の時の対処法
日本では薬局で薬を買って飲むことや、病院に行くことが当たり前だろう。
同じようにアラブ人はアッタルへ行く。(薬香商)
基本はジンジャーやシナモンなどのスパイスが売っているが、病気に合わせて身体に効能が良いスパイスを販売する。
東京でもスパイス屋さんを時々見かけるが、スパイスが小袋で売られている。スーダンでは、もっとたくさんの量が売られていて、店の数も多い。
それだけ利用する人が多かったんやなーと、スーク(市場)の景色を思い出す。
家に招待される
招く側は最善を尽くす。
だからめちゃめちゃ気合を入れてもてなされるし、気を使われまくるし、食え食えと何度も言われる。これは最善のもてないの結果なので、拒むのではなく、もてなしてもらい感謝をする方が良い。
もてなしの心に対して、日本食の料理を作ってもあまり食べてもらえず、自分が食べる事もある。普段食べへん料理が急に出てきたら、そらびっくりするもんね。
インシャ―アッラーとうまく付き合う
相手に何かお願いした時に「インシャ―アッラー」とよく言われる。
神が望めばという意味である。
「インシャ―アッラ―」と言われたら、神が望めばやるって、いやいやあんたが望んで頑張ってやらんかいとつっこみたくなる。
だけど、自分もこの言葉を使うようになり、心が楽になるのを感じた。約束した以上はやらないと、なに言われるか分からない日本と違って、約束破っても「神が決めたことだから」となる。
ちなみに不幸や不都合な出来事が起きても「インシャ―アッラー」である。こうなることになっていたのだ。とあらゆる場面や物事などをあるがままに受け入れる術。辛い事が起きた時に自分の日々の行いが悪かったせいだと思う人が時々いるが、そう思うと辛くなるだけだと思う。そういう時に「インシャ―アッラー」は良いかもしれない。