優秀な人財を確保する確実な方法です。
宇宙一外食産業が好きな須田です。
緊急事態宣言が明けて、初めての土日でしたが営業を再開した店舗、本日の月曜日から営業を再開する店舗とそれぞれではありますが、いよいよ営業が再開になってきます。
そこで、いくつかある直近の課題の中から、人財に関してのお話しを今月はしていきます。
多くの店舖では、この数度にわたる緊急事態宣言を受けて、アルバイトの雇用を断念してしまったところが多いと思います。
正式に雇用を断念とまではいかなくとも、実質上営業を停止してアルバイトの雇用も無いままに数か月が過ぎてしまった店舗では、緊急事態宣言が解除されたからと言って、かつてのアルバイトが即座に戻ってくるとは考えにくいと思います。
シフトも入れない状況が継続すると、解雇とまでは行かなくとも実質同等の現象が発生しており、生活のためアルバイトスタッフも他の仕事を求めていることは十分に考えられます。
そこで、緊急事態宣言明けのこのタイミングで、慌ててアルバイトスタッフを確保しなければならない店舗が多いことが予想されます。
実際に、弊社のクライアント数社に連絡を入れてみたところ、やはりスタッフ不足が顕著であり、これから募集をするがすぐに決まるとも思えないとの回答が多かったです。
そこで、今回から効果的なスタッフ募集に関する大切なポイントを、何回かに分けてお伝えしてきます。
先ず、スタッフ募集をする際に、一番に行わなければならいことは、求めるスタッフ像を決めることです。
求めるスタッフ像とは、学生さん、主婦、フリーターとかというものではなく、もっと具体的なことです。
多くの募集内容はここが不明確なので、募集を掛けても反応すらないということが起きています。
このスタッフ像を明確にするとは、即ち、スタッフペルソナを設定するということです。
人を集めるということで考えるのなら、お客様もスタッフも同類です。
どちらも人集めであり、方向性が利用者かスタッフかというだけの違いで、人集めとしては同じと言えます。
業態を考える時にお客様像を詳細に決めるのと同じく、このお店で働くスタッフの理想像を決めることで、ピンポイントでの募集が可能になります。
信じられない方も多くいると思いますが、人財募集で絶対にやってはいけないことは、メンバーにしてはいけない人物をメンバーにしてしまうことです。
このやってはいけないことをやってしまう原因は、大きく2つあります。
一つ目は、人が確保できないからと言って、人手不足への恐怖から誰でもいいから来た順番に採用してしまうことです。
誰でもいいから、兎に角人手が欲しいという経営者・店長はここに当てはまります。
次に、ある程度の人選はしますが、その基準があいまいで、これまたある程度条件を満たしていればOKという感じで採用してしまう方がいます。
条件さえ合えば、誰でもいいという考え方の経営者・店長は、ここに当てはまります。
この手の採用をする経営者・店長には、明確な人的な採用基準がありません。
有るのは、条件だけです。
シフトを埋められるか、こちらの採用条件で折り合いがつくのかが採用基準となっています。
この手の経営者・店長は採用してしまってから、後悔することが多いパターンの方々です。
理由は明白で、面接で必要なことの聞き取りを応募者から行っていなく、一方的に話している場合がほとんどだからです。
自分達の都合を一方的に、話して、聞かせて、押し付けて、アルバイト候補さんが理解していると勝手に勘違いをして、採用してしまいます。
実際にシフトを組む段になり、もしくは仕事を始めて貰う段になり、話と違うということが頻繁に発生してしまいます。
そして、雇用を維持できなくなり、再募集をかけてしまいます。
すると、募集サイトの方々の、恰好の顧客となってしまいます。
そもそも、明確なペルソナが無いために、何度も何度も募集を掛けて、獲得コストが膨大になるなんてことは日常茶飯事です。
しかも、経営者と店長が求める人材像を共有していないので、本社が採用したスタッフを、店長があっさりと切るなんてことも頻繁に起きています。
切ったアルバイトの獲得コストが30万だろうが50万だろうが、店長はお構いなしに切り捨てます。
現場を知らない本部の連中が、こんな使えないスタッフを採用してと感じ、一瞬で切ってしまいます。
そして、本社には適当な理由をつけて、再募集をしてもらうように依頼を掛けてきます。
これらの事象の種が、ペルソナを決めていないことです。
共にお店を回していき、一緒に成長と成功をつかみ取り、アルバイトに来てくれた方々の今後の人生に、プラスの影響を及ぼすような仕事と関係性を持てることは理想だと言えます。
それにもかかわらず、ペルソナを設定しないばかりに、本来欲しいスタッフと出会えることもなく、残念なスタッフを、人手不足を理由に雇用してしまう事例が後を絶ちません。
ですから、これらの不幸な結果を回避するために、スタッフのペルソナを作成しましょう。
さて、お客様のペルソナと違って、スタッフのペルソナで特に重要になるのは、スキルの設定です。
このスキルの概念がそもそも曖昧なために、応募があったとしても求めていない人材が集まってきてしまい、面接まで行くことが無い状態が発生してしまいます。
特に、募集の文言に未経験者歓迎・職歴一切不問・教育システム完備などと書こうものなら、それを真に受けた人物が応募してきます。
書いた内容が本当ならばそれで問題はありませんが、多くの場合募集の門を広くするために、この文章を入れます。
すると、本当に未経験で、全くの素人の方が応募してきます。
そして、不満足な結果になってしまい、いつの間にかサイトの期限がやって来てまた掲載をする羽目になりますが、また、同じ文言「未経験者歓迎・職歴一切不問・教育システム完備」を、入れてしまいます。
その結果、当然同じ結果が待っています。
そうです、採用が上手くいかないのは、この投げやりな状況が根本原因です。
実は、私はこれまで採用のサポートをして、採用が出来なかったことは一度もありせん。
正社員であろうが、アルバイトスタッフであろうが、ほぼ一度の募集で、必要な人材も数もそろいます。
その理由は明確で、ペルソナをしっかりと設定していること、そのペルソナの方々の思考パターンと要望を考えて、募集の文言を書いているためです。
重要なポイントはここで、スキルと人柄と求める人物像をペルソナ設定で決めて、その方々の要望と思考パターンを考慮した、募集文言を書けるか否かで、ほぼ理想のスタッフか、必要人数が確保できるだけの応募があるのか無いのかが、決まってきます。
ですから、欲しい人材のペルソナ設定は非常に重要になってきます。
さて、先ほどペルソナ設定で重要なポイントが、スキルを明確にすることとお伝えしましたが、もう一つ、優秀な人材を確保するために必要なポイントがあります。
このポイントを明確にすることで、理想の優秀な人財からの応募があるのか、一般的な人材からの募集に終始するのかが決まります。
人財と、人材の違いがある人物が、応募してきます。
特に、正社員を採用するときは、必須条件と言っても過言ではりません。
そのポイントとは、キャリアプランを提示できるかという点です。
多くの募集は、採用後の直近の業務内容しか書いていません。
店長候補とか、料理長候補とか、調理作業全般などと、全く将来をイメージできない“作業”のみを書いてしまいます。
一方私は、募集に際しては、キャリアプランを書きます。
この差が、作業員募集と感じさせてしまうのか、人財を求めていると感じて頂けるのかの違いを産みます。
私は、採用後に直近で行っていただく業務と、その後の店舗拡大、企業としての成長に合わせた、キャリアプランを書くことにしています。
この明確なキャリアプランがあることで、非常に意識の高いスタッフの応募が多くなります。
勿論、応募者全員がそのような方ということはありませんが、意識の高い方が応募してくれます。
店長候補の方、料理長候補の方の募集の場合には、特に、明確なキャリアプランを提示するようにしています。
その理由は、当然応募してくる方は、当社以外にもいくつかの候補のお店をピックアップしており、同時に応募していることは容易に想像ができます。
競合する店舗との差別化と優位性をアピールすることは、とても重要なポイントです。
応募者に明確なベネフィットを提示することで、お互いの利害が一致することが確認できます。
すると、憂鬱な人財の採用には、大きく近づいて行きます。
スタッフを募集する際には、ペルソナを設定すること。
ペルソナには、スキルと人物像をきちんと詳細に盛り込むこと。
特に正社員の募集の場合には、キャリアプランを提示すること。
この三つのポイントが、確実に欲しい人材を確保するための必須条件です。
誰と仕事をするのか、どのような人と成長を遂げていくのか、この人だったら大切なお客様を安心してお任せできるなと思える人財と、人生を賭けた仕事をしたいと思いませんか。
誰と一緒に歩むのかを決めることは、同時に誰とは一緒にならないかを決めることです。
これが、採用してはいけない人物を採用してしまう、危険性からの確実な脱却方法です。