ビックマックの価格に現れている日本経済の低迷、危機的状況と言えます。
宇宙一外食産業が好きな須田です。
先だって日本の平均所得に関する記事を見かけました。
その内容が、個人的にはとても残念な内容で、ある意味驚愕する部分もありましたので、シェアしたいと思います。。
その記事によると日本人の平均所得は、世界5位から30位に急落したとのことです。
要約すると、この急落の原因はアベノミクスによる影響で、労働者の所得を据え置いて企業の内部留保を増やして、財務体制を強化し株価を上げていったためだと書いてありました。
全ては株価を基準として、雇用よりも所得よりも株価を基準としたためと、書いてありました。
確かに株価は上がり、バブル経済時に匹敵する水準にまで上がってはいますが、実体経済は酷いもので、バブル期のような好景気感は全くありません。
それどころか、当然所得が横ばいとなり、企業の内部留保は製品価格に反映させて売上を上げるのではなく、コストカットをして確保した利益です。
すると消費は伸びることはなく、売上よりもコストカットを繰り返し、益々負のスパイラルに突入していると書いてあります。
この記事に書いてあることは実感として、理解が出来ます。
実際、数値でも現れていて、現在日本の平均所得はアメリカのそれと比較すると55.5%だそうです。
アメリカの平均所得は6万9391ドルに対して、日本人の平均所得は3万8515ドルだそうです。
この数値はお隣の韓国の4万5581ドルよりも低く、韓国の方が所得は多い結果となっています。
これだから、インバウンドで日本は安い国と言われ、海外からどんどん観光客がやってきた訳ですが、ご存じの通りコロナショックでそのインバウンドも全く入ってこない状況です。
すると、当然国内需要を伸ばしてと考えるのが普通の政府のやり方だと思うのですが、この国ではいささか違うようです。
中国などは、国内需要を成長させるだけでも、13億人の人口の多さから十分に成長が見込めますが、人口が1億と少しの日本では国内需要を喚起するにしても、所得の低迷と人口不足により中々叶いません。
因みに、日本の所得水準はOECDの中で、最下位グループに入っているそうです。
ビックマック指数というものがあり、イギリスのエコノミスト誌が発表しているもので、各国のビックマックの価格を比較したデータです。
それによると、2021年のデータを見ると、日本のビックマックは390円、ドルに換算すると3.55ドル。
それに比べてアメリカのビックマックは5.65ドルであり、アメリカを基準とすると日本のビックマックは62.8%ととなり、賃金水準が55.5%なのでほぼそれと同等の水準となっている。
韓国のビックマックは4ドルなので、やはりこれも同水準となっている。
OECDの中では、日本のビックマックの価格が、これまた最下位である。
ユーロ圏は5.02ドル、イギリスは4.5ドルと、いずれにせよ、3ドル台なのは日本だけである。
視点を少し変えて、では、アベノミクスが導入される前の基準はどうだったかも気になるところ。
記事よると、アベノミクスが始まる2010年当時は、ビックマックの価格は日本では3.91ドル、アメリカ3.71ドル、イギリス3.63ドルと、日本が高かった点と、いずれも3ドル台であったことが特徴的である。
韓国に至っては、3.03ドルであった。
この時は、日本のビックマックは高かったのだが、他国と比較すると現在は、低くなっていることに驚くことと、現在の方が2010年当時よりも下がっていることに驚愕するばかりである。
11年経って、3.91ドルだったビックマックは、現在3.55ドルと下がっていることに、兎に角、この記事を読んで、驚愕してしまった。
結論として考えられるのは、日本人は国際的にみてアベノミクスの期間に、急激に貧しくなってしまったということである。
勿論、これには円高水準だった経済基盤が、円安基盤に移行したことが大きく影響している。
格国と比較すると、所得水準の伸び率が一番低かったのは日本である。
平均所得は、韓国は1.45倍になり、アメリカは1.2倍になったが、日本は1.02倍と横ばいの結果となっている。
問題は、国策として行った株価操作による株価云々ではなく、平均所得が全く伸びていないこと、今後も伸びる可能性がある具体的な国策が見えないことが最大の問題である。
このまま、実質経済が低迷することは、豊かになっていく近隣諸国からは、日本は買いもの先としては、非常に美味しい商品と見えてしまう。
日本は、買い時の美味しい商品と言える。
かつて、ジャパンマネーが世界を席巻し、日本に世界中が買われてしまうという時期があったが、現在は全く逆の現象が起きている。
中国をはじめとした近隣諸国に、あらゆるものが買われてしまっている。
日本の外食企業も、このままでは外資に買われる危険性もある。
この経済状況の中でも、確実な成長を遂げることが重要である。
その為に、価値の提供と売価を見直すことを行い、今一度外食の存在意義を問い直すことが必要であろう。
所得水準の底上げには長い道のりが必要だが、出来ないことではない。
私はそう感じている。
日本経済を元気にするために、外食企業が何をできるのか。
その外食企業の成長をサポートするために、私自身が何をすべきか、考えさせられる記事であった。
ベストなタイミングで、出会った記事でした。