これまでのメニューのABC分析を行いました。実に面白いことが判明しました。
宇宙一外食産業が好きな須田です。
いきなりですが、ハンバーグのバージョンアップをしてきました。
現在進行中の新商品開発の中心となるハンバーグが、どうもしっくりこなかったので、レシピの変化をお願いしました。
なぜ、ハンバーグがしっくりとこなかったのかといいますと、ハンバーグの練りが圧倒的に足りていない状況でした。
なので、ハンバーグという呼び名の肉団子でした。
その状況を指して現場の皆さんは「肉々しい」と表現していましたが、ついに私は我慢できずに、「これは肉々しいのではなくて、練りが足りなくてほぼ肉団子状態です、練りは何分、どのような状況になるまで行っていますか?そもそも塩をどのように扱っていますか?」と、質問してしまいました。
すると開発のご担当は丁寧に教えてくれましたが、この練りの段階でいくつもの間違いがあることを発見できました。
これまで何度か試食していて、ハンバーグに関しては「これでいきます!」と、強い意志を表明していたので、時期が来るまで見守っていました。
いつか変化を求めるようになるだろう、このままのレシピではいけないと感じる時が来るだろうと待っていましたが、一向にその気配がないので私が口火を切りました。
すると社長は「実は前々からウチのハンバーグはパサパサするなぁと思っていたんですよ、何が原因なんですか?」と、予想外の質問がありました。
この質問自体は嬉しい歓迎すべき内容なのですが、これまで、開発担当者に遠慮してなかなか言い出せなかったようです。
優しい部下想いの経営者ですが、強さも欲しい所です。
さて、いくつかのレシピ上の修正を加えて、作業手順も細かくお伝えしてハンバーグはバージョンアップされました。
この作業の一環が各構成要素を分解して、それぞれを再構築するやり方です。
少し前の記事ですが、
「売れるメニューブックを創るためには、そもそも、売れる商品が必要です。」の中で紹介した具体的なやり方です。
売れるメニューブックを創るためには、そもそも、売れる商品が必要です。|須田光彦@宇宙一外食産業が好きな男 (note.com)
この時もワンプレートの商品を作ろうとして、ワンプレートに何を盛り込むとお客さまに価値を提供できるのかという議論に終始していて、これ自体は悪いことではないのですが、それぞれ各部品の完成度が低い段階では、本質的な価値は提供できないので、まずはそれぞれの構成要素の完成度を高めるようにお伝えしました。
すると、ハンバーグがバージョンアップされ、その後一気に商品の完成度が上がりました。
このようになんとなく完成品をつくるやり方から、構成要素の完成度を上げていき、最終的にバランスを調えるやり方の方が、開発作業は短時間に効率化され、優れた商品を創り出すことが出来ます。
商品開発を30年以上してきてたどり着いた境地といえます。
是非、各構成要素を高めることを行ってください。
次にこれも同じ記事で書いたことですが、ABC分析を解析して売れる商品を決めましょうという件。
昨夜、あるクライアントと、閉店後の23時からzoom会議を行い、次の日になった1時過ぎまで議論をしていました。
このお店はある商品の専門店で、その商品が圧倒的な集客商品となっており、利益も充分に獲得しています。
でも、昨今の原材料費の高騰の影響を受けて利益構造が悪化してきているので、再分析をしてほしいいう依頼が来ました。
そこで直近3ヶ月のABC分析と、最新のレシピと原価リストを送ってもらいました。
すると驚くことが判明しました。
集客商品が売上も利益額もトップを獲得していることは変化がないのですが、なんと2位の商品が最もシンプルなデフォルトの商品になっていました。
これまでは高付加価値の商品が安定して2位を守っていましたが、今回ABC分析を改めて確認すると、これまでの2位の商品は3位に順位がスライドしており、最も安価な商品が2位を獲得していました。
この現象が起こった原因は、容易に想像ができます。
お店が有名になり、マスコミにも何度も取り上げられて、そのお店を体験してみたいお客さまが増えたことが主な原因です。
しかもその客さまが圧倒的の女性であったことから、ボリュームのある商品よりも、可愛くおしゃれに食べられそうな最もシンプルでポーションが少ない商品の取得率が伸びる結果となりました。
これはいわゆる「戦利品消費」といえます。
戦利品消費とは、あの人気店に行ってきました、リアルに体験してきました、一応そのお店の商品を食べてきましたと、体験時の撮影もして、SNSにアップもしました、というために体験したことの利を得るためだけに最も安価な商品の購買率が伸びることを指します。
観光地に行ってお土産を買ってくるのと同じ心理構造です。
観光地に行ったと証拠として、戦利品のお土産を買ってきますが、全く一緒のことです。
今後もこの傾向は継続することが予想でき、それ相応の対策が必要であることを教えてくれる分析結果でした。
大きな流れとしては良い傾向で、これまで少なかった女性客の獲得が徐々にではありますが伸びていることは、歓迎すべきポイントです。
であるならば、この女性客の心理を感じて考えて、新たなランチセットを開発することにしました。
オープンして数年が経過して、少しずつ市民権を得てきましたが、その過程で主力商品を増やしていった結果、ランチとディナーの棲み分けを再構築する必要が出てきたということです。
それだけお店が、業態が成長した証です。
そこで、今後の方向性を決めて新商品をいくつか開発して、時間帯別のモチベーションを獲得すること、消費形態をコントロールするために取得率を変化させること、作業効率を向上させることと、仕込み量の軽減を図ることを行うことにしました。
当然、これらの行動の全てをSNSで発信することも、商品が完成した際にはメニューブックを刷新することも行います。
ご贔屓客を招いての試食会も行う予定です。
勿論、店頭のバナーサインも変更します。
集客商品が目立つようにすること、お得で魅力的なランチセットがあること、ディナーの楽しみ方をお伝えすることなど、集客と販促に関連することを実行していきます。
このように、商品のABCを分析し直近の動向を鑑みて、新商品を開発しメニューブックを刷新して、集客と販促をセットで行うことで、業績は一気に向上してきます。
これらの内容を、この記事の前数本でご紹介しています。
是非振り返って、読んでみてください。
この数店舗のメニューの再構築のやり方が、この記事を読んでいただいている飲食店の経営者の方々に、間違いなくお役に立てると確信しております。
是非、参考にしていただき、あなたのお店の業績を向上させてください。
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私より直接ご連絡させていただきます。
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