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1歩も進めていなかったら?

悪夢だった。

正確に言うと、それは現実に起きたことだから「悪夢のような出来事だった」なのだが。

そんな正確性はどうでもいい。

まどろっこしいことを言っていないで結論から。

先週の金曜日の夜に私はOD、つまり処方薬の過量服薬をした。

何となくの原因はわかっている。
前回の診察時に就寝前薬を変えた。
以前の睡眠薬は悪夢と中途覚醒が酷かったため、中途覚醒と寝つきを良くする、医師が言うには「強い薬」に変えた。

おかげで悪夢はなくなったが中途覚醒は変わらず、加えて寝付くのに2時間はかかるようになった。

私にとって「眠れない」のはかなりまずい。
ただでさえ夕方になると気分が変な方向へ行くのに、布団に入って眠れないと色々なことを考え出すのだ。

それが良い方向へ向かうこともある。
だけど大体、悪い方向へ向かっていく。

ただただネガティブになるだけなら「いつものことか」となんとか耐えられなくもない。

最悪なのは、過去の出来事を思い出してしまうこと。

いじめ、嫌がらせ、ここには書くことができないようなこと。

感情のコントロールができなくなって、泣くことしかできない。

その状態が本当にしんどくて、辛いのだ。

数日前から、その兆候は見られていた。
なので、まずは訪問看護で相談をして、そのあとに必要であれば診察を早めて薬の調整をしてもらおうと考えていた。

その矢先の出来事だった。

金曜日。
気分は安定していた。
特に何かあったわけではない。

眠気を覚えて布団に入る。
眼を閉じると、頭の中は過去の出来事で埋め尽くされる。
ぐるぐる、ぐるぐると感情がかき回される。

気付いたときには嗚咽を吐きながら大量の薬を机に並べていた。

災害時用にととってあった薬と、1か月分の処方薬。

ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい

誰に何を謝っているのかもわからない。
薬を飲み込んだ。

早く眠気が来て。
私を解放して。

そう、願っていた。

______________

次の日は訪問看護の日だった。
起きたのは11時10分。
20分後には看護師さんが来る。

慌てて用意をしようとしたけど、足元がおぼつかず思うように動けない。
何とか顔だけ洗って、また布団に横になった。

ピンポーン

看護師さんが来た。
ふらふらしながらドアを開けた。

『あれ?寝てた??』

いつもは、必ず着替えてメイクもし部屋の掃除もしているが、そんな余裕なんてあるはずもなくてパジャマのままだった。

「薬、たくさん飲んじゃいました。」

部屋を見渡した看護師さんが大量の空き袋とシートを発見する。
捨てる余裕すらなかった。

『気分悪くない?』と聞きながらいそいでバイタルを測り、それらを回収して数を数えて写真にとる。

『バイタルは問題ないね。話してくれありがとうね。何を何錠飲んだか覚えている?』

覚えていない、と答える。

『久しぶりじゃない?何かあった?』

正直に自分の身に起きたことを話す。

『受診を早めようか。自分で連絡できる?』
できます、と答えるとその話題にふれるのは終わった。

あとはいつも通りの雑談をした。

『これ、見えないところに捨てておこうか』といい、空き袋とシートをごみ箱に捨ててくれた。

『水分摂ってね。』
『気にしなくていいからね。』

そう言って、訪問時間が終わった。

______________

なんて馬鹿なことをしたんだ。

自分を責めることが止まらなかった。

ODはもう2度としないという自信が自分の中にあった。
今年の目標は「自傷しないこと」と言ってもいたのに。

あぁ、やっぱり私は病気なんだな。

結局、その考えに帰結する。

一進一退を繰り返す。
1歩進んで2歩下がるどころか、5歩でも10歩でもさがる。

それでも1歩進んでいるのならいい。
でも、もし進めていなかったら?
ずっと後退しているだけだったら?

時々不安になる。
私はちゃんと回復に向かっているのか、と。

とりあえず明日、通院先に電話して予約をとる。
薬を変える必要もあるだろうし、主治医の診察を受けたほうが良いだろう。

なんだか今回は悔しい。
わかっていた。
予兆をちゃんと感じて、対処しようとしていた。
訪問看護で相談して、受診しようと考えられていた。
だけど、間に合わなかった。
間に合わせられなかった。

これ以上、何ができたんだろう。
私はどうしたらよかったのだろう。

神様。
もしいるというのなら教えてください。
私はこれだけの過ちを繰り返し、正しい道を歩めているのでしょうか。
回復する未来は存在しているのでしょうか。

決して神頼みしているわけではない。
自分で頑張るしやれることはやる。
ただ、その方向性があっているのかだけは教えて欲しい。



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すず
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