やれることはまだまだあります! 商品価値はもっと上げられます、すると単価ももっとあげられて、お客様に最大の価値を提供できます。
宇宙一外食産業が好きな須田です。
昨日春分の日に、セミナーを開催させて頂きました。
自分で言うのもなんなんですが、非常に濃い内容のセミナーでした。
3時間の間に、必要なあらゆる情報を詰め込んだセミナーでした。
参加いただいた方には、これから特典のご案内と、実際のサポートを実施させて頂きます。
事務局から連絡が行くように、手配を進めております。
さて、昨日お話しをした内容の一部を、少しだけ公開します。
これまでも何度もお伝えして来た、3:4:6の法則ですが、これには変形バージョンが有ります。
3:4:6の法則をご存じでない方のために、簡単に説明すると、商品の価格を3:4:6の比率に設定すると、3が20%、4が50%、6が30%売れますよという法則です。
過去のnoteの記事でも、細かくご紹介しています。
「セミナーでお伝えした施策を導入した結果、ランチの客単価が500円アップしました」
「こうやって考えて、価値を高めて、売価を変えて、客単価を上げて、お客様に喜んで頂けました。」
ですから、ご自身が最も売りたい価格の商品を4のポジションに持ってきて、その商品のクオリティと価値をバランスよく整えて、それよりも残念な商品を3のポジションに設定して、逆にここまでは無くても良いよと言う商品を6のポジションに設定します。
すると、面白いように4の商品が売れていくという法則です。
この法則の注意点は、3の商品が4と比較してそれほど価値に差がない場合には、3と4ばかりが売れてしまいます。
だから、意図的に3はちょっと残念にしなければなりません。
逆に、6の商品価値をキチンと上げきると、4と6が売れるようになります。ただ、上げすぎると、売れないということになりますので注意が必要です。
ここにも明確な理由が存在しますが、それは何れの機会でお話しをします。
さて、変形バージョンのお話しですが、この3:4:6の6のポジションの価格を、少しだけ比率を下げてみます。
3:4:5とか、4.5くらいに。
そして5のポジションの商品の内容を、4のポジションの商品を基準とすると、
「この程度の価格差ならば、思い切って5の商品の方がお得だなぁ」と、
思わせるようにします。
すると、ほぼ一番高い金額の商品が売れる結果になります。
必ず価格に優位性を感じる層が20%程度いるので、3のポジションの商品も売れますが、ごく少数です。
そして、面白いのは、4のポジションの商品の出数が極端に減ってきます。
3のポジションの商品とほぼ同程度になり、ほとんど売れなくなることもしばしばです。
何故これが起きるのかというと、これまた私が何度もお伝えしてきたことですが、消費者は欲しいと感じた瞬間に、3つのマイナスの感情が出て来ます。
その3つのマイナスの感情とは、
損したくない
騙されたくない
後悔したくない
です。
この3つの感情の中の、「損したくない」これが発動されて、なんと一番高い商品が一番売れる結果になります。
理由は、商品価値を3と4の商品価格の差と比較して、4と5の商品価値の差が小さい場合には、価格差に比べて価値の差が小さいと感じるので、5の商品価値に大きなお得感を感じるためです。
このお得感を獲得しないことは、即ち損をしてしまいますから、結果的に後悔してしまうことになるので、価格差に対して価値の高い商品を買うこととなります。
ここで、もっとわかりやすいように、簡単な例をご紹介します。
例えば、ハンバーグのランチセットをA¥990、B¥1,290、C¥1,490の価格に設定してみます。
Aは、ハンバーグ単品とライス
Bは、ハンバーグ単品とライスに、コーヒーが付きます
Cは、ハンバーグ単品とライスに、ミニサラダと、デザートと、コーヒーが付きます。
ここ迄見てどうでしょうか?
どんな印象を受けますか?
ランチセットと言いながら、Aはハンバーグ単品とライスですから、セットとして成立していない気がしませんか?
ライスがセットとしてついてくるのか?となりませんか。
一方、Bセットはコーヒーが付く程度です。
ハッキリ言ってどこにでもある内容の商品です。
優位性がそれ程感じられません。
一方、Cセットは、ミニサラダもデザートもついてきます。
しかも写真を見ると、そのサラダの彩りが豊かで、有機野菜を使っていると書いています。
手作りのドレッシングで、仕上げているようです。
デザートも、素朴な感じの手作りの焼菓子です。
小麦粉を使わないで焼き上げていると、書いています。
白砂糖不使用の、「自然の甘さが」とも書いています。
このように表記されていると、もう絶対にCセットをオーダーしないと、損をしてしまうと思いませんか。
AセットとBセットの価格差は¥300、BセットとCセットの価格差は¥200。
たった¥200の差で、ここまでのものが食べられるのなら、Cセットが断然お得だよねと、60%ぐらいの人は感じます。
Aセットを基準で考えると、¥300ではコーヒーが付くだけ、更に¥200追加するだけで、サラダもデザートもコーヒーもついて、プラス¥200なら絶対にこっちの方がお得だと感じます。
この感情と思考を利用した、価格設定法です。
その結果は、実際の数値に出てきます。
過去にこの戦略を取り入れたお店の平均値は、
Aセット 10%、Bセット 20%、Cセット 70%という取得比率となりました。
価格に反応する方が10%~20%、「シンプルな内容でいい」「時間が無いからデザートまではいらないよ」と、スピードとか利便性を考える方が15%~20%、残りは損したくないと感じる方が60%~70%いるという結果です。
さて、ここ迄ご理解いただけたということで、それを前提に具体的な施策のお話しをします。
ランチで獲得できる客数を把握します。
その中で、最も欲しい商品単価を設定します。
獲得できる客数の60%が欲しい商品単価を買ってくれると想定します。
残りは、3と4の比率の商品がそれぞれ20%前後となります。
この事例では欲しい商品単価は、¥1,490と設定ました。
1490を5割すると、298です。
これを3倍すると894、4倍すると1192となります。
消費税のこともあるので1の単位を¥330として考えて、切りの良い数字を¥10切る設定にしました。
これらを基準にして、A¥990、B¥1,290、C¥1,490の価格に設定しました。
その結果、A 20%、B 20%、C 60%と成り、総販売数40食とするならば、
A 8食 ¥7920、B 8食 ¥10,320、C 24食 ¥35,760、日商¥54,000、平均客単価¥1,350となります。
それまで、¥1,000程度のランチを販売していたのなら、一気に¥300以上も客単価を上げられることになります。
実はこの価格設定には、更にもう一つの基準も組み込まれています。
なので、圧倒的に一番高い¥1490の商品が売れるわけです。
その他にもいくつもの施策が有りますが、それらはおいおいお話しをさせて頂きます。
兎に角、商品価値はもっともっと上げられます。
その結果、商品価格ももっと上げられます。
その結果、お客様には今以上の更に豊かで楽しい時間も、体験も提供できます。
確実にできます。